全員の浴衣姿

リビングに入ると、そこには浴衣姿の三人がいた。


「......」


「ど、どうかな...?」


「な、何よ...」


「言いたいことがあるならはっきり言え」


俺は目をとがらせ、三人の浴衣姿を観察する。


まず風珠葉。

風珠葉が着ているのはいろんな色の花が描かれている凄くカラフルな浴衣。

幼女体系なだけあって、全体的に小さい。

うん、やっぱり幼女体系ほど、シンプルではなくカラフルな色が似あう。

これでロリコンからいっぱいお金を貢がせることができるな。


てかこれをあの颯那がわざわざ店で買ったと思うとイメージが崩れるな。


さて、お次は歩歌。

歩歌は全体が白で、ピンク、紫の花が均等よく描かれている。

帯も紫色で、大きさは多分今俺が着ている浴衣よりも大きい。

髪が金髪であまりこういった着物は似合わないとも思ったが、これが颯那のセンスの力なのか、まったく違和感がない。

むしろ金髪だからこそこの誰でも一瞬は振り向くような見栄えができていると思う。


そして最後は凛華。

これもまた凛華らしいと言えばそうだが、他の二人と違い一切模様が描かれていない。

浴衣全体の色は黒で、帯は白。

なんともまぁ剣道クール系女子にはよく似合っている浴衣だ。

...というかこれ色や大きさからして男性用じゃね?


「清人、お前が私たちの浴衣姿をよく眺めているのは結構だが...お前の浴衣は...」


ちょっと、変に言い淀まないでもらえます!?


「なんか、兄さんっぽいわねw」


それで煽っているつもりか歩歌?

今更この奴隷のような服を着させられて俺が恥ずかしがるとでも?

奴隷という部分には俺も賛同する。

だからこれから僕は皆さんの性奴隷になります!

ではまず"下の部分"からお舐めになりましょうか//


「ね、ねぇ、本当にわたしたちこの姿でお祭りに行かなきゃならないの?」


どうやら風珠葉はまだ浴衣を着てお祭りに行くことに反対らしい。


「アンタはまだいいでしょ。あたしなんて受験生よ?受験生がこんな浴衣を着て夏祭りに参加するとか...もし学校の奴らに見られたら勉強ナめてると思われるわ」


...そんなこと言ったらこんなボロボロな浴衣を着ている今年大学受験を控えている僕は何なんですかね?


「凛華姉さんとかもし同級生に見られたりしたらどうなるんだろうね?学校では剣道で成績を残して勉強もできる文武両道ができているやつとか思われているかもしれないけど、浴衣を着て夏祭りに参加なんてしたら一気に学校でのキャラ崩れちゃうんじゃない?」


いや、そこはギャップ萌えというやつでおそらくもっと凛華の人気が高まるだろう。


「...颯那ねぇとかいいよね。ここら辺に同級生はいないだろうからさ」


「ホントよ。あの性悪女!自分は同級生に見られる確率が低いからってこんな浴衣なんて用意しやがって」


「声が大きいぞ歩歌。もし姉様に聞かれたら処罰を受けるのは自分だけじゃないということをよく考えろ」


"お仕置き"じゃなくて"処罰"なんだ。


「で?そのこんな浴衣を用意した当の本人は何してるわ?」


「なんか、颯那のは結構豪華なものらしいから着替えるのに時間がかかるんだってさ」


「へぇ~、やっぱりお嬢様は違うわね」


颯那の着物姿...

全く想像できない。

そもそも"お嬢様"に浴衣は似合うのか?

いつもの制服の方が絶対見栄えがいい気がする。


「ごめんなさい、少し待たせたかしら?」


と、あれこれ考えていると、廊下から颯那が姿を現した。


「「「「.......」」」」


「あら、どうしたの?そんなに固まっちゃって」


おそらく今の颯那の姿を見て全員が絶句しているだろう。


なんせ颯那が着ていたのは、真っ赤なドレスだったのだから。


「ね、姉様...それは?」


「?見ての通りドレスよ?」


「全員浴衣着るんじゃないの...?」


「あら、わたくしがいつ自分も浴衣に着替えるなんて言ったのかしら?」


た、たしかに颯那は俺たちに似合う浴衣があると言っただけで、颯那自身が浴衣を着るなんて一言も言っていない...


「それにしても...ふふ、風珠葉と歩歌の浴衣はとっても可愛らしいわね」


「や、やめてよ...」


「こっちだって恥ずかしいんだから...」


「それに比べて凛華。あなたのは二人のに比べるとみすぼらしくてあなた自身の雰囲気をよく表現できているわね」


「......」


「そして兄様は...ペットに服が与えられるだけで感謝してほしいですわ」


はい、ありがとうございますご主人様!

わざわざ服を与えてくださったご主人様に感謝の気持ちを込めて下の部分を


「さて、もう準備できたわね」


颯那着ているドレスは肩が完全に露出していて、もうすぐ胸もはだけるところまで来ている。

もう完全に西洋のお嬢様やん。

そのドレス姿で俺の首輪のリードを引っ張るというシチュエーション...これは最高のオカズになるな。


「では、夏祭りの会場に向かうとしましょうか」


颯那の言葉を合図に、玄関に向かう。


「...ん?」


玄関には見慣れない赤いヒールが置かれていた。


「こ、これは...!?」


俺の予想通り、颯那がそのヒールを履く。


...そのヒールで改めて俺に電気アンマーしてくれませんか...//

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