第3話
「あーん
長船ちゃーん」
四つん這いになり、落ち込むラッピュー。
しっかり、地面に落ちたスマートフォンの画面に顔を持っていっている。
「奴隷の分際でマスターの話を聞かないからそうなる」
マリンが、しかめっ面で鼻で笑う。
「ねぇ
このムカつく子は誰ですか ??」
マリンに対して、あたりを強くするラッピュー。
「この子はマリン
キミの先輩の奴隷だ」
そう、オレが説明すると、
「なんだよ奴隷かよ !!」
自分と、同じ立場とわかりマウントポジションをとろうとするラッピュー。
「奴隷だが 私と同様に敬うように」
もう、モメるの面倒だし。
「え゛ーーー」
そう、その顔をアップしろ。
バズるぞ。
「それでは ダンジョンを案内する」
あとが、つかえているのでサクサク行きたい。
「ちょっと待ったァー」
急に、止めるラッピュー。
「はい ??」
急いでいるのに、いちいち止めるなよ。
「武器が なくなったから何かちょうだいよ」
なにか、貰おうとしているラッピュー。
「あぁまぁレンタルだけどね
これを 渡そう」
アイテム袋から、初心者用の武器を取り出して手渡す。
「え゛ぇぇナニこれェェェ」
見た目が、完全にオモチャに見えて騒ぎだすラッピュー。
「ピコピコハンマー
略してピコハンだが」
これが、案外あなどれない。
「そんなの見ればわかるわいッ
もっとさぁマスターの腰に付けてるようなロングソードが欲しい !!」
欲しいって、借りパクするつもりだろうか。
「まぁおこがましいですわね」
マリンが、腕組みしてにらむ。
「なんだと !!」
ピコハンで、マリンに殴りかかるラッピュー。
だが、サッとかわすマリン。
「まず 初心者に剣は無理だ」
とりあえず、説明の続きをしないと。
「これでも ゲームの剣術はAなのよ」
マリンに、かわされたのにどこからその自信が来るんだよ。
「それってこのゲームの話か ??」
一応、聞いてみる。
「………別のだけど」
なんだそれ。
「じゃあ黙ってピコハン使え」
いちいち、モメないでくれ。
「………うんわかったわ」
しぶしぶ、納得するラッピュー。
「それじゃあ まず練習だ」
なめプとか、マジでしんどいからね。
「いらないわよ」
まだ、反抗的なラッピュー。
「イイから そこの岩を叩いてみろ」
初心者に、手ごろな岩を指差す。
「はい こうですか」
ピコ
軽い、音をさせるラッピュー。
これだから、練習は欠かせない。
「今打ったところ
虹のメーターがグイーンと出ただろ」
モンスターに、一撃くらわすとモザイクかよって感じで虹メーターが出る。
これで、このゲームは全年齢対応になっている。
「あーこれって結局なんですか ??」
岩を、隠すように出た虹を見るラッピュー。
「そのメーターは 自分のチカラの何パーセントを出せたかゲージでわかる」
最大180まで、パワーが出れば半円の虹になる。
自分のチカラと、プラスアルファで。
「へー」
わかったような、わかってないような反応のラッピュー。
「つまり 本気で叩いてないから20パーセントだ
もっと強く叩いてみろ」
初心者でも、低すぎ。
「えー
ピコハン壊れちゃうー」
そんなことを、気にしていたラッピュー。
「大丈夫だ」
まず、キミがフルパワーを出しても壊れない。
「うん わかった」
ピコッ
「もっとだ」
ピゴッ
「もっと」
ビガッ
「もっと強く」
バゴーン
岩に、ヒビが入る。
メーターは、80パーセントくらいまでグイッと回る。
「よし だいぶ良くなった」
初心者は、だいたいこの程度だ。
「ハァハァ」
このぐらいで、息切れするラッピュー。
「どうした? Aランクがどうのこうの言ってなかったか ??」
挑発するマリン。
「うっさいわね」
ピコハンを、振りかぶるラッピュー。
「コラ
2人とも仲良くしなさい」
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