第20話
「ヤバいな
見つかってしまったのか」
あせるオレ。
「そうみたいですわね」
バラウーモンも、ビックリしている。
「にしても早いな
まさかギャバが………」
そう言うと、奥のドアが開いてギャバが入ってくる。
「いいえ 違います
マスターはハマオニールの似顔絵を画家に依頼されましたよね ??」
ギャバの、顔がゾウになっている。
「あぁ そうだけど」
それが、どうしたのだろう?
「その方は 宮廷画家なのです
おそらく───」
と、言われてハッとする。
「なるほど
そっちから通報されたのかもね」
たしかに、口止めはしていない。
「どうしますかマスター
あんな連中はみじん切りにしますが!」
マリンが、腰の単刀に手を伸ばす。
ケンカっ早いのは、変わらないのね。
「いや 不要な争いは避けたいからなぁ」
マリンは、本当にひき肉にしてしまうからなぁ。
「それなら 裏口から出れますよ」
ギャバが、指差す。
「ありがたい
みんな この街を出るぞ」
パーティーメンバーの顔を見ると、静かにうなずく。
「お待ちください」
ギャバが、鼻を振り止める。
「どうしたのですかギャバ ??」
なんだろ。
「ハマオニールは 北の方向にあるダンジョンに向かいました」
ハマオニールの、行き先を教えてくれるギャバ。
「北………
まさか 最北の ??」
「違います
初心者用のです」
「そうですか
でも そこまでわかるのですね」
さすが、占い師だなぁ。
「だってワッチがそう指示したからね」
鼻を、顔の前で折り畳んで舌を横に出すギャバ。
「あぁ
でも 珍しいな初心者嫌いのギャバが」
以前は、追い返していたぐらいなのに。
「なにか 感じるモノがあっただけよ
さぁ 急ぎなさいマスター」
「おう
ありがとうなギャバとバラムーモン」
二人に、礼を言う。
「いいえ
また近いうちに会いに来てね」
ウインクするギャバ。
「うん
そうするよ」
こっちで、のんびりするのも悪くないな。
「めんどくせぇ
叩き壊すぞ」
男どもが、物騒なことを言っている。
「おう」
ガシャーン
ドアが、破壊されたが、
「おやおや
どうされたのですか ??」
すぐ、そこにギャバが立って出迎える。
「おい
マスターサーベルティガーを出せ」
少し、ひるんだ男たちだったがすぐ大声を出す。
「えっ
いきなりなんですか ??」
なんのことと、とぼけるギャバ。
「ここに 客が来ただろう
そいつがマスターサーベルティガーだ」
「そんな人は知らないですし第一今日はお客さまは1人も来てないです」
あくまでも、知らないと言うギャバ。
「ウソをつくな! では なんでギャバお前の顔がゾウになっている」
ズバリ指摘する男。
「それは 他のことを占っていただけで」
とりつくろうギャバ。
「アニキ !!」
別の男が、駆け込んでくる。
「なんだ ??」
うるさそうに聞く男。
「裏口だよ
裏口から逃げてる !!」
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