第10話 クエストですか?楽しみです!①


「ふぁわあ」


 今日は久しぶりによく眠れた。今日は狂騒の森に行くので、睡眠不足はなるべく避けたかったので良き。ちなみに、ただ狂騒の森に行くのではなく、ギルドに行きクエストを受注して行った方が、効率などが格段と上がる。


「アイリスぅ〜起きろ〜」


「無理ですよぉ〜あと5時間ぐらい寝かせてください〜」


 まぁ普通狂騒の森に行こうとする奴は、自殺志願者か頭のおかしい奴だからなぁ。こうなるのも仕方ない。

 だが、その分クエストの報酬が上がり、ギルド内のランクも上がる。言うのを忘れていたが、ギルド内にはランクがあり、そのランクは世界共通のものらしい。各ランク限定のクエストだったり、指定クエスト(依頼者が指定する)だったりと、いわゆるサブスクみたいなものだ。


「ほら〜早く起きないと、食べちゃうぞ〜」


「え〜?リムちゃんなら食べられてもいいですよぉ〜?……なんなら本望っていうか……」


 なーにを言ってるんだこの子は。朝から痴女発言かぁ?元気だなぁ


「ほんとに?ほんとに食べていいの?」


「えぇ、良いですよ?今日は戦闘も多くなりそうですし……」


 …………ごめん、あと1時間はかかるかも。



 ――――――――――――――――



「ふぅ、疲れました……」


「何で朝から疲れてるんだ?」


 朝からやる事ヤッて、下の洗面台に行く。


「ん、あんた達朝から元気やねぇ?」


「え゙?聞こえてたんですか?」


「あぁそりゃあもう、バッチリね」


 まぁ気にする事はないだろう。アイリスは……顔を赤らめているが。

 いつものルーティーンを過ごす。狂騒の森はAランクのforestフォレスト型のダンジョンで、最初に倒した熊型のような魔物が恐らくボスだろう。動物系の魔物なので、物理攻撃が効くのだがこのパーティーは俺しか物理攻撃が得意な奴がいなく、アイリスは完全魔法攻撃特化型なのだ。

 アイリスも精霊の使い方を正しく覚えれば、強いのだが……まぁAランクといっても弱いのは事実なのだから、俺が全面的にキャリーをする事になりそうだ。


「よし!ご飯はギルドで食べるから、そのついでにクエスト受注していいよね?」


「はい!それでいいと思います。あ、あとお金は貯めるなら多めが良いですよ 」


「あ〜確かに防具とか魔具とか、色々あるからね。確かに多めに狩ろうね」


 ここで説明。魔具と魔道具の違いだが、魔具は基本日常的に使うようなもので、魔道具は戦い等に用いる杖や魔剣のようなのが魔道具という。

 魔導師達は両方にお金を使っていて、魔具と魔道具の相性はバッチシだ。


「このチョーカーも魔具化したいよね」


「そうですね。あのエルフの方に言えば、できるのでしょうか?」


「出来るんじゃない?どんな機能つけようかな……」


「そうですね、吸血鬼関連の機能がいいですけど……」


「テレパシーとか、眷属関係のがいいですね」


 アイリスと日常会話の盛り上がりかけた時に、ギルドに到着する。


「ウィース。おはよう〜」


 ギルド内は朝から賑わっていて、どこを見てもこの街の良さがすぐに分かる。

 食堂はホールの隣にあるので、先にクエストを受注する。


「すみませーん。クエストの受注したいんですけど……」


「はーい。あ、リムちゃんね。クエストはどんなのがいいの?」


「え〜っと狂騒の森のクエスト、一つあります?」


「えぇあるわよ。魔物討伐でいいわよね?」


「はい!できるだけ報酬金額が多めのやつで!」


「はい、じゃあご飯食べ終わったらまた来てね」


「「ありがとうございまーす!」」


 俺達は食堂に行き、いつものメニューを注文する。


「おばちゃん!いつもで!」


「私もいつものください!」


「あいよー」


 いつもの光景……まぁ学園入学前だが、こういう時間を大切にしていきたいな……

 あ〜学園、なんか推薦で入りてぇ〜。推薦だと試験は受けなくて済むのだろ?それなら推薦の方がいいなぁ


「ん、リムちゃんは学園に入れたら、やりたい事とかあります?」


「やりたいことかぁ〜今の所ないけど、やっぱパーティー組んでGvGグループVSグループとかやってみたいなぁ」


「いいですねぇ……リムちゃんは万能型なので、色んなパーティーからお声がかかると思いますよ」


「アイリスも精霊使いは珍しいから、結構声かかるよ!しかも可愛い!」


「か、可愛いですか!?……/////なんとも嬉しい言葉でしょうか……/////」


 おぉ〜恥ずかしすぎてキャラ崩壊してるー

 本当にアイリスは可愛いなぁ、これは一生推せる。


「あ、そろそろ週末だね、早く精霊召喚したいなぁ」


 週末にはアイリスの精霊召喚があるので、精力をつけてないといけない。精霊を仕えるための行為に関しては、こじつけみたいな感じがするが……



 

 

「「ご馳走様でしたー!」」


 元気よく食べ終え、カウンターにお盆を戻す。


「よし!じゃあクエスト受注しよっか!」


「はい!初めての戦闘で、凄く楽しみです!」


 確かに、アイリスや俺もそうだけど、クエストを受けるのは初めてだし、アイリスに関しては戦闘が初めてかぁ。

 アイリスは正式な精霊は仕えてはいないが、ちゃんと魔法自体は使えるので、あまり心配はいらない。使えると言っても、威力や効果などは断然下がる。


「クエスト受注しまーす」


「はい、手続きは完了したので内容の方を、確認していきますね〜」


「ありがとうございまーす」


「はい、狂騒の森でのダークウルフの討伐ですね。数は自由ですが、多い方が入るお金は増えます。」


「オッケーです!じゃあクエスト開始!」


 俺達は諸々の装備を整え、狂騒の森に行く。最初らへんにも言ったが、この街から狂騒の森まではそこそこ遠くなく、頑張れば毎日通える程の距離だ。


「よし!到着したよ、ここが狂騒の森の入口だね」


「ここが狂騒の森……凄く禍々しいです……」


 あー確かに慣れすぎていて気づいていなかったが、Aランク指定のダンジョンであり、普通に強い敵がいるのか……でも動物系だからなぁ


 何度も説明しているが、動物系統の魔物はパターンが簡単であり、対人戦よりは数倍楽だ。


「まぁでも、動物系だから……簡単だよ?」


「…………いいですか?リムちゃんは強いので弱いと思いますが、我々はAランクは死を覚悟した方がいいと言われているんですよ?」


 お、お〜そんなにこの世界のAランクというのは高いんだな……


「で、でも私が着いているじゃんね!安心して!」


 まぁ強さとか今は置いといて、この森、狂騒の森は始皇帝の別荘があり、吸血姫なら霧を通れるのだが……

 1人、吸血姫じゃないからこの場合はどうなるのだろう……?


「ま、いっか!」


「ん?絶対いっか!で済まされない考え方を、していましたよね?」


 まぁその時はその時だ。


 乙女よ大志を抱け!!


「……無理ですよ?」

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