なぜか俺が完璧女子なクラスメイトと付き合うことになり、それが妹たちにバレ、ヤンデレ化していってるんだが

開会式前

「はい、みんな注目～」

ぞくぞくとクラスメイト達が陣地に集まってきたところで、桐乃さんが朝の朝礼を始める。

「みんな今日は待ちに待った体育祭本番だね。朝ごはんはしっかり食べて来たかな？」

小学校低学年の運動会のときに聞くやつやん。

「何回も言うけど、今日は人生最後の体育祭、その体育祭を飾るには全員が体育祭だけに意識を向ける必要があると思うの」

まぁそんなのは三年生の中では桐乃さんぐらいだな。

「でね、みんなに体育祭中に雑念が入らないように、受験勉強に使うテキスト等はわたしの方で預からせてもらうことにしました」

「「「「「「「「「「「「！？」」」」」」」」」」」」

眠そうにしていた奴らが一気に眠気が覚めたようだ。

「うーん？ちょっとがやがやしてきたかな。もしかして何か不満とかあるの？」

......

いや、そんな目とトーンじゃ誰もモノ申せませんよ桐乃さん。

「はい、じゃあ今から佳林ちゃんが回収していくからちゃんと渡すんだよー。もし回収終わった後に隠し持っていたりしたら...分かるよね？」

最後の言葉で、続々と服の中やバックの底からテキストを取り出す。

できれば俺は分からされたいが...残念ながらそもそも勉強用具を持ってきていない。

桐乃さんの横から、菊島さんが大きなゴミ袋を持ってこちらに向かってくる。

もう完全に力で分からされた桐乃さんの奴隷やん...

...羨ましい//

できれば俺はＤＶと快楽で奴隷堕ちさせられたいです。

菊島さんは何かに怯えた (絶対桐乃さん)顔で、次々とクラスメイト達のテキストを回収していく。

そんな痛々しい表情を見ていたら誰も渋ったりできない。

「あーそれと、皆にも伝えたけど、わたしがこのクラスの代表者だからね」

聞いてないです。

多分今の言葉は全員が一斉に心の中で吐いたが、誰もそれを口にすることはできない。

「で、さっき二人三脚と選抜リレーのグループを決めるくじを引いてきたんだけど、無事、一年Ａクラスと対決することになりました」

無事、って何？

それとやっぱり凛華のクラスと当たったか。

...多分昨日の帰り、学校に忍び込んで何か細工したな。

そこまでする？

「もし、Aクラスの子に抜かれたら...まぁちょっとした制裁があるかもしれないかなぁ～」

これってまさかいつかのサッカーみたいに負けたら拷問されるやつ？

この場合の収容所って桐乃さんの家だよな？

桐乃さんの家で拷問...//

俺、わざと転ぼうかな...？

「えー、皆さん、おはようございます。そろそろ開会式のお時間となりますのでグラウンド中央にお集まりください」

若干癇に障るショタボイスで、開会式の時間が近づいてきたことを伝えられる。

「もうそんな時間か。じゃあわたしが旗を持って先頭で歩くから、皆は列を乱さずついてきてね」

ん？列？

「えーっと、桐乃ちゃん、列っていうのは...？」

以前まで桐乃さんと仲の良かった取り巻きの一人の女子が恐る恐る尋ねる。

「ん？あーそーか。何順の列かはまだ言ってなかったね。それじゃ、出席順番でいいかな？」

いや、おそらくなぜ？と訊きたいんじゃないのかな？

俺も気になるし。

「多分そんな軍隊みたいなことをして集まるの私たちのクラスだけだと思うけど」

「いやだなぁ～。軍隊なんてそんな言葉体育祭で使わないでよ。ほら、皆も小中の運動会前に行進の練習しなかった？」

ありました。

あれだけで丸々一時間潰れた思い出もある。

なんか小中の運動会って以上に行進に厳しいよね。

「その行進をするだけだよ」

「それって...やる必要あるのかな...」

おお、なかなかあの子勇敢じゃないか。

この独裁者である桐乃さんに堂々と意見するとは。

それに比べて俺たち男子ときたら...

桐乃さんにビビるどころかちょっと興奮してん...ん？ひょっとして興奮してるの俺だけ？

「あのねぇ～、もう開会式から体育祭は始まっているんだよ？もし開会式での態度がそのままクラスの得点に反映されたらどうするの？」

そんなことはないんじゃないかな。

それと、もし仮にそうだとしても、得点に反映するのは開会式"から"だから開会式前の行進は意味ないんじゃ...

「はい、もうつべこべ言わない。これ以上モノ申すならペナルティ与えるからね！」

来ました、最終奥義。

最終奥義を発動され、見事撃沈した俺たちは桐乃さんの命令通り出席番号順に並ぶ。

「じゃあわたしの足の動きに合わせて進んでね。もし少しでも乱れたりしたらすぐ気づくからね」

桐乃さんがEクラスの旗を掲げ、まさに軍事パレードのようにキレの凄い行進をする。

それに合わせ、まさに桐乃さんの視線に脅かされながら俺たちも同じ動きをする。

うわ、これ結構バランスいるな。

グラウンドにはもう保護者がいるため、先ほどまでガヤガヤしていたが、俺たちＥクラスが入場した瞬間一気に静まる。

ってあれ、今なんか微かに今朝目にしたカメラが見えた気がしたのだが...見間違いかな。