二人三脚準備
「お、次二人三脚やん」
午後の第一種目は二人三脚。
俺は桐乃さんとペアで走ることになってくる。
放課後練習では、俺の足と桐乃さんの美足がくっつきあって、鮮明に桐乃さんの足の感触が伝わってきた。
もしあの足で俺のペニスを包み込まれたかと思うと、もういっそ棄権して一人でシたい衝動に駆られる。
まぁそんなことをすればさすがの桐乃さんでもみんなの前でDV調教してくるのもいとわないだろう。
「清人君、お待たせ」
桐乃さんが足同士を結ぶひもを持って戻ってきた。
「ごめんねこんなに遅くなっちゃって。もうアップする時間もないよね」
確かにもうそれぞれのクラスの参加グループが集合場所に集まっているためアップする時間はない。
...本当はさっきみたいなアップがしたかった...いや、どこから盗撮されるか分からないからやめよう。
「それとこれはさっきも訊いたけど...わたしの弁当で足りたかな」
今日、桐乃さんから渡された弁当は、白飯や卵焼き、お団子のそれぞれに可愛らしい動物かおが描かれている何とも女の子が作ってきそうな弁当だった。
桐乃さんがこういったシンプルに可愛いお弁当を作るとは思っていなかったけど、その情緒不安定さも好き。
「ああ、足りたよ。あの弁当のおかげで、午前の疲れも取れたし」
「そうなんだ...うん。そうだよね!清人君はあのぐらいの量がちょうどよくてわたし以外が作った弁当じゃあお腹は満たされないからね」
ギクッ!
今の言い回しはバレていると言われればバレているようにも見て取れるし、逆もまたしかり。
まぁ俺としては決してバレていたとしてもその後の展開を考えると全然ありなんだが。
「ほら、それじゃあわたしたちも向かおうか」
桐乃さんに導かれ、集合場所に向かう。
集合場所に熱っている生徒をパッと見た感じ凛華はいなさそうだな。
まぁそりゃそうか。
あの凛華に二人三脚なんて似合わないからな。
仮に凛華が二人三脚をやるとしても、ペアとして違和感ないのは...颯那ぐらいか。
もし颯那と俺がペアだったら、"ひもで結ぶ"じゃなくて"リードで飼う"だな。
と、いろいろと想像していたら
「清人君、今何考えているの?」
「うぉ!?」
いつの間にか桐乃さんが目の前にいた。
「...今の驚き方もだいぶ傷つくけど...それよりも今誰のこと考えていたのかな」
ほら、これが情緒不安定系ですよ皆さん!
さきほどまでは俺に動物の絵が描かれた弁当を渡したりしてきたのに、俺が別の女のことを考えたらめっちゃ問い詰めてくる。
だいたいDV彼女って情緒不安定系が多いよね。
本当はしたくないのに無意識的に暴力を振るってしまうのと、意図的に暴力を振るってくる。
俺としてはどちらでもありだが、やはりドm向けを前提とすると、後者の方がいいのかもしれない。
「え、えーっと、そういえば桐乃さんの両親ってどんなひとなのかなーって」
「わたしの親?...もぉ清人君ってば、行動が早いよ」
あん//
桐乃さんが俺の頬っぺたを触ってくる。
おお、いい具合に始まる前に俺に力を蓄えてきますな桐乃さん。
「そう言うのは、卒業式が終わってからにしようね」
うん?
卒業式が終わってから両親への挨拶...?
ああ、そういうことか。
つまり俺が桐乃さんの"モノ"もしくは"メス"になることへの挨拶ってことね。
俺と桐乃さんが集合場所に来て、大体五分ぐらいしたところで全体説明が始まった。
まぁ要約すると、二人三脚のきめ細かいルール等が伝えられた。
まさかの二人三脚がリレー形式だということを今日初めて知った。
桐乃さんは事前から
「......」
あ、ちょっと表情の半分が消えたから桐乃さんも今日初めて知ったんやな。
てかどうするん?他のクラスはもう順番も決めてるみたいだけど...
「ね、ねぇ桐乃ちゃん?私たちも走る順番を今のうちに決めておいた方がいいんじゃないかな?」
「...そうだね。それじゃあアンカーはわたしと清人君ペアに決定。それ以外は勝手に決めておいていいよ」
雑!?
ここでも情緒不安定ムーブかましてきましたか。
もう自分の飼う予定の犬の調教を具体的に思いついて、今はそれの練習をしているのかな...?//
「あ、そうそう。勝手に決めていいけど...他クラスに後れを取らないように走ってね。もし二人三脚でも不甲斐ない結果になったら...もう、クラスのみんなに対して優しくなれないかな」
普通の人の感覚だと、今も十分優しくないと思うが...
これはあれだな。
今までなんでも世話してくれた優しい先輩が、想い人である後輩君に何度も告白するけど、そのどれもがことごとく玉砕して、そうしていくうちにどんどん自分の中で何かが変わっていく、やがて"もし断ったら"と脅すようになるんだよな。
あ、でも桐乃さんに関しては素が腹黒い疑惑がかけられているから、隠していた部分が剥がれていくっていうのが一番ありそう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます