第9話 サイコパス
隠し金庫には、目田殺害に使われた毒薬と、まだ使われていない睡眠薬があった
圭「まだ事件は続く...」
美緒「いや、すでに使われていたのかも知れない」
三滝「いつだ?」
美緒「葵が死んだ時に男達は何してたの?」
暴念「俺と圭は寝てたな、だって根岸が死ぬ前から寝れて無かったし」
三滝「俺と長宮も源田さんの死体の所から戻ってきたら寝てしまってたな」
美緒「じゃあ皆そこで睡眠薬を飲まされてたら、犯人は自由に葵の部屋に行けるわね」
長宮「睡眠薬は念の為に犯人が準備しておいただけじゃねぇの? 葵殺しはどう考えたって光莉だろ」
光莉「はぁ?」
長宮「光莉はわざと葵を挑発し1人になるきっかけを作ったんだ。それがなけりゃ死ななかったかも知れない」
美緒「確かに、葵があんなに落ち込んでなければ私は葵の部屋まで付いていったわ」
光莉「それも全て南一郎に読まれてたんじゃないの」
長宮「でも現時点一番葵を自殺させられるのはお前だ」
光莉「チェッ...」
光莉の舌打ちが部屋に響くと、三滝は席を立つ
三滝「ちょっとトイレに行ってくる」
圭「じゃあ僕も付いていきますよ」
三滝「いやいいよ、1人で行く。皆が食堂にいれば犯人は動けないしXに連絡を取る事もできないだろう」
そうして三滝は食堂を出ていった
暴念「怪しいな」
圭「確かに皆食堂にいるから殺されないかも知れないけど、三滝さんが犯人なら何らかの証拠を隠滅する事はできる」
暴念「行こう!」
圭と暴念はトイレに向かう。しかし三滝はいない
圭「どこだ!」
暴念「とりあえず三滝の部屋だ!」
急いで2階に上がり三滝の部屋に行くが姿は無い。皆に状況を伝えようと一階に降りるとそこには三滝がいた
圭「三滝さん! どこにいたんですか!?」
三滝「ちょっと葵の部屋にね、手掛かりでも無いかと」
圭「もう! 1人で動かないで下さい!」
三滝「すまない。誰が犯人か分からない今、証拠探しを1人でやりたかった」
圭「そうですか...でも死ぬかも知れない事を自覚して下さい!」
そうして3人で食堂に戻った
光莉「サイコパス診断やって一番ヤバい奴が犯人じゃね?」
美緒「バカじゃないの」
長宮「いや、案外理にかなってるかも知れないな」
光莉「じゃあ私が覚えてるやつ言うわ。あなたは弾が1発だけ入った拳銃を持っています、それを使って出来るだけ多くの人を殺す方法を教えて下さい」
圭「うーん...1発しか無いからどうやっても1人しか殺せないよな?」
光莉「はい、それ一般人の答え、圭は犯人じゃない」
暴念「人を縦に並べて打てば、全員殺せるぜ!」
光莉「それも次に多い答え」
暴念「ぐっ.....」
圭「いや、暴念さん、サイコパス診断だから、悔しがる所じゃないですよ!」
三滝「警察内で銃を撃ち自分もその後撃たれる。これで2人だ」
光莉「それはいい考えね、でもサイコパスでは無さそう」
長宮「妊婦を撃つ。これで2人だ」
...場が静まり返る
光莉「サイコパス発見」
長宮「お前はどうなんだ?」
光莉「私は、爆発する物を撃つ」
圭「なるほど、それは沢山人が死ぬ」
光莉「最後は美緒よ、貴方の発想ならどれだけの人を殺せる?」
美緒「拳銃で皆を脅し、殺し合いをさせて最後に生き残った奴を撃ち殺す」
圭「美緒......」
長宮「それ傑作だな! まるで今の状況じゃねぇか!」
そんな話をしながら昼食を食べ終える
三滝「また2人1組で行動しよう。今度は絶対に寝ちゃだめだ、飲み物は新品のペットボトルのみ認める、必ずペアの人に触らせないように」
圭「はい」
三滝「圭、今日は美緒の側にいてやれ。友達が死んじゃって苦しんでるだろ」
圭「あ...はい、有難うございます」
三滝「おう! 俺は光莉とペアになるよ」
暴落「げっ...俺は妊婦殺しと一緒か」
長宮「そりゃ悪魔で心理テストだ、実際妊婦なんか殺しゃしねぇよ」
午後1時 美緒の部屋
圭「美緒...辛かったな」
美緒「絶対に許さないわ。葵を殺した犯人」
圭「まぁでもこれで美緒も人を殺す事は無くなったろ...」
美緒「それとこれとは別よ」
圭「ちょっ...今回の美緒みたいに殺された被害者の友達や家族がどれだけ傷つくか分かっただろ!」
美緒「今回は葵が殺されたから怒ってるけど、他人の友達が悲しもうがどうでもいいわ」
圭「まさか南一郎を殺したのって、美緒じゃ無いだろうな」
美緒「さぁね、ふぁ〜あ」
美緒があくびをする
圭「疲れただろ、寝てていいよ」
美緒「別に大丈夫よ」
圭「気にするなって、俺も眠いしちょっとベッドに横になっていいか?」
美緒「やめて、汚いから」
圭「汚く無いわ! じゃあ風呂入ってくるからちょっと待ってて」
美緒「そういう問題じゃない」
その後も圭は美緒を説得し続けたがベッドに入る事を頑なに拒否され続けた
~光莉の部屋~
三滝「葵の件なんだが、やはり君だな」
光莉「はぁ? 何の事?」
三滝「目田を挑発するよう過度に煽ったのも、葵を1人にしたのも君だ」
光莉「はぁ...」
三滝「僕は盗聴探知機で建物内を調べたが、自分の部屋に盗聴器が無かったから個人の部屋には無いと思ってた。しかしさっき俺はトイレに行くふりをしてマスターキーで光莉の部屋に入りそして見つけた...盗聴器をな」
光莉「マジ?! キモすぎ! 私の部屋盗聴されてたの?」
三滝「誤魔化しても無駄だ。誰もXと連絡を取る素振りを見せなかったのは、Xが一方的にメッセージを聞くだけだからだ。光莉はここで独り言や他人との会話でXに情報を与えていた...お前は連絡手段として盗聴器を使ったんだ! そうだろ?」
光莉「...ふぅー、盗聴器が見つかっても自分が命を狙われてるって言い訳すれば良いって言われてたのになー」
三滝「連絡相手は誰なんだ? 答えろ!」
光莉「......南一郎よ」
三滝「何!?」
光莉「南一郎は、生きてる」
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