第2話 全員、殺人鬼

"夫殺害疑惑・・60代妻は関与否定"


おばちゃんの写真と共に壁に書かれている。


愛花梨「どういう事...?」


源田「そのままの意味だ。壁に書いてある通りおばちゃんは嘘をついたんじゃ無いか?」


美緒「嘘ってまさか」 

 

暴念「夫殺したんじゃねぇのあのばばぁ。だから殺された」  


葵「そんな...誰が!」


三滝「犯人候補は絞られている」


圭「え!? ちょっ...誰ですか!」


三滝「実は僕探偵をやっていてね、色々な事件に携わってきたけど、どうも見た事のある顔が2つあるんだ...ね、暴念と目田。2人は過去に人を殺している」


「やってねぇよ!!」  


暴念と目田は強く否定する


長宮「あーあ、嘘つくと殺されちゃうよ?」


暴念「ぐっ...まぁ俺はあのばばぁと違いブタ箱で罪を償ってるからな。組長を裏切ろうとした若い奴を殺したまでよ。でも今回あのばばぁを殺す動機なんか無いぜ!」  


長宮「なるほど、じゃあ目田は?」


目田「ぼ、僕は知らない!」  


三滝「目田、お前はみどりさんという人をストーカーしていたね」


目田「ぐっ...」


三滝「相談を受けていたんだよ、そしてそのみどりさんは殺されてしまったが犯人は分かっていない...もし今嘘をついたらおばちゃんを殺した犯人が今度はお前を殺すだろうな」


目田「うっ........好きだったのに、こっちを見てくれないからだ! だから殺したんだ! 悪いか! でもおばちゃんは殺してない、あんなしわくちゃ好きになんかなるか!」


光莉「キモッ、変態カス野郎じゃん...」


女子は全員目田から離れる


目田「うっ...何で言わなきゃならないんだ、ておい! しらばっくれてんじゃねぇ! 美緒と圭って奴! お前ら人を殺してるだろ!」


美緒「......え?」


圭「おい、なに言ってるんだ?」


目田「圭と部屋が隣だからな、たまたま聞こえたんだよ! お前ら人殺してんだろ!」 

 


葵「2人とも...本当なの?」



圭「仕方なかったんだ」


正直に言うしか無かった。言わなければ殺されるかも知れないのだ


圭「施設生まれってだけで、ずっといじめてくる奴がいて...」


美緒「私もその手伝いをしてしまって...ずっと辛かった」


美緒は沢山人を殺してきた事を隠した。もし犯人にばれたら殺されてしまうんじゃないか? と圭は心配する。


葵「そうだったのね...そんな事が」 


葵が美緒の背中をさする

 

源田「フンッ、同業者が沢山だな」


皆が源田の方を向く


根岸「まさか、あなたも」


源田「これはもう偶然じゃない、今日呼ばれた奴は全員何者かに仕組まれて呼ばれてる」


愛花梨「仕組まれたって...どういう事?」


源田「俺は仕事仲間が宿泊券当たったけどその日予定があるからって代わりに行く事になった」


三滝「俺もだ」

根岸「俺も」

長宮「右に同じく」


全員がそうだったようだ  


愛花梨「私は高時給のバイトがあるからって友達に誘われたけど友達が急にインフルエンザになっちゃって」


源田「もし本当に仕組まれていていたなら、犯人には全員の情報は筒抜けだな」


圭「筒抜け...」


源田「俺は殺人代行業者、いわゆる殺し屋をやっている。そして俺以外にもおばちゃん、目田、暴念、美緒、圭が人を殺してる。なら他の人間はどうだ? 正直に言え」


そう言い源田は拳銃を出し全員にむける


根岸「ちょっ! いきなりやめて下さいよ!」 愛花梨「そうです! 落ち着いて下さい!」


源田「俺は皆の為に言ってるんだ。恐らく人を殺してる奴らが今日ここに呼ばれてるんだ。と言う事はもしここで嘘をつけば犯人に殺されるぜ?」


長宮「...仕方ないね、確かに人を殺したよ。学生の頃クラスで騒いでるうるさい奴が目障りでね、机の内側に毒のついた画鋲をくっ付けてやったまでよ」


場が静まる・・


根岸「言わなきゃいけないみたいだね。俺も圭と同じでいじめられてて、校舎の屋上から飛び降りようとしたんだ。そしたら担任の先生が来て止めようとしてくれて、落ちようとする俺をかばったら先生が落ちてしまったんだ。本当に申し訳ないと思っている。殺したも同然だ」


圭「そんな...殺しただなんて」


暴念「探偵! お前はどうなんだ!」


三滝「...事件に関われば関わる程、法で裁けない最低な人間に出会うんだ...だから代わりに俺の手で」


光莉「私はマジ事故だし! スマホいじってバイク乗ってたら目の前のおっさんにぶつかっちゃったんだよね。まぁパパが何も無かった事にしてくれたんだけどさ」


葵「わ...私は、小学生の頃誘拐されそうになって、無我夢中で走って逃げてたら前を歩いてたおばあちゃんにぶつかってそのおばあちゃんが車道に倒れて...それで......」

 

美緒「そんな辛い事があったのね」


結果的に、理由はあれど客は皆殺人鬼だった


源田「愛花梨さんよ、お前はどうなんだ?」


愛花梨「私は何もしてません! 何!? 怖いんですけど皆殺人鬼って! ただ高時給だからって来ただけなのに! 早く晩御飯食べたら皆さん部屋に戻って下さい!!」


そうして愛花梨は厨房の方へ戻っていく 


圭「確かに皆殺人鬼って知ったら怖いよな」


根岸「でも皆が皆悪い訳じゃない...圭だって仕方無くだったんだろ?」


圭「確かにそうですけど、俺もちょっとこの場が怖いです」



その後皆は晩飯を食べ終え部屋に戻る。食堂では皆が無言だった。



~翌朝~ 2日目


朝御飯が7時からなので圭はその少し前に美緒の部屋に行った


美緒「おはよう! ぐっすり眠れた~」


圭「まじかよ...あんな事あったのによく寝れたな」


葵「おはよう」


隣の部屋から葵も出てきた


美緒「おはよ! よし、皆で食堂行こ~!」


全員が食堂に集まったが7時を過ぎても食堂の扉は閉まったままだった。それからずっと待っていても扉が開く気配は無い。しびれを切らした暴念が扉を思いっきり蹴る。すると...


葵「キャーッ!!!」


食堂のテーブルに愛花梨が血だらけで死んでいる。顔の横には新聞の切り抜きがあった



"両親殺害、犯人の少女Aは未成年の為実刑無し"

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