第7話
「う………
ウソ………」
気が付けば、ラッピューの周囲には無数のスライムが出現して取り囲んでいる。
「おっ
大量ゲットのチャンスだよ !!」
煽るオレ。
これだけいれば、目をつむっていても当たるでしょ。
「そんなこと 言われたって」
しかし、予想に反して1発もヒットしない。
そういう、
「動きを ちゃんと見ていればやれるハズだよ」
アドバイスすることにした。
「動きを ちゃんと見る」
復唱しているラッピュー。
奴隷が、板についてきたな。
イイぞ。
「そう
流れがあるから それを掴む」
素早いとは言え、ワンパターンなスライム。
「流れを 掴む」
構えが、良くなったラッピュー。
「流れは1つの方向だけじゃあない」
これが、最大のヒント。
ズバーン
ピコハンを、横に振り抜くラッピュー。
スライム1体を、瀕死にする。
「やった
やっと当たった」
跳びはねて、よろこぶラッピュー。
「そう
ピコハンと言う固定概念にとらわれていたから縦にしか振れなかったんだよ」
さっきから、ずっとヒントを出している。
「なるほど
マスターすごい」
やっと、尊敬の眼差しで見てくるラッピュー。
「
気持ちイイな。
奴隷が、やっとヨチヨチ歩きだす。
「あれっ」
スライムに、目をこらすラッピュー。
「どうしたラッピュー?」
もしかして、虹のメーターを探している?
それ、すぐ消えるよ?
「どれが ダメージをあたえたスライムかわかりません !!」
キョロキョロするラッピュー。
やっぱりね。
「いや 向かって来るのを倒せばイイよ」
もう、当てられるんだからやってよ。
「えー
この数を ピヨだけでやっつけるのぉー ??」
また、変な目で見てくるラッピュー。
「その通り
助けがいる時はいつでも呼んでくれ」
しばらく、見ておいてやる。
「今助けがいるんですよ
今 !!」
大声で、訴えるラッピュー。
「そうか
ただスライムと
そこまで、
「どこを どう見たら戯れてるのよ
こっちは必死なの !!」
ピコハンを、振りまくるラッピュー。
「しょうがないな よけろよ
はッ」
オレが、剣を横へ軽く振るとほとんどのスライムが虹を残して消え失せ、虹の花畑になる。
ラッピューは、ギリギリで伏せてかわす。
「あっぶなー
やるならやるで 早く言ってよ」
なぜか、キレているラッピュー。
そういう、タイプなんだねこの人。
「いちいち文句の多いヤツだな」
もう、相手するのやめようかな。
「見てくださいー
ピヨはついにやりましたぁー」
自分が、やったように偽装するラッピュー。
「おいい
お前がヤったんじゃあねぇだろ」
どういうつもりで、やってんだ。
「マスター」
マリンが、耳打ちして来る。
「どうしたマリン ??」
顔が、完全に冷めているマリン。
「こいつに なにを言っても無駄でしょう」
ニッコリと、笑顔になるマリン。
逆に、コワいよ。
「それもそうか
早々に 引き取ってもらおう」
もう、十分やったでしょ。
「そうですね」
やけに、うれしそうなマリン。
「おーい ラッピュー」
ドロップアイテムを、かき集めているラッピューを呼ぶ。
「なーんですか ??」
手を、止めるラッピュー。
「さっさとスライムを換金して終わろう」
もうなんか、すぐ次の人と代わって欲しい。
ダンジョン内の、簡易換金所に向かうことにする。
「えー
もう終了ですかぁー? もっとやりたいー」
ダダを、こねるラッピュー。
「貴様 マスターが終わりだと言えば終わりだ
さっさと 換金所まで行くぞ」
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