第8話 実技練習ですか?キツイですよ?

はぁ今日は寝付きが悪かったな……


「ふぁ〜あ」


 昨日の事もあり、少々寝つきが悪かったが全然元気で動けるので、問題ナシ


「おはよぉ」


「おはようございます……ふぁあ」


 部屋を出ると、アイリスと鉢合わせる。


「早く顔を洗いたいです……」


 まぁ両者寝るまで勉強をしていたので、アイリスも寝つきが悪いのだろう。


「んッ……あぁ……アイリス、今日は実技の練習をしようか……」


「今日ばかりは賛成です……」


 やはり眠い時は運動に限る。ま、練習内容によるがな……


 下の階にある洗面所に行き、パシャパシャと順に顔を洗っていく。洗面所はそこそこ高く、台を使わないと顔を洗えない。決して俺が背が小さい訳では無い、と思いたい。


「あ〜ご飯はあっさりにしようかな」


「でも、あっさり系だと力が出ませんよ?」


「大丈夫、血を吸えばいいだけだから……」


「……///♡」


 俺達はギルドに向かいながら会話をする。でも吸血鬼にとってはご飯が血なのか……相当だな。


「うい、おばさん。今日はあっさり系で頼む」


「私は朝ご飯定食で〜」


 俺達はギルドの食堂に行き注文する。

 アイリスに関しては食べすぎとは思うが、彼女自身太ってもいないし、その栄養が胸にいってるのでいいらしい。


「でも、実技って何すんのよ?」


「確か、魔力コントロールと対人、対魔だったような気がする」


 対人かぁ……対人は一定の人とやり過ぎると、その人との癖が付くので、戦う度に人を変えていきたい所。


「対魔は困ったら狂騒の森に行けばいいし……」


「え゙、狂騒の森って、Aランク指定ダンジョンじゃないですかぁ」


 だが、狂騒の森と言っても動物系の魔物しか居ないしな……


「困ったな……」


 まぁギルドの練習用ダンジョンがあると聞いたので、そこに行ってみるのも良いかもな。


「ま、先ずは体力作りと魔力コントロールからだな」


 体力作りは、街の外周を走るとして魔力コントロールに関しては、どうするのが正解なのが分からないな。

 それに、アイリスは精霊使いなので、先生となる人が周りにいないと思うのだが……


「おばちゃん、ここら辺で有名な精霊使いっている?」


「んぁ?精霊使いねぇ……ギルド長がそうだけど……最近忙しいからねぇ」


 ギルド長か……見た事もないが信頼は出来るだろう。だが忙しいのなら、勧めることも難しいな。


「ありがとう、一応ギルドの方に聞いてみるよ」


「でもここのギルド長ってここ数年、現れてないらいしですよ」


「ギルドの長だし、忙しいじゃない?」


 そんな単純な問題ならいいのだが……でも、魔力コントロールはやり方さえ間違えていなければ、誰でも出来るはずなので、先に身体を動かす事に専念しようかな。


「アイリス、私たちは先に身体を動かすよ」


「そうですね。……すみません、ここの練習場って借りる事出来ます?」


 アイリスは駆け足でカウンターに行き聞いてくる。


「はい、ありがとうごさいます。……良いらしいですよ。後ダンジョンも、自由に出入りしてOKですって」


「おぉ〜それはありがたい。じゃあ早速向かおうか」


 練習場とダンジョンは地下にあり、いつもそこから人の雄叫びなどが聞こえる。まぁこの街の冒険者たちは強く、ここ数十年は魔物の襲撃などは起きていないので、民からの信頼は厚く冒険者たちも優しい人ばかりだ。


「広ッ」


 少年サッカーのコートぐらいはあるだろう。


「あ、あそこに武器がありますけど使います?」


「ん?あぁ大丈夫だよ、私自分で作れるから」


「確かに私達のパーティーは武器要りませんね」


「いつからパーティーになった?」


 まぁ確かに将来的にパーティーを組まないと、ダルい事になりそうだし……


「私達は端っこを使おうか」


「え?ダンジョンに潜らないんですか?」


「うん、今日は各能力の試しや練習を目的としてるからね」


 あ、因みに疾走だが早く欲しすぎて夜に残りを走ってしまった……あとアイリスには言っていない。


「そういえば私は精霊がいないと何も出来ないんですが……」


「あーその事なんだが、精霊っていうのは多分ここにもいると思うんだけど……」


 そう、精霊は基本普通の人には見えないのだが精霊使いだけは見えるのだが。でもそれは精霊を仕えているからなのだ。だから、精霊を仕えてないアイリスは見えないのだ。


「アイリスは、まだ精霊を仕えてないよね?」


「はい、そうですね。どの子を仕えるかで迷ってて……」


「やっぱり、じゃあ週末に精霊を探しに行こうか」


「え?いいんですか!?でも仕えるのって大変なんじゃ?」


 そう、精霊を仕えるという事は精霊に体を預けるという事なのだが……精霊を仕える事がもし出来なければ、膨大な魔力暴走が起きるのだ。


「大丈夫だと思う。アイリスは元々魔力量もあるし、エルフのハーフでしょ?」


 俺はアイリスの血を吸った時に、同時にアイリスの記憶も入ってきたのだ。アイリスの故郷や、家族の記憶……さらにとても残酷な記憶までも。


「……見たんですか?」


「あぁ全部な……」


「全部ですか?…………///♡」


「どこまで見たんですか?///」


「……全部……」


 そう、全部。アイリスの全ての記憶を見た。つまり、アイリスの自慰行為やらなんやらを……


「はい!この話終わり〜」


「で、さっきの話だが。この前の図書館に行った時についでに調べたんだ。精霊の中で強めのものを」


「どんな子だったんですか?」


「あ〜なんと言うか……ちょっと複雑で……」


「というと?」


「その精霊は光と闇の精霊なんだけど、条件が人とHな事をするって言う……」


 本当に書いてたんだよ……何故その様な行為をするのかというと、多分Hな事は神々のタブー(闇)で、でもその行為は人の光でもあり……みたいな感じなのだろう。キリスト教でもその様な感じだったしな。


「…………///♡」



 閑話休題そんな事より



「よし、柔軟完了!」


 アイリスと柔軟をし、早速血液操作とブラッドウェポンを使用する。


「ほぇ〜こんな感じなんですね」


「うん、どれも自分の血なんだよ。こんな感じに血液操作をしながら、ブラッドウェポンを使えるから戦略性が増すんだよね」


「この血の中に私の血が…………///」


 何をひとりで恥ずかしがってるんだよ、可愛いかよ


「ん、やっぱり大鎌欲しいなぁ」


「そうですね、吸血鬼って言えば大鎌みたいな所ありますもんね」


 俺らは魔力コントロールやら、射的練習をしていると……


「おい!そこの嬢ちゃん!俺と一戦交えねぇか?」


 はぁ〜なんか来たって!

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