第15話学園劣勢

「私はフォルテゥナ、ハインラルトの辺境騎士」

「ハインラルトってどこです?」

「ふむ、確か北欧ではなかったかな」

そう自己紹介するのは姫乃先生に似た女性、ドレスアーマーを装備して凛とした雰囲気を纏っているが、顔は姫乃先生と瓜二つである

「彼女が私に似ているので驚いているみたいですね」

「それはそうじゃろう、まあまずは安全を確保しなくてはのう」


彼女達がそんな会話をしている頃、学園各地でギア達反乱生徒イレギュラーによる猛攻が続いていた

「数ではこっちがちいとばかり上だなぁ」

真紅の全身鎧に身を包んだ敵性生徒イレギュラーガーベラの率いる部隊と夢学生徒イレギュラーハンターの部隊が校内で激しく戦っていた

いさむ前に出過ぎないで下さい、遠距離武器を持っている生徒を集めて、ここを通しては駄目です」

廊下で懸命に指揮を取っている生徒は凪、イルカの特性を秘めた生徒で本来は研究用生徒の彼女が前線に立つのは大部分の戦闘用生徒元イレギュラーハンターが敵に回り戦闘用の生徒が不足しているからである

「ダメだ、数が違いすぎっ、きゃ」

「レイ無事か?クソ、何とか接近できればアタシのクラッシュクローで!」

メイド服を着た生徒ハンターが敵の流れ弾を受けて吹き飛ばされている

「チクショウ、足先から切り刻んで生徒廃棄場ドロップデットに沈めてやる!」

下半身のない生徒が器用に片腕で地面を這い回りながら敵に応戦する、彼女は別に負傷しているのではなく元から上半身だけの外見をもつ生徒である

「みんな伏せて、マックスファイヤー」

苦戦する夢見ヶ丘生徒イレギュラーハンターの元に、夢見ヶ丘大総統若松宮子が到着する

彼女の目標複数射マルチロックオンで瞬く間に反乱生徒イレギュラーを撃破する、しかし・・・

「まだまだ、ダークアクシズ軍、アタック」

敵の総大将であるギアが更なる増援を連れて突撃して来る

複数攻撃マルチロックオンによる複数体撃破でも抗いきれないまでに敵の数は膨らんで行く

B17アスカは何処に行ったの?」

途中ではぐれてしまった仲間を案じる大総統だったが、彼女は敵をスケートボードのように乗りこなして到着した

「ゴメンね、早く来たかったんだけど渋滞がひどくて」

突破して来た敵陣を親指で指しながら笑顔を浮かべる

「あぁ、大総統?」

しかし更にやって来た敵の増援を見てすぐに苦い表情になる

夢見ヶ丘イレギュラーハンター退却です」

戦場全体に聞こえる程の大声で仲間達に撤退を促す

「私はここに残って足止めしつつ残存する生徒ハンター達を集めて撤退します、貴女達は一足早く後方の学校に撤退して下さい」

本来リーダーである大総統が残るのは問題なのだが彼女の実力を知る生徒ハンター達は迷うことなく行動に移る

「逃がすな、アターック」

次々と撤退している生徒ハンター達に飛んでくる攻撃を複数攻撃マルチロックオンで撃墜して敵軍の前に大総統が立ち塞がる

「ここからは一歩も通しません、みんなどうか無事で」

振り返ることなく敵の大部隊に大総統は戦いを挑むのであった!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る