第10話

「一応ここが動画に出ていたスライムが出る部屋だよ」


 若い子だから、コロッとスライムが狩りたくなるかも知れないからね。


「そうなんですね」


 やっぱり、スライムに興味が無いハマオニール。


「一応 1匹くらい狩ってみようか ??」


 記念に、狩っとこ?


「あっ

そうですね1匹くらいは狩ってもイイかな」


 おっ、これで1匹も収穫が無かったとか言われずに済むよね。


「1匹倒すと ウジャウジャわいて出て来るわよぉー」


 イジワルな、顔をするマリン。


「あぁ 大丈夫

大量発生した分は 私の方で処理するから」


 まぁ、言った手前1匹以外はオレがやらないと。


「ちょっと マスター」


 なぜか、怒っているマリン。


「どうしたマリン ??」


 なんで、そんなに機嫌が悪いんだ?


「ハマオニールに やさしくないですか ??」


 なにかを、疑っているマリン。


「そうかな? そんなに変わらないぞ」


 誤解だよマリン。


「そうですかぁ ??」


 やたら、マリンが疑って来る。


「あのー

そろそろ始めても ??」


 モメていると思って、待っていたハマオニール。


「あぁ 何時間かかってもオッケーだからね」


 とりあえず、スライム1匹は最低ラインのおみやげだからね。


「ありがとうございますマスター」


 ペコリと、頭を下げるハマオニール。


「なんか やっぱり対応が違う~」


 地団駄を、踏むマリン。


「なんだ

ちょっと つっかかりすぎだぞ」


 さっきから、なんだよ。

 雰囲気を、悪くするなよ。


「えーでも………

うーん」


 なにか、納得いってないマリン。


「ハニーちゃんは スライムを狩って」


 こっちの様子を、観察しているハマオニール。


「はい始めます」


 ダガーを、構えるハマオニール。


「フン

どうせ時間かかるだろうし座って───」


 そう言って、壁際にマリンが座ろうとした時、


「はッ !!」


 一瞬の、出来事だった。

 初心者が、一撃でスライムを撃破したのだ。


「ウソ………」


 おどろいて、しりもちをつくマリン。


「やったじゃん

ハニーちゃん 筋がイイよ」


 よく、がんばった時には褒めないとね。


「ありがとうございますマスター

指導のおかげです」


 感謝するハマオニール。


「そんなの

たまたまだわ !!」


 マリンが、変な笑顔を見せる。

 なんで、小姑みたいになってんすか?


「おいおい

どうしたんだマリン」


 そろそろ、暴走を止めないと面倒だな。


「えっ

わたし ??」


 ビックリした、表情をするマリン。


「ちょっと トゲトゲしいぞ」


 軽く、注意するオレ。


「えっあっ

すいませんマスター」


 なんだか、プルプル小刻みに震えているマリン。


「ちゃんとハニーちゃんにも謝らないと」


 一瞬、オレをにらむマリン。


「………ごめんなさいハマオニール」


 頭を、下げるマリン。


「あっ

ぜんぜーん大丈夫ですョー」


 ネコを、かぶっているハマオニール。


「ひギッ」


 ビクッと震えるマリン。


「よし 仲直りしたところでビッグラットを狩りに行こう」


 右手を、突き上げるオレ。


「おーぅ」


 ハマオニールも、右手を突き上げる。


「うーん」


 なにか、言いたげなマリン。


「マリン

お局様じゃあないんだし肩のチカラ抜いてよ」


 なんか、やりづらいな。


「お局様とはなんですか !!」


 よく、わかってないのにキレるマリン。


「ホラ怒らない怒らない」

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