第31話 過去のこと② 『最悪』

まえがき

グロ注意な部分があります。

❖で区切ってます。

苦手な方は❖が見えたら次の❖まで飛ばしてください。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

※スイちゃん視点


『黒翡翠』を天界に持ち帰った私は幼天使としての仕事をしていた。

 内容としては邪神による”瘴気”に当てられた物を直すという簡単なものだ。


 そんな仕事をしている最中、当時の脳内で何者かの声が聞こえてきていた。


『我ヲ……解放セヨ……』

「うるさいっ!」


 同じ声をずっと聞いていたせいで、思わず声を荒げてしまった。


「大丈夫?スイちゃん?」


 そう声を掛けてくれたのは当時”親友”だった、シルアエルことシルちゃんだ。

 ちなみに、羽が綺麗。


「ちょっと脳内で変な声が聞こえていただけだから大丈夫だよ」

「大丈夫ならいいけど、何か会ったらわたしに言ってね?」


 シルちゃんは優しかった。

 私が他の幼天使と遊ばずに翡翠集めに没頭していて、ボッチだったとしてもだ。


『我ヲ……早ク……解放セヨ……ナラバ…』


 うう……うるさい…。


 仕事を始めてから数時間経った時、私は若干ノイローゼ気味になっていた。


「ねえ、スイちゃん!?様子おかしいよ?」

「だ、大丈夫だよ…」

「絶対大丈夫じゃないって!一介休憩しよ?ね?」

「……うん」


 その瞬間、視界が歪んだかと思うと、意識を失っていた。


 そして、意識を失う寸前にある言葉が聞こえた。


『我ハ今解放サレタ。幼天使ノ小娘ヨ感謝スルゾ』



❖ ❖ ❖ ❖ ❖

※グロ注意






 次に目を覚ました時は、天界はぐちゃぐちゃになっていた。

 所々に天使の血肉が散らばり、その遺体には紅く染まった翡翠が刺さったりしていた。

 その数は数え切れないほどで、流れた血だけで、川が作れそうなほどだった。


 ふと、何かがある気がして下を見ると……。



 えっ…………。



 何で。



 なんで。




 なんでシルちゃんが体中から血を流して倒れてるの?



 私の唯一の”親友”が。

 所々から肉が抉れ、骨が飛び出て、綺麗だった羽もボロボロに切られてそれでも、私にしがみついていた。

 頭上の輪の光が消えていることから、もう生きていないことが分かる。






❖ ❖ ❖ ❖ ❖

起こったこと→目が覚めた時、悲惨な死体がそこら中に転がっていた。死体のそばには翡翠があった。そして、”親友”のシルアエルの死体もそこにあった。……なんでこうなったの?



 なぜこんな光景が広がっているのかが分からない。


 そんな、思考が混濁している時に私の体が勝手に動き出した。

 何も意識していなかったにも関わらず。


「フッ、幼天使ノ小娘ヨ今目覚メタカ、一足遅カッタナ。ツイ先程マデコノ小娘モ生キテイタゾ。『スイちゃんを返せ』ッテ言ッテイタナ」



 なんで……。



 なんでコイツはこれだけの仲間を殺しておいて今もよくのうのうと生きてられるの?


「我ハヨクコウ呼バレルナ、『最悪』ノ”イレギュラー”トナ」


 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

どーも、のこじです。

13日目です。


グロ注意の光景を見た方はSANチェックです!(TRPG風)

失敗!1d10の減少です。7!一時的発狂!5!恐怖のあまり、貴方はこの作品の★に目が釘付けになりました!きっと星を押せば解除できます!

星をください!


っていう茶番はさておきですね。

あと数話で完結かなとは思います。

少しだけ後日談とか閑話と書くかもしれませんが。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る