第13話反撃の狼煙を上げろ

光がおさまり魔方陣に数人の女性が出現して一番前に姫乃先生とよく似た女性が立っていた

「世界を護る力は様々な形で力添えをするの、今回はキミを導くことがこの世界の危機を取り除く最良の行動になる」

「何故ボクなんです?それにこの女性ヒトは一体?」

頭が混乱してわけがわからないボクにカンパネルラがそっと囁きかける

「理由は世界しか知り得ないのです、それでもマスターが選ばれた事にきっと意味があります」

「まあ落ち着きたまえ、君が私達を召喚よんだのかな?であれば何か問題が発生しているのではないかね?」

ひときわ背の高い紫髪の女性が穏やかに語りかけて来た、その言葉を聞いて置かれている状況を思い出した、説明は後で色々聞けば良い、今はこの状況を打開しなくては!

「そう問題、大問題が発生してるんです、みんなが襲われていて、宣戦布告とか・・・」

「ああ成る程、つまり敵性勢力がいて暴れていると、任せたまえ、荒事は得意でね」


久世橋先生は複数体の敵性生徒イレギュラーに取り囲まれているものの手傷一つ負わず次々に近くにいる敵性生徒イレギュラーを斬り裂いていた

ティンダロスの猟犬の異名を取る武闘派教師である彼女にとってこの程度の相手は敵にすらならない、したがって此処は死地ですらない

しかしこのままでは他の生徒達に危険が及びかねない、背を丸め腰を落として強行突破の構えを取る

その意味を理解した敵生徒イレギュラー達の顔に緊張が走る、その次の瞬間巨大な火球が目の前の敵数人を焼き尽くす

「これは、火球魔術ファイヤーボール?」

「そう、三階悌の魔法、いや今の時代では魔術に格下げされたのだったね」

「アプリコット?どうしてここに?」

「うん?彼に呼ばれてね、どうやら今度の主人マスターは少年のようだね」

二人は目の前の敵性生徒イレギュラーにも動じる事なく朗らかに会話する、つまりは余裕があると云うことである

それを不快に感じた敵が動く前に既に二人は次の攻撃に移っていた

「大した魔術プレゼントではないが受け取ってくれたまえ、星降りの稲妻スターライトニング

青空に無数の星が瞬いた瞬間、その星々から無数の稲妻が広範囲に降り注いだ

攻撃を耐える事が出来たのは僅か数人、反撃を開始しようとする敵性生徒イレギュラー達に次は猟犬が襲いかかった

彼女は隙間クラックを操り空間に開けた隙間クラックを利用した擬似的な空間移動をする事が可能である

とある神話に語られる猟犬のような執拗さとあらゆる角度から現れ獲物を襲う犬のような怪物に喩えて彼女は角度から現れる怪物ティンダロスの猟犬の二つ名を取っているのである

星降りの稲妻スターライトニング、神秘の浅い現代の魔術師キャスターでは使用不可能の大魔術ね」

「ゴバッゴバッゴバッ、反撃の狼煙には丁度よかろう?」


「あれ、笑っているの?」

「うん?まぁ、ああいう笑いかたする人もいるんじゃろ」

(そういうものかなぁ)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る