第2話 異世界転生ですか?簡単ですよ?

いったぁ、マジでやってくれたなぁ

 俺は確か誕プレでゲームのテストをしてくれと言われたのだが……


「ここは?」


 俺はゆっくりと痛みに耐えながらも起き上がる。

 起き上がった瞬間の顔はどこぞの海賊アニメ位、驚いていただろう。


「マジか……」


 ホントの意味で大草原不可避と言ったところか、俺が見ている世界はとても神秘的で、誰もが見惚れる位だ


「なんでこんな所に?」


 恐らくさっき起きた事を思い出す。少し頭痛がするが、確かに覚えている。

 テストでバグが見つかった、それで会社は火の海になっていた。最後に聞いた言葉が……


『絶対生きて返すぞ!』


 親父……ごめんな、こんなダメ息子で、

 だが最後の機械音が気になる、確か……


『別次元に転送します』


 だったか?という事はここは……


「異世界か……」


 異世界、それは男の子なら一度は憧れる所だろう、だがそんな転移の仕方がこんな悲惨な事になるなら、誰も行きたくないだろう。

 だが見た感じアニメの様な異世界みたいでは無かった。

 とても神秘的、この一言に尽きる。空は恐らく昼間でも綺麗なままで、月?の様なものまで浮かんでいる。


「てか、声高くね?」


 そうさっきから気にしていたのだが、異常に高い。


『QCTのデータサーバーを移行します』


 確か、そんな事を言っていたな。と、言うことは……


「この姿、俺の性癖か……」


 だが安心しろ?まだここに来てから1歩も動いていない。まだ容姿を確認できない、つまり俺の性癖は守られている。


「でもこのままな訳いかねぇしな」


 確かにこのままだと魔物に襲われるかもしれない、居ればの話だがな。

 俺は立ち上がり自分の手足を見る。


「細い、絶対女の子だ」


 細い、本当に細い、見た感じ恐らく中一位か?


「俺の性癖ってロリだっけ?」


 まぁそんな事今はどうでもいい、まずはこの世界の事を知らないといけない。

 俺が思いついた異世界の定番と言えば?


「ステータスオープン」


 そうステータス、これはゲームをやる上で最も大事だろう。

 目の前にウィンドウが出てくる。


 ――――――――――――

 名前:リム

 種族:吸血姫ブラッド・オブ・ザ・レッド・インペリアル

 総ての吸血鬼の祖であり王女、吸血鬼の総ての能力を使える。

 ユニークスキル:クリティカル

 攻撃力が倍になる。

 

 スキル:動体視力強化

クリティカルが感覚で分かるようになり、動体視力がデフォルトで高い。


――――――――――――――


「意味は、赤き皇帝の血か……」


 すっげぇ厨二病みたい、多分最終個体みたいな感じなのだろう。

  

「こっちは……」


 恐らく音ゲーだな、これ絶対倒れる直前まで音ゲーしてたからこうなってるな。


「クリティカルか、音ゲーで言うperfectパーフェクトか。」


 俺はクリティカルが表示されている画面をタップしてみる、するとやはり説明が出てきた。


「クリティカル:通常の2倍又は4倍になる……か、おっとこれはチート過ぎる能力か?」


 恐らくこの世界のクリティカルは低確率で発生すると思うが、俺はほぼ100%でなるって事?


「最強だろ……ん?でも待てよ?これ元々が弱いんじゃ何も出来なくね?」


 そう書いてある通り2,4倍になるが、元々が低いと、そこまで強い攻撃がでないのだ。

 だが、安心してくれ。吸血姫の能力で血を使った何かをすればいいはず!


「吸血姫の能力も調べてみるか……」


 ――――――――――――

 吸血姫

 能力:血液操作 1/100

  ブラッドウェポン 1/100

  吸血 1/100

  魅了 1/100

  五感強化 1/100

眷属支配 1/100

  ネクロマンシー 1/100

血液治癒 1/100

  サイコキネシス 1/100

  自動治癒 1/100


 パッシブスキル:不老

 不死とまでは行かないが歳は取らない


 ――――――――――――――


「なっが……なるほどね、全部最大100になるのか」


 ここで気づいた事が一個ある。


「やっぱりレベルの概念がないのか?」


 レベルがない、つまり無限に色んなことを極めれると言える。レベルが無いという事は、全てはスキルの熟練度で決まる。強いスキルを持っているものだけがこの世界を統べる事ができるのだ。


「まぁでも今考える事じゃないな、早く村を見つけないと、」


 色々は後々考えるとして、今は早く寝床を探さないといけない。ここは異世界だ、何かあってからじゃ遅すぎる、だからなるべく早くセーフティーゾーンを確保し現状維持までしていきたい所。


「にしても、どっちに行けばいいのやら、」


 たとえ能力等が強くても方向があってないと、一生村には辿り着けないと思う。やっぱり地図が欲しいな。待てよ?ここ異世界だろ?それなら……


「マップオープン」


 俺が唱えると目の前にマップのウィンドウが出てきた。


「よっしゃぁ!やっぱり行けた!」


 マップを見る限りここはそこそこ大きい草原らしい、見た感じ村らしきランドマークがあったのでそこに行くことにした。


「ここからざっと5km位か……流石に遠いな。」


「ん?この森抜けたらショートカットになるな、この森はっと……」


――――――――――――――――


 狂騒の森

 動物系の魔物が広く生息している。

 ここはかつて、始皇帝の別荘があったとされている。


 ―――――――――――――


「始皇帝か……漢字からして強そうだな。ま、動物系の魔物なら行けるか!」


 動物系の魔物はパターンが簡単で、様々なゲームから雑魚キャラとして扱われているヤツもいる。でも注意するのは、熊の様な身体の大きい動物だと流石に今の俺じゃあ無理かもしれない。


「ま、その時には逃げればいいか!」


 そんな気軽な感じで行っていいほどの森ではないと思うが、まぁ戦闘経験が無いので、森で経験を積んで行けば結果オーライだ。


 まぁクリティカルさえあれば、なんとかなるしょ!

 

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