第13話 あの子のことがばっかり
そして俺たちは鞄を教室に置いてから講堂に入った。
公爵令嬢の俺と第一王子のアイツは最前列に座るのは当然のことだな。しかしこの座席の配置は……なんか映画を見る時に最前列に座ると似ているだ。
でも、管弦楽団の演奏や校長と在校生代表の学生会長のスピーチが行われても、俺は一言も耳に入ってこなかった。
その原因は、あることが思考を占めていた。
あの子の甘い声、独特な香り、小動物のような姿と動きは、俺の頭にぐるぐると回るで離れない。
まさか……俺はさっきの瞬間にあの子に惚れていたのか!?
そんなことはいけない!俺はそんな軽いな男じゃないだから!
——パチパチパチパチ!!
そんなことを考えている時、講堂中に広がった拍手の音は俺を現実に引き戻った。前方を見ると、生徒会長はお辞儀をしているのを気づいた。
……あ、入学式は知らないうちに終わっていたんだ。
ごめん、訓辞祝辞なんて全然聞いていない。
「あの子のことを考えているのですか?」
頭を抱えてため息をついていると、隣に座っていた王子は俺に話しかけてきた。
「お前なんで知ってるの?」
「レイナくんは分かりやすいですから」
「噓?! 俺の考えは全部顔に映っていたの?!」
「そうですよ。こんなレイナくんも面白いね」
いやいや、もしかして王子は何らかの魔法で俺の心を読んだのか? ポーカーフェイスが得意の俺は外で自分の表情を隠すことができる自負があるのに。
でももし王子の言っていることは本当なら、他の人に見られたらすごく恥ずかしいじゃない!?
レイナちゃんになってから表情のコントロールが悪くなったようだな。
「さあ、教室に戻ろう」
「……うん」
とりあえず教室に戻って気持ちを整理しよう。
それにしても、あの子は俺と同じ新入生のはずだよね? どんのクラスにいるのかな?
あの子は小柄だから、高年生ではなさそうだな。
それに俺はまだこの学園に慣れていないから、校舎内では人の流れに従って進んでいるだけで、あの子が走っている方向を判断することができない。
あの子の名前はなんだろう? 貴族なのか、それとも平民なのか? 確か、魔法の才能が優れている平民の人は学園に入られるだ。
……あ! さっきあの子のことはもう考えないと決めたばかりなのに、なんで今はさらにそれを考えてしまっているたの?!
いけないいけない、たっだ一人の可愛い女の子に心を乱されてのはいけないんだ。
「レイナくん、大丈夫ですか?」
王子は必死に首を横に振ている俺を見つめながら尋ねた。
「大丈夫だ……多分」
実は俺自身もその回答にも自信が持てないんだ。
一周目の学校生活で、俺も好きな女の子がいますが、その時はこのような感覚はないだ。
こんなに俺の心が高鳴るような女の子は、今初めて出会いた。
俺と王子はA組で、入学試験の成績優秀者はこのクラスに編入されるらしい。はあ……あの子は俺と同じクラスではないんだな……。へこむ……
その後、担任の先生が入ってきて自己紹介をして、学園やカリキュラムの特徴、生徒の責任について簡単に説明をした。気がつけばもうお昼の時間になっていた。
今日は正式な授業はいないから、今はもう放課後と言える。
クラスメートたちは授業が終わった時点で俺と王子の周りに集まって、次々と俺たちと話しかけていた。ふーん、そうか。それがクラスの人気ものって感じかぁ、やっとわかっていたな。
「ねね、エドウィン殿下、一緒に昼食をしてくれませんか?!」
「レイナ様も是非ご一緒に!」
昼食の誘いは多すぎて、朝の光景と似ている感じがするだ。モテるのはいいことですが、一つ一つに対応するのも疲れるからな。
「あの」
俺がこの混乱していた状況に戸惑っているとき、王子の声で周囲を静まるんた。
「皆さん、すみません。私はこれから婚約者と一緒にラブラブなランチを楽しむ予定ですので、お誘いにお応えすることができません。申し訳ありません」
「……!?」
そう言った王子は俺の左手を握って、優しい笑顔をしていながら深く俺を見つめていた。
ここここ、こんなにたくさんの人がいる前で何をしているんだお前は……!?
