第04話 コイツの行動が読めない

 ああ……なんてことだ。まさか逆効果なんて……。


 今、すごく後悔している。


 もし王子に自分の秘密を言えなかったなら、このままレイナちゃんに深い興味が持っていないだろう。そして俺は一ヶ月後の学園生活でたくさんの女の子とくっつけるーーのはずだ。


 なんでコイツはご飯を食べながら俺をじ〜〜っと睨んでいるんだ?! そしてなんだその気持ち悪い笑顔は?!


 俺たちは今、あのでかい客室で二人きりで晩ごはんを食べている。


 俺の前に置かれているのはすごく贅沢な食べ物、元平民の俺はこれを見ると目が輝いてしまいも仕方ないなことが、アイツの視線で食欲が全くない。


「ふふ、食事を楽しむレイナ嬢の姿が可愛いですね」

「……お前、可愛い以外の表現はないのか?」

「レイナ嬢の可愛さに、言葉を失ってしまうほど魅了されてしまったのです」

「キモイですけど!?」


 なんだよ! 今までレイナちゃんのことにずっと無関心なのに! そんなキモイな言葉も以前言ったことがないのに!


「でもレイナ嬢、お食事の礼儀をちゃんとしないと駄目ですよ」


 貴族礼儀は面倒くさいで、食事を存分に楽しむことができないので、誰も見ていない時に礼儀を全部無視している。


 まあ、コイツに見せても大丈夫だけどね。


「お前と関係ないだろう?」

「あるですよ。婚約者だからさ」

「好きで婚約をしているじゃないんだけど」

「とは言え、婚約者であれば、未来の嫁の礼儀に責任が持っていますよ」


 正論ですが、絶対に自分の目的のためにそれを言うだ。


 けどコイツはそんな変化があるのは、やはり俺のせいなの……?


 でも俺はただ、自分は男だと言っているだけで、他のことを言ていないだよ?


 そんな言葉だけで急にレイナちゃんに興味が持っていることができる? マジか?


 まあでも、確かに今の話し方や普段の行動は前のレイナちゃんと全然違うな。だけどこれだけでは理由にならないよね?


 駄目だ。コイツの行動が読めない。何を考えているも全然読めない。


 そして、この苦しみに満ちた食事はやっと終わった。王子はついに王宮に帰るのだ。


「それではレイナ嬢、次に会った時、もっとイチャイチャしましょうか」

「誰かそんなことを!」


 絶対わざとだ。今は少し分かっていた。ずっとわざと気持ち悪いことを言っている理由は、自分は男だと宣言した俺にいたずらをしているかもしれない。この腹黒王子め。


 はあぁ……疲れた……。


 朝の王妃教育と午後のピアノは楽しいのに、アイツはそんな気持ちを台無しをしてだ。仕方ない、本でも読んでみるか。俺は作業用部屋に戻ると、すぐに本棚から先日読んていた歴史の本を取り出した読み続けた。


 地球と異りな異世界の歴史を学ぶはとても面白い。この世界は色々な国があるが、まずは俺がいたオマ王国から始めましょう。


 この国は封建制度が施行されている理由があるです。国が安定している時期に、権力を持つ地方の貴族たちが国王の統治を支援することで、国の発展に大きく貢献したためです。


 しかし、この制度は完璧ではない。封建制度は必ず深刻な社会的不平等を引き起こてしまう。貴族は権力と財力を持っているが、下層の農民や工匠たちはそれを持っていないだ。


 また、貴族たちは政治的や経済的な特権を享受が、平民たちはそれを全然持っていないだ。このような社会的流動性の低い状況下では、徐々に平民たちの不満が蓄積し、ある時点で爆発することが必至であったでしょう。


 統治層面でも同様だ。賢明な君主が統治する場合なら、このような制度でも国は長期的に安定することができるでしょう。


 しかし、すべての国王が賢いわけではない。将来のアイツですらそうである可能性がある。誰もこのようなことが起こらないと保証することはできないだ。


 オマ王国の封建制度では、国王の収入源は税収だから、貴族からの財政支援や領地からの税金の徴収に頼る必要があるのだ。


 もし、貴族たちが国王に服従しない場合、国王に納める必要のあるお金を隠し持ってしまうと、国の財政は崩壊してしまい、社会は大きな混乱に陥ることになると思う。


 もしそのことが本当に起きたらどうするんだ……。まあ、そのうちなんとかなるだろう。今は国より、自分のことを心配したほうがましだ。


 はあ……なんで俺は異世界に転生していたのに、定番なチートは付けていないの? 神様は俺のことを忘れていたのか?


 チートスキールがあれば様々な問題が楽勝に解決できるのに。でも今自分の状況は、異世界転生への憧れと夢を打ち破った。悲しい。不公平だ。


 まあでも、文句を言っても仕方ない。今日の日記を書こう。


 俺はこの世界に来ても日記を書く習慣を維持した。レイナちゃんの日記をそのまま書き続けた。


 その日記には半分が乙女なレイナちゃんが書いていた異世界文字と、半分が俺が書いていた日本語で面白い。主に日本と異世界の違いと当日の気持ちを書くだ。


 机の前に行った時、少し違和感を感じた……。


 ……あれ?なんか日記の位置が少し変わった気がするんだけど? 確か昨日は適当に置いていたはずなのに、なんで今はこんなにきちんと置いているの?


 まあ、気のせいか。王子のせいで俺は疑心暗鬼になってしまった。


 でも日記を書こうとした時に、さらに違和感を感じた。


 レイナちゃんが書いていた部分にいたあのしおりは、違うページに移動している……


 そして、俺が書いていたページにはいくつかの異常な折り目がついていた。


 ははは……まさか……そんなこと……あるわけないだよね……


 アイツはこんなことを出来る奴では……いや絶対出来るだ。


 ここまで気づいた俺は、一つの可能性しか考えられない。


 アイツは日記を覗き見た!!!

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