第08話 お互い様

 王子にそう言っていた後、部屋はしばらく静まりにかえった。


「……婚約を、破棄する……だと……?」


 そして沈黙を破ったのは王子の少し震えた声だった。


「そうだ。もしお前が俺を脅す続けならばだ」


 俺は全然躊躇うことなく答えた。


 どうかな? 上手く行ってるか? 実は俺、あまりあとのことを考えずに言ってしまった。その時は勢いを負けられないと思っただけだ。


「……レイナくん、それは現実的にはとても難しいなことし、私たちの名誉を損なうだけでなく、公爵家と王家の関係を壊すことになりますよ」

「だからそれは前提条件があるって」


 どうやらコイツは本気で動揺しているようだ。これは反省している表現かな?


 そして、しばらく考え込んだ王子は口を開いた。


「すみません、レイナくん。これは誤解だ。私はもともと他人に言えるつもりはありませんから」

「は? 信じられない。お前の腹黒の性格は、どうやってお前の本当の考えを知られるかよ?」


 もし王子がこの性格じゃないなら、さっきの謝罪は信用できるはずだ。


 正直、たとえ今でもアイツの考えが読めない。毎回こんな人と会えるのは本当に疲れた。普通に話せばいいじゃあないか?


「それに、日記を覗き込むた以上、俺に全然リスペクトをしていないということはもうはっきりだ。どんなに謝罪しても、本当の反省が感じられないんだ」


 考えて見ると、この方法はかなり良いだ。婚約破棄で脅すのは、自分の強い立場を表明しつつ、王子に自分自身の言動を改善させることもできてるみたいだ。


 まあ、本気で破棄するつもりはなかったが、今後俺の邪魔をしないようにするためには、主導権を握る必要があるだ。


「もし本当に俺を信じてもらえたいなら、せめて誠意を持ち出せよ」

「誠意……か」


 さあ、一体どのように返答するのか?


「はあ……仕方ないですね。やりますね、レイナくん。まさか私にこのことを言わせるとは思わなかったでした……」


 王子は小さなため息をして、俺と目を会わっていた。


「実は、私は第一夫人の子供ではなく、国王とメイドに生まれた隠し子なんですよ」


 ……………はっ…………?


 ………な、なに……? 王子は今……何て言った? 隠し子? アイツが? 聞き間違いじゃいないだよね……?


「か、隠し子って……」

「もちろん、たとえ王宮内でもこの秘密を知っているのは極少数の人ですよ。そしてレイナくんは今、その中の一人になったよ」


 急に何を言ってるんだ……? 前の話しと全然違うじゃないか……?


 いきなりすぎるから、思考がついていけなくなってしまった……


「実はおばさん、第一夫人は不妊症を患っています。その原因で、おばさんは永遠に継承者を産むことができない運命から、お父様はこれまで長年にわたってた努力は無駄になってしまうでしょう」

「なに、それ……」


 長年にわたってた努力……? これは一体どういう意味……


「お父様とおばさんは学園にいた頃で恋を落ちて、お互いに愛しています。あの時まだ婚約を結ばれないのお父様は多くの困難を排除しておばさんと婚約を結ぶことができいで、おばさんも自分のあらゆる面でお父様に相応しいことを証明するために力を尽くす。そして、おばさんは多くの強力な貴族の支持を得て、第一王妃の座に登りできた」


 王妃そのままじゃなく第一夫人、ってことは……


「しかしながら、現在の第二夫人の実家は四大公爵にいる最も少ない勢力を持っているですが、一応公爵家だから軽視できません。あの人は王家が必要とする利益を正確に計算し、それらの利益をあの人自身や実家は持っていることを理由に、お父様とおばさんが結婚していた直後に、再び婚約を結ぶで第二夫人に押し上げた」


 第二夫人……ああ、思い出した。確かレイナちゃんはこの人と会ったことがあるらしい。彼女の容姿は、まさによく見てる悪役夫人と非常に似ているだな。


「なので、お父様と第二夫人の婚約は、全然愛情が入っていない政略結婚そのものですよ。前国王の祖父様も最初からこの婚約をあまり賛成していないが、あの人を応援している派閥は祖父様をプレッシャーをかけているから仕方なく受け取った」


