第19話
「あなたは 知らないと思うけどこの国の王には娘が2人いたじゃない?」
ロベリア国王は、男の子の誕生を熱望していたがかなわなかった。
「エミーゼ姫と姉のホワイトローリエ姫ですね」
エミーゼ姫とは、いろいろあったけどホワイトローリエ姫とは2~3回会って話をした程度の関係だ。
「はい
そのホワイト───」
と、バラウーモンが言いかけると、
「はいはーい」
壁から、スーッとホワイトローリエ姫が出てくる。
「「わーーッ」」
ビックリする一同。
「なによ
失礼しちゃうわね」
腰に、手を置きほっぺたを膨らませるホワイトローリエ姫。
「姫! 説明の途中で出られても」
注意するバラウーモン。
「そうなの? わかりやすくてイイと思ったけどなー」
キョトンとするホワイトローリエ姫。
「おいおい
なにがどうなって」
このゲームって、壁ぬけ出来たのか?
「見ての通り ホワイトローリエ姫はお亡くなりになられた」
真顔で、そう言うバラウーモン。
「えッ………
なんで ??」
ちょっとでも、顔見知りだったのでショックだよ。
オレが、手を伸ばすとホワイトローリエ姫も手を伸ばして恋人つなぎになるのだが、少しヒンヤリした感触だ。
「流行り病でね
それで お願いがあるの」
無念だったんだろうな。
「なんですか いきなり」
お願いと言われても、聞けるのと聞けないのがありますよ。
「妹の エミーゼとの間に子供を作って欲しいの」
ホワイトローリエ姫が、オレの顔に接近して小声で言う。
「いや それは 偽装の関係でして」
ダメだ、全然目線をそらせない。
「それも 十分承知でお願いしているの」
真っ直ぐ、オレを見つめるホワイトローリエ姫。
「えぇー
マジですか………」
やっとの思いで、マリンの方を見ると、
「えっ
わたしの顔に なにか付いてますか?」
首を、かしげるマリン。
「マリンが なにか言うかなって思って」
あれ、本当にライバル心が無くなってしまったのだろうか?
「マスターは エミーゼ姫を選ぶんでしょ? わたしなんかより」
なっ、なにそれ。
「えっ? そんなこと言ってないよ」
卑屈になるなよ。
「そうなの? もう捨てられるとガッカリしていたけど思いすごしだったのね」
笑顔が、戻るマリン。
「そうそう
捨てるなんて絶対にしないよ」
捨てるとか、捨てられるとかそんな概念でやってないし。
「それでは わたくしは ??」
サフィスが、泣きそうな顔で見てくる。
「サフィスも 捨てない」
捨てるわけないよ。
「ホッ
よかったですわ」
ほほえみが、もどるサフィス。
「あたいのことは どうなの ??」
カリスも、困ったような顔をする。
「カリスも 捨てないから安心して」
みんな、心配だったんだな。
「フフッ
めっちゃうれしい」
ニヤッと、笑うカリス。
「そうなると この街から早く出た方がイイかもな」
強制的に、結婚をさせられる可能性もある。
「おーい
ここにいるんだろーッ」
占いの館の、外が騒がしい。
「出てこーい」
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