事後
「ぁあ...」
ゆっくりと目を開ける。
どうやら俺は眠っていたらしい。
あれ?でもそうだとしたらなんでいつものヤンデレボイスが聞こえてこないんだ?
そしてなんで上半身裸?
それにここって俺の部屋か?
だとしたらなんか壁の模様に違和感が...
「あ、起きたんだね清人君」
と、ちょうどベットに寝ている俺の横から声がした。
「え!?き、桐乃さん!?」
「うん?どうしたのそんなに驚いて?」
横に目をやると、そこは薄い肌着一枚だけを着て、体を少し起こしている桐乃さんがいた。
肌着しか着ていないのだから、もろに体の線が出ている。
「もしかして記憶が飛んじゃった?」
「き、記憶?」
えーっと、確か今日は体育祭で、見事一位を取ったからクラスみんなでファミレスで打ち上げをして...その後は
「ほら、この部屋を見て何となく分からない?」
桐乃さんにヒントをもらい、改めて目を凝らして部屋を見渡す。
構造としてどこかのホテルというのは間違いないだろうが、それにしては何かやけにいろんな意味で明るい部屋だな。
部屋の電気もそうだが、壁一面が赤く、窓のカーテンも赤いし、ベッドの掛布団も赤い。
ん?そういえばここと同じような部屋を何度も見た気がする。
そう、確かあれはスマホで俺がM男向けのAVを探しているときに...あ、
「え、ら、ラブホテル...?」
「そうだよ。ここはラブホテルで、ついさっきまでその一室でわたしと清人君が寝ていたというわけ」
ラブホテルの一室で桐乃さんと同じベットで寝ていた...
ということはもちろんただ寝ていた、だけで済んでいるはずもなく
「あ、でも当然することはシたよ」
ですよねー。
そうだ、だんだん思い出してきた。
確か俺と桐乃さんだけで二次会するってなって、桐乃さんがこのラブホテルを指さしたんだっけ。
で、そこで俺が煽る目的で、わざと抵抗してしまいには桐乃さんの逆鱗に触れてしまうであろう凛華と歩歌の名を口にして、それにぶち切れた桐乃さんが俺を無理やりホテルの中に連れ込んだ。
というところまでは何となく思い出してきた。
「清人君をこの部屋に連れ込んで、本当だったら一緒にシャワーを浴びようと思ったんだけどさ、あのときはわたしもイライラしてたというのもあってすぐに清人君を押し倒しちゃったんだ」
もうドMホイホイのSSの王道展開やな。
「押し倒されても清人君が必死に抵抗するからさ、わたしも我慢できなくなっちゃってもうすぐにまたがってそのまま」
ん?ということは...
俺は恐る恐る自分のパンツに触れてみる...
...湿ってますね。
どうやらメス堕ちさせられたわけではなさそうだ。
「あ、安心してね、わたしもしっかり準備は怠らなかったから清人君が心配するようなことは起こらないよ」
と、桐乃さんが自身のお腹をさする。
...まぁ俺としても重そうな話はごめんだしな。
「ああでも、よくよく考えたら準備しないでそのままして既成事実を作っておけばよかったな」
もうここまで来たらその言葉も冗談で済まされなくなる。
「でもね、初めてからすぐに清人君の意識が遠のいていったのを感じてさ、一回しかできなかったんだけどね」
え、俺ってそんなに耐性ないのか?
いや、でもこれが普通か。
童貞がはじめて風俗に行った時もあまりの気持ちよさに気絶したとも聞くし。
でも、気絶してそして記憶がなくなるとまでは聞いたことないな...
俺ってまさかそういうことに関しては結構体弱い?
でも、逆にこれはプラスになるかもしれないな。
そういうこと苦手ですアピできて、より一層桐乃さんの性欲を煽ることができるかもしれん//
「終わってから気持ちよさそうに眠る清人君に毛布を掛けてあげて、わたしは清掃員さんに負担がかからないように汚しちゃった箇所を掃除してたら、なんだかわたしも眠くなっちゃってさ、清人君のすぐ隣で眠っちゃったんだ」
てか桐乃さんは結構耐性あるのか。
普通は女子の方が初めては動揺すると聞くが。
あれか、筋肉がついている女子は性欲が強いからそれでカバーしてるっていう感じか。
「あ、桐乃さん、今何時?」
「ん?今は夜中の一時かな」
うわー結構微妙な時間やな。
別にもうどこかに止まらなくちゃいけない時間でもないし。
かといって今から家に帰るというのも。
...まぁ、さすがにこんな時間に誰も起きているはずがないからこっそり家の中に入るのは可能かもしれない。
「ご、ごめん、もう帰らなくちゃ」
「...うん、そうだね。本当だったらこのまま二回戦目もして、今度こそ既成事実を作ろうとも考えていたけど、思えばわたしが無理やり嫌がる清人君を連れ込んだんだから、止める権利ないよね」
嫌がる (演技)だがな。
俺は桐乃さんに脱がされた服を着て、荷物をまとめる。
まとめながら
「どうせなら桐乃さんがオスで、俺がメスの立場での行為がしたかったなー」
と、心の中で呟き、妄想をしてムスコが膨らんでいたというのは内緒だ。
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