第10話 内通者

光莉は盗聴器を使い南一郎に情報を与えていた


光莉「仕方ない、全て説明するわ」



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光莉は南一郎の愛人だった。

そして新作 "殺人計画書" は南一郎が今までで一番力のいれた作品らしい。


11人の殺人鬼に実際にインタビューをし、犯罪者の思考を小説に取り込もうとした。しかし実際にインタビューをしたのは南一郎本人ではなく、別の人物だった。


光莉「殺人鬼のインタビューにわざわざ影武者を使う必要なんてある?」


南一郎「殺されたら怖いだろう。相手はサイコ野郎だ」


そして南は小説の内容を練り前編(~7話)を書き終えるが、考えれば考えるほど天才南一郎でも理解できない殺人鬼達の思考に後編をどうするか頭を悩まされていた。そんな時、影武者の元にある人物がやって来た...


??「この本読みました。まだ前編しか読んでないですが犯人は2番目に死んだと思われた小学生ですね」


ニセ南「良く分かったね。前編だけで分かったのは妻と君だけだよ」


ニセ南と "??" の会話は別室で本物の南が聞いている。その後衝撃の事が起こる


南「まさか小説通りの事が起こるとは...」


ニセ南が"??"に殺された。その "??" は小説でも南を殺した犯人役にしようとしてた人物だ。


そして南は1つの案を思い付く、小説と同じ状況を現実に作り殺人鬼達がどんな行動を取るのかノンフィクションで書く事だ。そうと決まれば南一郎は影武者であり双子の弟 "南二郎" の戸籍として生き、南一郎は死んだ事にした。




~4ヶ月後~


愛弓「これで良かったですか?」


おばちゃん「あぁ、任務は完了だ」


後に爆破で死ぬ事になるおばちゃんは、圭と美緒を旅行に誘った愛弓に50万が入った封筒を渡した。こうして殺人鬼全員を旅館に誘いこんだ




光莉「本当に奥さんと協力者が動き出したわ」


南「書斎に殺人計画書の前編とインタビューした殺人鬼の住所等を置いておいた。内容通りに行動すれば私を殺した犯人が分かると妻は理解したのだろう」


光莉「奥さんに愛されてなきゃこんな事してくれないわ、凄い人間力ね」


南「フフッ、まさか浮気してたなんて思わないだろうね。この計画で妻は死に光莉と結婚できる、そして後編もノンフィクションで書ける、一石二鳥じゃないか!」


光莉「でも前編部分、上手く行くのかしら? 勿論あなたの天才ぶりは十分承知よ! でも万が一って事が」


南「そう、どの物事にも100%は無い。この計画は80%だ、特に目田と葵は自分から動いて貰う必要がある。そこで光莉にお願いだ、この2人を挑発するのにもっとも適してるのが性格の悪いギャルだ。光莉はそのキャラで物語を80%から100%にしてほしい。他にも予期せぬ事態が起こった時、軌道修正する役としてやはり君に現場にいてほしい」


光莉「なるほどね。私も殺人鬼のフリをして潜入するのね」


南「そして旅館に行ったら自分の部屋に盗聴器を仕掛けてくれ、独り言や寝言として何が起こったかを随時報告してほしい」


そうして光莉は髪を染め罪悪感皆無ギャルとして旅館に来たのだ


~~~~~~~~~~~~~~~~


光莉「今の会話もきっと南一郎に聞かれてるわよ」


三滝「南一郎め...まてよ、じゃあ光莉は南を殺した犯人も、復讐をしている人物も知っているのか」


光莉「私は知らないわ。南はどっちも知ってるでしょうけどね」


三滝「知らない? 奥さんと今ここで4人殺した犯人は身内じゃないのか?」


光莉「身内の事なんか知らないわよ、ただの愛人だもの。そして私に犯人を教えちゃうと、多少犯人の事避けちゃったり、私の行動が不自然になるでしょ、それじゃダメなのよ」


光莉はこのノンフィクション小説のいわばヤラセみたいな存在、なので犯人を伝えない事で少しでもリアルな小説を書きたいのだ



三滝「なるほど、じゃあやる事は1つだな」


光莉「何する気?」


三滝「今の光莉の言った事を皆に説明する。南一郎が生きてたとなれば復讐者は復讐する理由を失い自白する、違うか?」


光莉「そんな事したら、無数に仕掛けられた爆弾でこの建物ごと破壊されるわ。生きて帰るには、この小説を南一郎の納得行く結末で終わらせなければいけない」


三滝「今みたいに全員がペアで動いて警察がくるまで待機、そして警察が来て全員救助なんて結末になったらどうなる?」


光莉「その時も救助の直前に爆発させるでしょうね」


三滝「じゃあ警察が来るまでに俺達自身でこの事件を解決しなければならないのか...それは探偵の俺がやるしかないな。最後に確認するが、南はXじゃ無いんだな?」


光莉「うん」


三滝「じゃあこのどこかに潜むXとは誰だ...糖分が欲しい。一旦食堂に行こう。おい! 南一郎! 必ずお前の納得行く結末にしてやるからな!」


三滝は盗聴器で聞いているであろう南一郎に事件の解決を宣言し2人は食堂へと向かった。




~長宮の部屋~



暴念「んー.......」


長宮「落ち着かないか?」


暴落「そりゃそうだろ!」


長宮「お前も良い人ぶってるけど人殺しヤクザだろ」


暴念「なんかよ、圭見てたら守りたくなったんだよ」


長宮「なら三滝に気を付けな。あいつは恐らく犯人だ」


長宮はいつのまにか金庫にあった殺人計画書の前編を持ってきていた。そして推理を暴念に披露する


暴念「す、すげぇ...犯人は南一郎が教えてくれてたのか!」


長宮「俺は今から南一郎殺人犯の三滝を殺しこの事件を終わらせる」





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