第14話この世界とは

瞬く星々から稲妻が降り注ぐ光景、決して見たことはない、普通に生活していたら目にするはずのないその光景にボクは見覚えがあった

(あれは確かゲームの、何で現実にあんな魔法が?)

「どうかしたかの?マスター」

「あれは魔法、間違いない、第八階悌の降り注ぐ稲妻スターライトニングだよね・・・」

(でもどうして?現実世界に魔法があるの、しかもゲームの世界なかの魔法が?)

「魔法?いやいやマスター、この世界この時代に最早魔法は生きていませんよ」

「魔法は生きていない、それってどういうこと?」

「その言葉の通りだとも少年」

振り返ると魔法で敵の部隊を蹴散らしたアプリコットがこちらに歩いて来ていた

「かつてはあらゆる奇跡は魔法であった、しかし今は神秘も薄れ、あらゆる迷信は廃れ魔術に格下げされたのだ」


それから信じられないこの世界の秘密を聞かされた、かつてこの世界の外から漂流して来た者達がいた

その者達が世界のルールを書き換えてこの世界に魔法やレベル等の概念を追加したというのだ

だがソレ等は迷信や伝説が否定され、神秘が廃れ魔力マナが薄れた為に今は魔法から魔術に格下げされて過去程の威力を発揮しないこと

魔法使いは全て死に絶え魔術師が生き残ったこと、そして古く伝統がなければ魔術の強さたる階悌は低いということ

「現在の魔術は近代に開発された故に歴史が浅い為に階悌は低く私の生きた時代の魔術に及ぶべくもない」

「それに私達夢学生徒には趣味嗜好を力に変える属性力と呼ばれる技術がありますしね」

いつの間にか姫乃先生もやって来ていた、そしてもう一人

「姫乃先生に似ている貴女は誰です?」

そう、地下の魔方陣から召喚された姫乃先生に瓜二つの女性、それだけじゃない

「貴女達は一体何者なんですか?」


吸血鬼ヴァンパイア【氷結候】は今とある森でもう一人の吸血鬼ヴァンパイアに遭遇していた

巨大な骨の鳥の下半身に上半身は背中から二つの身体を生やしたまるで体に二つの身体を繋ぎ合わせたような三位一体とは言いにくい三つの身体が歪な形で縫合された外見をしていた

正直こんな外見の吸血鬼ヴァンパイアに会うのは初めてでその衝撃的な見た目に気圧されていた

「ヤッホー、わたしマキエだよ!」

そのショッキングな外見によらずかなり活発で元気な性格のようだ

「あなた【氷結候】、ギアから聞いてるよ、わたしは【死霊候】って呼ばれているの、死霊使いネクロマンサーだよ」

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