元殺人鬼の彼と現役殺人鬼の彼女
くにちゃん
第1話 殺人衝動
俺の名前は圭。実は5年前に人を殺している...仕方無かったのだ。あのままいじめられて生きるより今の方が絶対に良い人生を歩んでる。だが問題は...
「なぁ美緒、もうやめないか?」
「だめ! 人殺したいの!!」
いじめっこを殺した俺はどうしたら良いか分からずとっさに彼女の美緒を現場に呼んだ。2人で相談し、すぐ近くの川に死体を流す事にした。それからの事だ、美緒の心の奥にある殺人衝動を突き動かしてしまったのは...
近くで殴り合いのケンカを見たり陰口で殺したいと言ってる人を見るとその衝動が抑えられなくなるらしい。ちなみに美緒には別れたら俺が人を殺した事をバラすと言われているが、俺は美緒を好きだから別れるつもりは無い。もうすでに5人程は殺しただろうか、美緒は天才で、必ず自分が犯人だとばれずに殺人を犯すし、その手助けを俺はさせられる。どうにかして殺人を止めさせて、普通のカップルになりたい...
「美緒、もう殺人はやめようぜ?」
いつものように美緒を説得していると大学の友達の愛弓が駆け寄ってくる
「美緒~見て見て! 2泊3日の旅館ペア宿泊券当たったんだー!」
「えー! いいなぁ~」
「でもこの宿泊の日私予定あって行けないのよ、だから2人にあげる」
「いいの?! ありがとう!!」
「いいよ! じゃあまたね!」
「うん、バイバイ~!」
愛弓が建物の裏に行き見えなくなる・・
「これで良かったですか?」
??「あぁ、任務は完了だ」
謎の人物は愛弓に50万が入った封筒を渡した・・
~旅行の日~
「ちょっと美緒運転荒すぎ!」
「仕方無いでしょ! 免許取ったばかりだもん! でもこれで死体を車で運べるわね、フフッ」
「どんだけサイコパスなんだよ・・」
圭と美緒は愛弓から貰った宿泊券を持って旅館に向かう。1時間程車を走らせ山道を登ると駐車場がありそこに車を止める。
「着いた~!」
「ここからは歩きで橋を渡るみたいだね」
橋を渡った先に小さいが物凄くお洒落な旅館がある
「うぉー! こんな所にこんな良い旅館があったのか!」
「景色も良いし、最高ね!」
2人は荷物を持って旅館の入り口に着くと、そこには同い年くらいの女子がいた
美緒「すいませーん、ここの宿泊客ですか?」
葵「はい、でも鍵が開いてなくて入れないんです」
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日向 葵 20歳 大学生
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圭「おかしいな、車が4台止まってるのにいるのは君1人か」
立ち往生してると建物の裏から60代くらいのおばちゃんが歩いてくる
「お待たせしてすいません。準備中に旅館の鍵を落としてしまって、早く来た他のお客様にも一緒に探して貰っていたのです」
三滝「全く、来てすぐ服が汚れちまったじゃねぇか」
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三滝 春彦 33歳 探偵
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長宮「ふぅ、、疲れたぜ」
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長宮 充 26歳 フリーライター
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根岸「しっかりしてくれよなおばちゃん」
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根岸 孝 25歳 公務員
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源田「・・・」
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源田 元宗 56歳 職業不明
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暴念「次俺にこんな事させたら殺すぞ」
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暴念 順太 38歳 ヤクザ
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圭はどこか怖い客達だなと思った。
その後橋から更に2人の客が来る。
光莉「ヤバ! こんな山奥に旅館たてるってマジアホすぎっしょ! ウケる!」
