第06話 恐ろしい呼び出し

 あれからもう1週間。何も起きていない。


 あれ……てっきりあの腹黒王子は俺の情報を広がって、ヤバいなことが起きると思うが……


 いや、考えてみると、そもそもその内容に全然分かっていない可能性もある。なにせあれはこの世界にどこにも存在していない文字で書いたものだから。


 とにかく、俺はこの間に毎日不安に満ちた。そしてずっといつの間に日記を覗き見ているのを考えているが、恐らくあの時だ。


『レイナ嬢の専属メイドのシェラが案内していますよ。ちゃんとノックして、挨拶もしたんですけど、ピアノに夢中で外の音が聞こえていませんみたいで、返事をしていませんですよ』


 これは小さい頃からあった悪い習慣なのだ。何かに集中したら、完全に自分しかいない世界に入ってしまう。


 ていうか、なんで腹黒いな人は素直になれないんだ? 何かあったら直接言えばいいのに。どうして自分の暗い考えを隠し、他の人に対してニヤニヤな顔をしたのか全然理解できない。


 それに、ただでさえ俺は男だったとアイツに言っていたことに後悔しているから、もうこれ以上にアイツに知りたくないだ。


 だから俺も同時に怒っている感情が持っている。なんでアイツいは勝手に他人のプライバシーを覗き見て、それが問題がないと思えるだよ!?


 まったく、いくらここは中世のヨーロッパと似ている世界で、まだプライバシーへの意識が足りないでも、駄目なことは駄目だ。プライバシー侵害だろうこれは。


 ここはもう法治国家じゃないから、これから注意しないと。


 コンコンーー


「あっ、はーい」


 そう思っていた時、シェラさんはノックして作業用部屋に入った。


「お嬢様、手紙がありますわ」

「手紙? オレ……わたくしにかしら?」


 危なっかった。つい本音を出しているんだ。今後も気を付けてないと。いや、転生初日ではもうシェラさんにバレバレか。


「はい。エドウィン王子からです」

「……っ!?」


 その名前を聞いていた際、心臓は思わずドキッとした。


 ついに来るのか……


 俺はこの先に何が起こるかさっぱりわからないくらい不安だ。


 そして俺に手紙を手渡しで恐る恐ると開けて、ゴクンと内容を見ている。


 ……その内容は大体今度の会わせは王宮で行いのは決定事項なので、王子は楽しみにしている、と短く書いた。


 ちょっと待て……王宮に行くって、自分で火の中に踏み込むるようなものじゃないか!? しかも拒否権はないようだ!


 どうする? 病気をフリで断るか? いやレイナちゃんは少し前に病気になったことがあるからダメだ。無理やりに断るか? でも相手は王子と王家だからこれもダメ。


 やるわね、エドウィン王子。もうすでに道を塞いだか。


 なんて恐ろしい呼び出しだ……


 ああもう! いずれ直面しないとダメなことだから、思い切ってやるぞ! もう覚悟をできてるよ!


 ◇


 そしてその日はついに来た。俺はシェラさんと馬車に乗って王宮に向かっている。


 それにしても、今回は初めて家を出るんだ。この世界に来るからずっと公爵の屋敷にいで、ここに関することは全て本から学ぶ、自分の目で実際に見たことないだ。まあ、王都にいることが知っていたんだけどな。


 はぁ……どうしよか全然わからない……


 気分転換のため、俺は窓の外の風景を見つめていた。賑やかな王都はまるでファンタジー作品によく見られる景色のようだ。


 異世界の街かぁ。学園に入ったら寮に住むことになってるから、そのうち自由時間は増えるし、もうすぐこの王都にゆっくりブラブラすることができるんだろう。


 でもその前に、今回のピンチを乗り越えなければならない。


 ところで、俺は今初めて車のサスペンションはとても、非常に、超~重要なものだと痛感した。この耐震性能がほとんどゼロな馬車に乗っていると、スピードはともかく、ずっと震えて揺れて、おしりが耐えられないんだよ!!


 その痛みを和らげるため、俺は隣に座っていたシェラさんをぎゅっと抱きしめた。


「はあぁ~シェラさん~」

「っ!?」


 よし、今日のシェラエネルギーは補給完了。


 こうしでシェラさんに甘えるんのは、レイナちゃんの体だからこんなことができるんだ。見た目は綺麗で可愛いのお嬢様だから、どれだけ女の子とスキンシップでもなんの問題もない。実は男だったのことを知っている人は誰もいないんだから。


 ……まあ、王子以外は、ね。


 とりあえず、レイナちゃんありがとう!! マジで感謝するよ! 神様もありがとう!


 シェラさんは常に無表情な顔をして、無愛想な美人のような印象を与えているが、実際彼女はとても優しくで、専属メイドとしての仕事も完壁にやってることはこの一ヶ月間に一緒に過ごすでもう十分わかっていた。


 そのギャップは萌すぎで、もうこの銀髪メイドに惚れちゃうよー。


 なんか腕の中にいるシェイラさんの頬は少し赤くなっていて、恥ずかしそうに視線を逸らしていた。どうしたの?


 数分後、馬車は豪華な王宮の前に到着した。


 ヨーロッパに旅行した時に見た王宮と非常に似ているな。外観は大きく堂々としていて、内部も華麗なデザインが施されていタヤツだ。まあ、王宮は大体そんな感じか。


 しかし、ヴェルサイユなどの王宮は数十ユーロの入場料が必要だが、この王宮は無料で入られる。


 でも、この先はもう戦場だ。俺だけの戦えの戦場だ。俺は馬車を降りで、緊張した気持ちで玄関を向けた……って、玄関への道長すぎるだろう! さらに緊張してるじゃないか!


 そしてついに玄関に到着して、衛兵たちは扉を開けた。


 いよいよだ。俺は拳を握って、深呼吸して中に踏み込んていたーー

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る