第15話 訓練っ!キツっ!

「スイちゃん!集合ー!」


「はいはい。私は1人しかいないよ」


”友人”のテンションが矢鱈と高い。

お酒でも飲んでいるのかと思ったけど、そうは見えないから通常テンションなんだろう。


「今後の上位存在への進化を考えて、訓練するよ!所謂強化パートってとこだね。普通の”イレギュラー”ぐらい簡単に倒せるようになるぐらいにはするから、安心してね」


「拒否権は?」


一応尋ねる。


「うーん。拒否してもいいけど、上位存在になった時に体を使いこなせなくなるよ?」


「元より拒否する必要は無いけど」


友人は大きく頷いた後、


「うん。よし、じゃあ決まったね!訓練しよう!」


私を掴んで訓練場に転移した。


そこから地獄の訓練が始まった。


❖ ❖ ❖ ❖ ❖


ヒュン!


飛んでくるナイフを躱す。


すると、唐突に全方位にナイフが現れ、私に向かって飛んでくる。


「ちょっ!!」


適度に弾きつつ、全力で回避をする。


「よーし!ナイフの数をもっと増やすからね!スイちゃんの速度も一般人以下位まで落とすよ!」


「うっそでしょぉぉ!?」


その瞬間、全方位からナイフが時間差でバラバラの間隔で放たれつつ、ナイフが私へと追跡を始める。


「ぐぅ…」


ものすごく遅くなった体をフルパワーで動かす。


思うように体が全然動かない…。


しかし、ナイフの群を振り切ることは出来ず、数万丁のナイフが私に迫る。


そして、危うく蜂の巣になる!というところで、友人が全てのナイフを停止した。


「あぁー。駄目だったー」


その場でヘタれこんだ私の所へメイド服を着た”友人”が駆け寄ってくる。

何故にメイド服。


「ナイフといえば、メイドが投げるものだからね」


よく分からない。


「メイドって家事とか主人の世話をしたりするもんじゃないの?」


「チッチッチ。冥土道をよくわかってないねスイちゃんは」


「何その恐ろしい名前は」


「私が開門した武道の流派の一つだよ。私はそこの開祖、通称”冥土王”と呼ばれてるんだけど………知らない?」


”友人”が可愛げに首を傾げるが、知らないものは知らない。


「アンデッドの王?」


「そんなんじゃないよ……。まあいいか、そんな事より、訓練続けるよ!」




―――訓練開始から数日後(体感時間)。


「【神虐】」


現在私は飛んでくるナイフを躱しながら標的に向かって魔法をずっと放っている。


【神虐】については”友人”曰く、神を弄ぶ為の能力らしい。

神以外にとっては殺しにかかっているようにしか見えないが。


「っと!」


偶に飛んでくる、魔法を吸収する。


そして、吸収した魔法の威力を倍にして、標的に跳ね返す。


バゴォォンと、爆音が鳴り響く。


硬いなぁ…。


しかし、標的は傷一つつかない。


標的とは”友人”が作った人形で、”オリタイト”というこれまた”友人”が新しく創り出した金属でできている。


どうやって壊せばいいんだろう…。


❖ ❖ ❖ ❖ ❖

★この世界の〜メモ★

【神虐】

”友人”によって創られたスキルの一つ。

神を弄ぶ力がある。

神特攻を持っている。

【オリタイト】

”友人”によって創られたオリジナル鉱石。

持ち主以外の魔力を一切通さず、持ち主の魔力量によって硬さが変わる。

魔力を一切通さないという性質から、この鉱石はすべての魔法からのダメージをカットする。勿論、スイちゃんはこの事にいまだ気づいていない。

しかしながら、これの加工についてはどの世界に行っても”■■■”以外は不可能。

名前の由来はハルコン+アダマン

なんかつよそー(小並感)な名前にしました。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ども、のこじです。

ご覧の通り、この章からオリジナルファンタジー要素が強まっていきます。

なので、設定を考える必要があるから、更新が遅いです(言い訳)。

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