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赤坂 光莉 19歳 フリーター
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光莉はとにかく建物の写真を撮りまくる
そしてもう1人はメガネをかけた物凄く太っている男。
目田「全く・・橋を渡るだけで汗だくだ」
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目田 太 24歳 ライトノベル作家
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おばちゃん「ちょうど今日の宿泊者の皆さんお揃いですね、3日間一緒なので是非仲良くして下さい。」
「楽しみだね」
「仲良くしようね」
美緒と葵はいつの間にか仲良くなっている。
おばちゃん「18時に夕食の時間となりますので食堂にお集まり下さい。それまではご自身の部屋でおくつろぎ下さい。」
フロントと食堂と温泉が一階にあり、女性客の部屋も一階にある。二階は男性客の部屋のみだ。
圭は夕食の時間まで美緒の部屋に行こうと思い美緒の部屋 "102号室" を探していた。その時、旅館から出ていくおばちゃんを見つけ声をかける
「どこか行かれるんですか?」
「えぇ...夕飯の買い出しに行ってきます」
「今から行くんですね、お気をつけて」
愛花梨「行ってらっしゃい!」
ネームプレートに愛花梨と書いてある若い子がいる。ここでバイトをしているのだろう。圭はおばちゃんを見送ると美緒の部屋に行きドアをノックした
「どうぞー」
「おう、あれ?」
「葵もいるよ~」
「お邪魔してます!葵です!よろしく!」
「あ、よろしく!」
「葵もね、同い年なんだよ」
「そうなんだ! 良かったね、初日から良い人と会えて」
そんなたわいもない会話をしていると、突然外から凄い爆破音が聞こえた。皆急いで窓から外を見る。
「おばちゃん、危ない!」
橋の旅館側の方が爆破され、橋が一気に崩れ始める。
橋の真ん中にいたおばちゃんは急いで駐車場の方に走るが、間に合わず橋と一緒に崖に落下してしまう
「おばちゃん!!!」
「ヒッ・・・」
圭達は急いで外に出る、少しして源田以外の全員が来て橋の下を見つめる
「おばちゃん・・・」
愛花梨が泣きはじめる。
光莉「ヤバッ、マジ爆破じゃん、警察呼ばないとっしょ」
根岸「駄目だ、すでに電話しようとしてるけどここは圏外だ、おばちゃんももう助けられない・・」
三滝「しょうがない、一旦フロントに集まって皆でどうするか考えよう」
全員納得して一度フロントに集まる。
バイトの愛花梨が全員に飲み物を出してくれる
長宮「人が死んだってのに飲み物だす余裕あるなんて、あの泣いてたのも嘘泣きなのかなっ、フフッ」
葵「ちょっと!何て事言うんですか!」
暴念「死んだと言うか、"殺された" だけどな」
葵「殺された...?」
暴念「だっておばちゃんが橋の真ん中にいる時に爆破されたんだぜ! 偶然な訳ねぇだろ! そもそも爆破事態誰かが細工しなければ起きない事なんだからな!」
目田「警察も呼べないし、橋も壊されて、殺人鬼と一緒にすごさなきゃ行けないのか・・」
圭「いえ、犯人は橋の向こう側にいたのかもしれない、この中にいると決めつけちゃだめです」
源田「......いや...ここにいる...」
いつの間にか源田が来ていた。
皆が静まり返る・・
愛花梨「あの、1度皆様部屋に戻りませんか? 私はここで皆様の夕飯の準備をするので、予定通り18時に食堂にいらしてください」
バイトの愛花梨の提案で各々自分の部屋に戻る事になったが、俺は美緒を自分の部屋に呼んだ
圭「ふー...大変な事になったな」
美緒「フフッ...フフフッ!!」
圭「何で笑ってんだよ、殺人鬼がいるんだぞ? 怖くないのか?」
美緒「私みたいな人が他にもいるって事でしょ、さっきおばちゃんが落ちた時笑いをこらえるのが大変だったわ!」
圭「...まぁそんなとこだと思った。」
美緒「何? 私の事は疑わないの?」
圭「美緒は爆破なんかで殺さないよ、殺す時は直接だ」
美緒「よく分かってるわね、流石元殺人鬼の彼氏」
圭「分かりたくもないよ...」
目田「チェッッ・・」
圭の隣の部屋の目田は、壁に少しだけ空いた穴に耳を当て話を聞いていた...
「もう行かないと!」
圭と美緒は18時に部屋を出て食堂に向かうと、全員が食堂の壁を黙って見ている...
圭「なんだこれ...」
"嘘をつくと殺される"
と壁にスプレーで書かれている。そしてその横におばちゃんの写真と新聞の切り抜きが貼ってある。その新聞の記事の内容は
"夫殺害疑惑・・60代妻は関与否定"
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