 ちょっと複雑だが、頭がフル回転で王子が言っていることが少しずつ理解できた。


「おばさんは不妊症であることが判明したのは、第一夫人になってから間もない時期でした。お父様は継承者の問題について心配して、側近もすごく焦っていた」


 まあ、この中世の封建王国にとって、確かに大問題だな……異世界にも残酷な一面があるだな。


「前国王の祖父様とごく少数の側近たちとの真剣な議論をした結果は、おばさんの専属メイド、つまりお母さんに継承人の私を生ませることが決定された。もちろん、お母さんも十分の覚悟を決めてからこの非常に重要なことを受け入れた」


 信じられない……目の前にいる輝くの王子様はまさか隠し子なんて……


「だからこそ、私は第二夫人の子供より先に生まれ、おばさんの子供にフリをして、順調に第一王子となった。もちろん、おばさんの不妊症のことや私の本当の身元は、外部に漏らすことはいかない、特に第二夫人やその派閥にはだ。これらの事柄は、現在まで最高機密として必死に隠されていますよ」


 それでも、王子は俺にそんなことを話したのだ……


 正直、これは俺がこの世界に来てから聞いていたことの中に最もショックなことだった……実感が全然ないから、まだこの話しを受け取ることができていないだ……。


 これが貴族や王族の世界が……なんと残酷だ……。


「これでお互い様ですね、レイナくん」


 え? お互い様……? ああ、そうか。そんな作戦なのか。


 どうやら王子は俺の信頼を得るために、自分の知られざる秘密を明かす、という作戦だ。


「どうかな、レイナくん? これが私の誠意ですよ。受け取ってくるのですか?」


 もしそうであれば、俺たち両方とも漏らすいけない秘密を抱えた身分があるから、二人の立場は今同じくになったことだった。


 ……いや待て、さっきアイツが言っていたことは嘘かもしれない。アイツの言葉を全面的に信頼するわけにはいかない。俺の警戒心を緩めさせるためにでっち上げられた話かもしれないからだから。


 疑っているような表情を見ていたのか、王子は話しを続けた。


「信じるずらいでしょう? でもそれは本当のことなんですよ。私はレイナくんの信頼をもらいたくて、最も秘密にしておくべきことまでを教えていますよ。私は本当にレイナくんと仲良くしたいと思っているんですから」


 ……確かに、王子は自分の身元を話す必要がないのだ。もし俺が漏らすの意志があるなら、国王、第一夫人、そして王子自身の人生がこれから終わるかもしれないな。


 それに、王子の立場に考えると、俺は男であると主張し、さらにこの世界の人間じゃないことを知っているということは、王子にとっても信じずらいだろう。今の俺と同じじゃあないか。


「もしこんなことがバレたらヤバいだよね……」

「そうですよ。もしそうなった場合、私は第一王子の地位を剥奪され、そして第二夫人とその派閥が権力を握ることになるでしょう。その時、レイナくんの望む通りの婚約破棄もきるかもしれませんですね」


 そこまでしてるて、ただ俺の信頼がおえたいのか……?


 ……まったくもう! なんてことをした! 勝手に自分の将来を賭けてるんじゃないよお前は!


「ま、まあ~、しょうがないね。一応、信じるわよ」

「そっか。それはよっかたですね」


 そう言った王子は安堵な表情をした。


「私は本当に、レイナくんのことを漏らすつもりはありませんよ。レイナくんの秘密で脅すも本気でやってるではないし、リスペクトをしないこともありませんでした。だから、ごめんなさい。許してください」


 そして王子は席から立ち上がって、俺に頭を深く下げていた。


「はぁ……次はなしだ。今回は許してやる。だがまた似たようなことが起きたら、マジで婚約を破棄するよ?」

「もうそんなことはしませんから」


 結果としては俺が勝っているが、なんかコイツに負けているの感じがする……だが、見直したな、エドウィン王子。

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