第4話マカロニサラダってどうしても苦手

「以上がまとめになる。話を聞く限りじゃどうしても偏りが出来るからあれだけど、まだ事件が浅い内に後詰も含めて聞き込みも兼ねて外出しようか」

「でも所長、今雨降ってるっすよ」

「……」

部屋の窓を開け空を覗き込むと確かに雨だ。

しかもどしゃ降り。

無言でまた窓を閉めて、黙考すること数秒間。

ここで僕は苦渋の選択を決めることにした。

「よしっ!今日は早終いにして何か食いに行くか!」

「いやーこんな雨の日に出掛けたい人間居ます?」

「でも、腹減ったしなー」

お腹を擦りながら情けない声でそう呟いたツバキに、チラチラと見てくる灯。

「私が作りますか?」

その提案に、青白い顔をしたツバキはストックしてあった泣けなしの非常食カップラーメンを台所の戸棚から取り出し、アピールする。

以前、灯に作って頂いた恐怖の大王、マカロニサラダを拝むことを全力で回避しようと画策するも、灯は嬉々として台所に立っている。

灯、大地に立つ!

「マカロニ以外で頼んだ……!」

心中は諦め。無我の境地を開拓した心持ちで懇願するように手を合わせる。

「えー」

「いや、ほんと。一生涯の願い」

こうしてこの茶番?はマカロニサラダを出されて希望から発狂した所長寿ツバキと、それを見て意地悪い笑みを浮かべてるワトソン君で締め括られた。

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