放課後練習②
「じゃあ今日は全員参加の百メートル走の練習するよ」
昨日に引き続き、今日も放課後練習を実施する。
とは言っても、やる気があるのは桐乃さんだけのようだが。
ほとんどのクラスメイトの顔に覇気は見られない。
ただ、今の桐乃さんに逆らえばどうなるかというのを、彼らは薄々理解しているのかもしれない。
「じゃあこの間体育の授業中に計った百メートル走のタイムをもとに指導していくね」
百メートル走はぱっと見距離が短いように見えて実際に走ってみると中々走り終えない。
俺何秒だったっけ?
さすがにクラス最下位とかではない気がするが。
「はい、じゃあ今言った通りの順で並んでね」
結局俺は少しだけ速いということで、真ん中よりちょっと後ろに並ぶ。
...そこは俺が最下位で桐乃さんが一番速い、身体能力逆転カップルになるのが定番だろ。
ちなみに男子の中での最下位は赤沙汰君でした。
「う~ん、えっとね、スタートダッシュのときに」
「もう少しホームを改善した方がいいかな」
「中盤までは低姿勢で」
「ちょっと後半になって失走してるかなー」
「ゴールした後も走り続けないと」
走っているクラスメイト達にそれぞれ指導していく桐乃さん。
やはり元陸上部なだけあって技術的なことを教えている。
多分奴らは最初桐乃さんが自分の体を触って直接教え込んでくれると思っていたようだが、残念でした。
それは僕だけの特権だもんねー。
「はい、じゃあ次は、清人君だね」
「は、よろしくお願いします」
「まずはクラウチングスタートから見せて」
桐乃さんに言われた通り、その場でクラウチングスタートの姿勢をとる。
てかこの体勢なかなかエロイよな。
おしりを上に高くつきだすみたいな感じで。
「...んー」
桐乃さんは俺のクラウチングスタートをまじまじと観察する。
「ちょっと失礼するね」
しばらく観察すると、突然俺の腰を掴んできた」
「は//」
「「「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」」」
この行動には俺はもちろん、クラスメイト全員が息を飲んだ。
ちょっと、これは...つまりそういうことですか!?
後ろから俺の腰を掴むってことは...俺が今からメス堕ちさせられるってことっすか!?
はい、ぜひそうしてください!
桐乃さんのたくましい腰使いで僕をメスにしてください!//
「もう少しおしりを高く上げた方がいいから」
桐乃さんが力強く後ろに引く。
「あぁ//」
ここであの誰もが一瞬でムスコを急成長させる効果音が...聞こえてこなかった。
「うん、このぐらいの高さでちょうどいいかな」
桐乃さんは十分に俺のおしりが高く上げられたことを確認すると腰から手を離した。
「......」
ま、まぁさすがに分かってたよ。
今ここでそんなことされるはずがないってことぐらい。
もし本当にこの場で俺が腰を掴まれて桐乃さんがメス堕ちさせてきたら全国ニュースになるぐらい大事だもんな。
「じゃあ清人君、百メートル走ってみて」
桐乃さんの合図で、クラウチングスタートから百メートル走を走り出す。
「----------」
走っている最中は自分の息すら聞こえてこない。
だが、やはり桐乃さんが直接教え込んだクラウチングスタートは大変意味があったらしい。
いつもは中盤らへんで体力が切れ、失走するのが日課だったが、今回は何とか最後までスピードを落とさずに走りぬくことができた。
いや、それどころかもしかしたら自己ベスト更新したんじゃね?
「凄いよ清人君、前よりペースが上がっているよ」
走り終わってすぐ、桐乃さんから称賛の声が上がった。
「いや、普通に桐乃さんの教えてくれたクラウチングスタートのおかげだよ」
「うんうん、私が教えたのはあくまでスタートダッシュだけだもん。それを活かしたのは紛れもなく清人君自身の力だもん」
そ、そうかなぁ~。
まぁそう言われるのは悪い気はしないかなぁ~。
「「「「「「「「「「「「.......」」」」」」」」」」」」
お?なんだよお前ら?
もしかしてうらやましいのか?
昨日まで少し同情するかのような目してたくせによ。
「じゃあ次は具体的なフォームを改善してあげるね」
え?まだ俺に時間を割いてくれるの?
でも、まだ俺の後ろにもかなりの数が...
いや、ここは素直に俺ファーストを徹底してくれる桐乃さんに感謝しよう。
「じゃあーまたクラウチングスタートから走ってみて」
「え?ま、また!?」
「さっきフォームを教えるって言ったよね?大丈夫、途中で止めるから」
正直また走るとなるとそれなりに体力を使うので、途中までだとしてもあと一回で終わらせてほしいところ。
さっきの桐乃さんの教え通りに、お尻を高く上げクラウチングスタートの体勢をとる。
そこから、彼女の合図で走り出す。
「----っ」
やはり一回目より結構体力使うな。
「はーいストップストップ」
俺が中盤に行くか行かないかのところで桐乃さんがストップをかけた。
「んーっと、ここを」
「あ//」
今度は隣から抱き着くような形で俺のフォームを教えてくる桐乃さん。
「あまり 体をブラさずに、腕を上げ過ぎないで」
「あう//」
桐乃さんの胸が直に当たる。
胸だけではなく桐乃さんの体全体が密着し、桐乃さんのナイスバディがまじかで伝わる。
「あ、あとねー」
と、ここで桐乃さんがフォームを教えていたはずなのに少し姿勢を低くする。
「あんまり走っている最中とかに"これは"大きくしない方がいいよ、結構致命的だから」
「......」
とうとう気づかれた...と言うより、今の言い方だとかなり前から気づいていたのか...
今の桐乃さんの言葉は俺だけではなく、完全にクラス中を気まずくさせた。
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