しかもラブラブなランチってなんだよ!? どういう状況だ!?
「殿殿殿、殿下!?」
「ふふん、照れていたレイナ嬢はとても可愛いですね」
「!?!?」
照れていたわけじゃねーよ貴様! ただ気持ち悪いだけなんだよ!
「「「きゃああああ!!!」」」
恋に恋するお年頃の女子生徒達は黄色い声をした。
「さて、レイナ嬢、一緒に食堂に行きましょうか」
「……」
王子は俺の左手を握ったまま廊下に連れて行った。
まあ……結果としては確かに俺を人々の中から引き出していたが、方法は間違っている。
「帰たらぶん殴ってやる」
「そこは勘弁してください」
コイツが廊下に着いてから手を離れていたが、俺がそれを許すと思うなよ。
正午で放課時間なので、廊下は食堂に向かう人や寮に戻る人がいっぱいいる。
でもどれだけ見回しても、あの子の姿を見つけることができないだ。
はあ……俺は一体どうしたの? なぜわずか数時間の出会いなのに、あの子のことばかり考え続けてしまうのか?
「おや、あのお嬢さんはレイナくんの夢中になっていた人かもしれませんね」
諦めようとしているとき、王子は俺に向かってそう話しかけた。そして、アイツの視線の方向を辿って見ると、
……ああ!!
小柄な姿、肩にかかるピンク色の髪、緑色の瞳、元気な雰囲気――間違いなくあの子だ。
あの子は職員室の前で若い女性教師と何か話をしているようだ。
だが俺が一歩前に踏み出して話しかけようとした瞬間、あの子は先生と一緒に職員室似入ってしまった。
「あっ……」
伸ばした右手は、遠く空にいる輝く星を掴もうとしているかのようで、触れようとしても永遠に届かないよう。
「はあ……」
せっかくあの子と再会するのに。
「そんなに落ち込まなくてもいいよ、レイナくん。学園の3年間にはまだたくさんのチャンスがあるからさ」
王子は俺を慰めるようにそう言った。
確かに、今日は学園が始まったばかりの日だ。これからあの子と接触する機会はたくさんあるし、今すぐ急ぐ仲良く必要がないかもしれない。
それはそうだけど……それはそうだけど!
一周目の高校生活で好きな女の子に対して同じような考えを持っていたことがある。結局卒業の時まで俺たちの関係はあまり進みせず、告白すらできなかったんだ!
俺はもう二度と前回の過ちを繰り返したくない!
それに、今の俺はもう一つの身分が持っている。俺は女の子になっただけではなく、しかも公爵令嬢だ。
この王立学園では、学園内の皆が平等であることされていたが、実際には階級意識は人々の心に根付いている。だから学園内には階級の存在が常に存在している。
そして俺は公爵令嬢だから、あの子の爵位が何であっても、地位は俺より低いでしょう。
俺があの子に自ら声をかけることも、俺たちが仲良く話をしているのを他の人が見つけた場合も、悪い噂が広まる可能性があるだな。
前回の行動が保守的すぎて彼女ができなかったから、今回はもう少し積極的の行動を試してみたいと思う。
公爵令嬢の身分と自分自身の要求に合った作戦はないのか……
今は女の子になっているので、同じく女性のあの子に接近することはより簡単になるはずだが、女性同士でどんな話題をするのかあまりわからない。
なかなかいい作戦を思いつかない。
俺が悩んでいると、隣にいる王子をちらりと見た。
金髪で宝石のような青い瞳、洗練された雰囲気、どう見てもトップクラスのイケメンだ。側から見てもとても魅力的だな。く、なんか悔しい。
ちょっと待て……王子、公爵令嬢、婚約者……
これらをつなげて考えた後、ある作戦が思い浮かべていた。
ふむふむ、これならいけるかもしれないね。
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