第6話兆しと予兆

夢見ヶ丘は人を巻き込む事を迷わない、それは倫理的にどうなのかなと思いながら姫乃先生の話を聞いてる

「この世界には人類ひとびと地球このほしを護ろうとする目に見えない力が存在しているんです」

「目に見えない力?」

「ええ、その力が世界の危機に対して働く時にこういった予兆があるんですよ」

そう言って祟り神の少女[カンパネルラ]に指差す

「キミのところに彼女がやって来た理由はわかりません、でもキミは既に世界の護りそのモノに選ばれてしまった、残念だけどキミを巻き込まないわけにはいかない」

「でもボクは普通の高校生です、戦ったりなんて出来ません」

「大丈夫、キミの心にあるツインテールがキミを導いてくれるから」

わけが分からない、第一何でツインテールなのだろうか?

「人間の精神こころの力、思いの力は時に人智を越えた強力な力になり得る、夢学は精神エネルギーを力に変換する技術を開発したの」

さらっと言っているけど、それはとても凄まじい技術なんじゃないだろうか?

「それとツインテールにどんな関係があるんですか?」

「強い思いは最も強力な精神エネルギーとなり人間に力を与える、愛や友情も強そうだけどソレ等は人間が生きる上で抱く当たり前の感情確かに群の強さにはなるけど個の力にはいかない」

「つまりは個人が強さを求めるならその個人に適した何かを心に抱く必要があると?」

「その通りです、研究の結果趣味嗜好の力が一番個人を強化することが出来ることがわかったんです」

成る程理解出来た、だけれどそれで何故ツインテールなのだろう

「仰々しいモノが強いとは限りません、ツインテールが今まで観測した中で最強の力を持っているからです」

ツインテールが最強の力、にわかには信じられないけれどどうやらそうらしい

「この世界のもといを揺るがすことが起こっています、キミは世界に選ばれた、残念だけどキミはもう巻き込まれているんです」

無慈悲な宣告だ、だけれどボクはそれを受け入れていた、ボクの過去に残して来た後悔が、ボクに告げていた

ボクの番が来たら今度こそ掴んで離してはいけない、もしかしたら今がボクの過去に向き合う最後のチャンスかも知れないから


それはフランクリン神聖王国の北側、暗がりの森の向こうにある悪魔パラファラピヌ達の拠点万年城[ミレニアム]にて大きな進捗があった

「クロノトウに残っていた流れを感知した、もしかしたら辿れるかもしれないぜ」

真紅の鎧でその身を固めた少女ガーベラが事の次第を報告する

「それは上々、それなら再び流れを遡る事も出来そうですね」

小首を傾げるのは少し前に仲間入りを果たした【氷結候】なる吸血鬼ヴァンパイアの少女だ

「実は大分前になるのですけどかつて流れを遡る彼の世界に侵攻した事がありまして」

説明するのは多腕の女性エリナである、彼女達は漂流者プレイヤーを調べる中で一度彼等の世界に侵攻をかけ撃退された過去があるのだ

同じてつを踏まぬために念入りな準備を整えていたのだ

「思ったより早く行けそうですね、皆さんにも伝えましょう」

ギアは紫色の瞳にNの文字を浮かべて来るべき大戦みらいに思いを馳せていた

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