第6話 朝チュンですか?終わりました···

はぁ……やってしまったぁ……


「昨晩は凄かったですね?」


 やったわ、完全に終わった。


「あ、あ〜あんまり覚えてないな〜」


 確か、昨日は吸血衝動でアイリスの部屋まで行って?そこから?アイリスに馬乗りになって?襲って?今に至るわけか……


「昨日の事、どこまで覚えてる?」


「そりゃぁ全部ですよ?」


 全部かぁ……全部ね……うん、恥ずかし過ぎて死にそう……でも、これは生理現象であって、しかも両方女の子。これは犯罪には、ならないでしょう。きっと……


「ねぇ、朝ごはん食べない?」


「良いですね、ご主人様♡」


 !? 急な可愛い発言、辞めてくれないか?俺が死んでしまう。


「てか、なんで私がご主人様なわけ?」


「だって吸血鬼は、血を吸った相手を眷属にするんですよ?知らなかったとは、言わせませんよ?」


 あ〜確かにスキル見た時、眷属支配って書いてあったなぁ……


「まぁ気にしてても、体に悪いよ?ほら早く、朝ご飯食べに行こ?」


「それもそうですね!昨日の事は昨日の事です!今はご飯を食べる事に、集中しましょう!」


 良かったぁ能天気で……俺も気にしてても、体に悪いし着替えて、ギルドに行こうかな?


「私、ギルドで食べるけどアイリスも来る?」


「行く行く〜」


 なんだが昨日の事があって数倍も、距離が近くなった様な?


 ――――――――――――


「はぁ〜ご飯が進まない……」


 ダメだ、昨日の事が頭から離れない……まぁここは日本じゃないので、犯罪にはならないと思うけど……それでもなぁ……


「あれ?ご飯食べないですか?」


「うん、ちょっとお腹いっぱいで……」


「確かに、昨日はいっぱい吸ってましたからね〜」


「ね゙ぇ〜やめてよぉ、これでも一応、恥ずかし過ぎて顔も見れないんだよ?」


「恥ずかしがってるリムちゃんも、かっわいい〜」


 さぁーてここからどうしたものか……勉強と言われても、何から始めていいか分かんないし……


因みに朝ごはんは、パン派なのでふっかふかコッペパン。そして栄養価を考えた野菜たっぷりのシチュー……天国か?


「アイリス……食いすぎ……」


 アイリスはというと、俺と同じメニュー+朝ご飯定食という。因みに朝ご飯定食は大盛りのご飯に、山かな?と思わせる程の唐揚げの量……


「だから栄養胸にしかいかねぇんだよ……」


「 ?」


「なんでもないよ」


「フガフガ、フガフガフガフガ(リムちゃんは、教材とかって持ってるんですか?)」


「あ〜確かに考えてなかったな……今日、買いに行こうかな」


 確かに王国の教材じゃないと、知識に偏りが出るからな……流石に図書館に行けばあるだろ


「じゃあご飯食べて、運動し終えたら図書館に行こうか?」


「え゙?食後の運動があるんですか?」


 この身体になってから、消化等が早くなっているので、運動はすぐにできる。理由としては、試験の実技で、もし体力が必要と言われたら詰むからなぁ


「体力はあった方がいいしね、あとスキル上げとかもあるし……」


 そう、今求めているのは『疾走』というスキルだ。これは走っていれば身に付くので簡単なのだ。そしてこの簡単さで、強いスキルなのだ。


「スキルを取ろうと思ってて、疾走だからね走らないと」


 疾走は単に足を早くするだけじゃなく、ゲーム用語で言うと数フレでキャンセルや、数フレでダッシュ状態にできるのだ。


「はぇ〜それなら走らないといけませんね……」


 いつか冒険にも出ると思うから、疾走やらなんやらを取らないとな。


「あ、そういえば昨日の吸血でスキルポイント貰ったんだ」


 ん〜今の所は攻撃系のスキルに振った方が後々楽かな……


「私も眷属になってから魔力等も上がりましたし……ウィンウィンですね」


 確かにウィンウィンだけど後味がなぁ……

 そういえば眷属支配って1だけど、どこまで支配できてるのかだよな……例えば危なくなったら横に動かすみたいな、体自体を動かすみたいなのができればなぁ……


「てか、図書館ってどこにあるの?」


「確か、役所ら辺にあったと思います」


 役所って事はちょっと歩かないとな……まぁいいか、ちょうど身分証を発行してもらうか。

 他の大陸などに行く時は身分証がいるので、持っているのは損は無いと思う。


「そうですね、保護者関係は私がやりますね」


 アイリスがお母さんかぁ、イけるなぁ……

 ヤバイヤバイ、朝っぱらから何考えてんだ……


「よし!じゃあ動きますかぁ」


「はい!そうですね!」


「「ご馳走様でした!」」


 俺らはカウンターにトレイを置き、外に出る。


「あっちぃ……」


 恐らく、春の前ぐらいなのにこの暑さ……死ぬぅ


「ん?ゆーてですよ?」


 あ〜多分吸血姫のヤツなんだろうなぁ。先が思いやられるな、これは……


「じゃあ走るかぁ……」


 ルートとしては、だいたい街の外周を一周する位で、10kmもないだろう


「無理ですよ?流石に外周はキツイです」


「大丈夫、疾走は30km走らないといけないから。」


 疾走は最大10までしかなく、最大100km走らないといけない。なので、会得ぐらいはしとかないといけない。


「まぁ仕方ないよね、ほら早く行くよ」


「え!早くないですか……ちょっと待ってぐだざい……」


 ――――――――――――――――


「ふぅ……」


 意外と疲れるな。因みにアイリスは2.3kmの所で見えなくなってたな……

 ま、アイリス来る前に練習でもしようかな。


「ブラッドウェポン」


 俺は短く唱えると、手元に短刀が出てきた。


「ん〜まぁ今の所はこれぐらいしか出来ないかも」


 将来的には大鎌みたいなかっこいいものが欲しいのだが、今はこれで我慢するしかないだろう。


「次……血液操作」


 これまた短く唱えると、目の前に血の塊が出てきた。

 最初に狼達と戦った時のやつで、様々な形に変形できる。なので、相手が逃げそうなところに置きエイムができるのだ。しかも即死、瀕死状態が確定だろ?……あれ?最強なのでは?

 そして、このペンダント……特別な血=眷属+主人の血と仮定していいだろう。そしてその主人が吸血鬼の祖なんてなぁ……そりゃぁ特別な血だな。


「ハァハァ……死ぬぅ」


「あ、おかえり」

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