第3章
第15話
「このような感じで どうでしょう ??」
画家が、スケッチした絵を見せる。
「あっ
こんな感じこんな感じ」
けっこう、ソックリじゃないか。
「そうか? もっとイジが悪そうな顔じゃあなかったかなー」
マリンが、眉間にシワを寄せながら言う。
「わたくしは これで全然イイと思いますわ」
サフィスは、納得している。
なにせ、ほぼサフィスの意見を取り入れた絵だからだ。
「そうニャ
それでは 次はぼくを描いて欲しいニャ !!」
捜索用の、似顔絵より自分を描いて欲しいエドワード。
「ちょっと待てぇ」
割り込むオレ。
「ニャ ??」
目を、丸くするエドワード。
「ダメだよエドワード」
エドワードの、後ろにまわって両肩を掴んで向きを変える。
「描いて欲しいニャ!」
抵抗するエドワード。
「わかった
それじゃあ 捜索が終わったらね」
とにかく、遠くに行く前にハマオニールを捕まえないといけないんだよね。
「………約束ニャ ??」
うるんだ目で、見上げてくるエドワード。
「うん 約束」
エドワードが、こんなに自分を描いて欲しいって言うなんて驚きだな。
「わかったニャ」
ニコッと、笑うエドワード。
「よし 行こう」
この似顔絵で、聞き込みだ。
「あのもし」
画家が、オレを呼び止める。
「えっ ??」
なんだろ?
「人を 捜索されているのなら有名な占い師の方がこの街に来ていますよ ??」
もったいぶったように、話す画家。
「ホントですか ??」
占い師って、もしかして………
「はい
名前はたしかギャバとか言ったか」
アゴを、なでながら思い出す画家。
「ギャバが この街に来てるんだね!?」
やっぱり、彼女が来ているんだ。
ということは、バラムーモンも一緒かも知れない。
「はい
そのようで」
これは、パーティー内をなんとかするまたとない機会だね。
「チャンスだニャ」
エドワードも、シッポをグルングルン動かす。
「おお
ありがとう」
画家に、お礼を言う。
「どういたしまして」
ニヤッと、笑う画家。
「場所は どのあたりですか ??」
どこにいるか、聞いておかないとね。
「ギルドのあるでしょ
その向かいの 酒場のとなりで占っています」
繁華街の、ド真ん中だ。
「マジですか………
それじゃあ行ってみます」
ヤバいなぁ。
「はいー」
手を、振る画家。
「あー
気が進まないな」
危険な、香りがプンプンする。
「どうしてかニャ ??」
首を、かしげるエドワード。
「よりにもよって集会所の近くで占いをやらなくてもイイだろ
ギルドの連中に会ってしまったらと思うと………」
特に、ギルマスには会いたくない。
「仮面を 持ってなかったかニャ ??」
不思議そうな、顔をするエドワード。
「仮面舞踏は カリスのいるアイドルグループだろ
って そっちじゃないか」
完全に、うわの空になっていた。
「なにか あたいの話をした ??」
カリスが、反応する。
「いや
私が仮面を付けるって話していたんだ」
仮装用の、仮面を取り出す。
「そーなんだ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます