第5話 女の子と会話ですか?無理ですよ?
「ちょちょちょ!」
階段を上がると、女の子が全力で走ってきた。と言うより制御出来ずに、突進してきたみたいな……
「あっぶ!?」
あ〜これ止めれないタイプのヤツだ。
「ゴフ!?」
「プギ!」
なんとも愛らしい声で叫ぶのだろう、てか女の子だ。これ、セクハラにならないよね?
「あ、あのーどいて頂いてもらっていいです?」
「すみません!直ぐにどきますね!」
あれ、この子めっちゃ可愛いな。俺にぶつかってきた子は、身長は高校生ぐらいの長髪の女の子だった。おっとこれは、俺の癖にどストライク過ぎるな。髪の色が綺麗で、ブルーホワイトみたいな色をしている。
「初めまして!私、アイリスって言います!」
「おr、私はリム、よろしくね?」
アイリスか、待ってこの子好きかも……可愛い。
そんな事置いといて、名前は分かった。けど何故走ってたんだ?
「アイリスちゃんはなぜ走ってたの?」
「ぼー……ハッす、すみませんつい可愛くて見惚れてました。私は自室で生活魔法の練習をしてたんですけど、魔力暴走を起こしてたみたいで……」
魔力暴走、魔法を使用する上で殆どの人が経験する一種の病みたいなものだ。
てか、なんだよ見惚れてましたって!可愛すぎんだろ。
「そうなんだ……」
はい、話題終了のお知らせ。マジで本当にオタクくんさぁ、話盛り上がってないよ?
「リムちゃんって学生さんですか?」
あ〜確かに言われてみれば、学生なのかあやふやだな。
「あ〜遠い所から来て今日初めて来たんだよね、だから学校とかって、まだ分かんないんだよね」
将来的にも学校に入るのは、いい事だし何処でもいいからテスト受けてみるか。
「そうなんですね、じゃ、じゃあ一緒に王国の学校行ってみませんか!」
「お、王国〜?でも難しいんでしょ?多分だけどアイリスちゃんは今勉強中でしょ?」
「はい!絶賛勉強中です!王国の学校は入るだけで将来は保証されている、と言われるまでです」
あ〜ムズそー、アイリスが可愛いからここまで話してたけど、絶対ムズいよね?あとここ普通に廊下だし。
「まぁ色々話す前に、一旦自室に戻ろっか?」
――――――――――――
自室(アイリス)
ん〜まぁいつかは学校に行かないとだし、今の所目標がないから学校に入学を目標とするか。
「いいよ、一緒に頑張ろっか?」
「はい!全力でサポートします!」
明るい子だなぁ、学校の試験ってどんなのが出るんだ?
「ねぇアイリス、学校の試験って何が出てくるの?」
試験の内容を知っておいたほうが、圧倒的に入学は簡単になるからな。
「そうですね、確か実技と筆記、面接があったハズです」
実技か、この世界では恐らく魔力適正や属性魔法を調べるのだろう。
「実技って種族、関係あるの?」
「え〜確か無かった気がします。ですが、種族によって、魔力量や魔法が限定されるので、そこは配慮されています」
だろうな、配慮無しとか言われたら、マジで親ゲーだからな。
「例えばどんな種族がそうなの?」
「吸血鬼とかそうですね。吸血鬼は生活魔法しか使えず、その他の魔法は自身の吸血鬼本来の魔法しか使えません」
あ〜なるほどね、じゃあ俺は生活魔法しか使えないのか……あれ?俺って確か吸血鬼の祖だよね、だから吸血鬼の全ての力を使用出来るって……最強なのでは?
「あ〜なるほど、アイリスは人間だよね?」
「はい、私は人間ですが、私も生活魔法しか使えません」
「どうして?」
「私は精霊を仕える精霊使いですので、基礎的な魔法しか使えないんですよね……」
精霊使い、精霊とは大気中にある微弱な魔力を元とする、不思議な生物なのだ。精霊は精霊使いにしか見えず、精霊使いは精霊を仕える事が可能だ。
「へ〜精霊使いなんだ、珍しいね?」
「そうなんですよね、村でも一時期話題になりましたし……」
ここでこの世界の説明をしよう、この世界では魔法が使え、魔法には属性魔法と無属性魔法があるのだ。無属性魔法は、さっきから話題に上がっている生活魔法や基礎魔法がそれだ。
そして属性魔法は『水、火、土、風』の大四元素と、『光、闇』の新元素がある。一人一人属性が決まっていて、凄い人は全て使えるとか……
そして最後にスキルだ。スキルは誰しもが、会得可能で熟練度がある。この熟練度が全て決まると言っていい程だ。そしてユニークスキルは持っている人と持っていない人がいる。ユニークスキルを持ってたらラッキーぐらいの感覚なんだが、時々すげぇ強いスキルを持っている人がいる。
「まぁ本格的な対策は明日からでいい?」
「そうですね、今日は色々あって疲れましたし」
確かに今日はすごく色んな事があった。転生から森やら別荘やら、本当に濃厚な1日だったな。
はぁ〜疲れた
「じゃっまた明日〜」
「良い夢を〜」
――――――――――――――
ハァハァ
ん、動悸が止まらない。これまさか吸血衝動か?マジかよ、初めてこんな興奮してる。
「アイリス……」
視界が赤い、マジでこれヤバイ。これが血を欲するって事か。
目の前にはアイリスの自室、流石にダメだ、こんな夜中に襲う事は流石に許されない。
「少しだけなら……」
髪の毛がチラリと見えるが、銀髪になっている。これが吸血衝動の表れか、
「ハァハァ……アイリス……」
俺は音を出さないように、部屋に入る。
アイリスは当然寝ている、なんとも無防備な……
「ん、ん〜?」
俺はアイリスに馬乗りになる。
「ん、ん゙?ふぇ?リムちゃん?」
「ごめんアイリス、私吸血姫なんだ……」
俺は尖った八重歯を見せる、
「ふぇ!?リムちゃんって吸血姫なんですか?」
「うん、吸血衝動が今ヤバくて、興奮が止まらない……」
アイリスの顔も火照ったよな気がする。
「わ、私も何故か頭がボーッとして……」
恐らく吸血姫の魅力の力のだろう。
「ごめんアイリスが可愛すぎて……我慢出来ない…………」
俺はアイリスの首元に顔を近づける。
「私もリムちゃんの事会った時から好きでした……」
動悸が激しくなる、だ、駄目だ。もう無理……
「ハァー」
俺は首元に息を吹き掛ける。
「ん、んー」
「頂きます……」
首元に歯を突き立て、噛む。血を1滴、口に入れただけで今まで以上の興奮が押し寄せて来る。
あ〜これ制御出来ないかも。
「ん!?んッハァリムちゃッ」
「んッ!…………もっと私に委ねて?…… もっと来ていいですよ?」
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