お嬢様のストレス発散方法
「なぜ、首輪が外されているのだろうと」
なるほど、颯那からすればそこが一番憤慨するところか。
でも、確かにペットの首輪が勝手に外されているのは飼い主からしてみれば憤慨して当然だよな。
なら、その怒りも俺にぶつけちゃってください!
「...一応聞きますけれど、兄様が自分から外した、ということはないですわね」
...これはどう答えるのが正しいだろうか?
当然首輪を外したのは俺の意志じゃなくて、桐乃さんが似合っていないという理由で外し、足で何度も踏みつけ破壊した。
だが、もしありのまま事実を伝えたら、颯那は絶対桐乃さんに対して過度な嫌がらせ、もしくは報復措置をとるだろう。
そして当然そんなことをすれば桐乃さんも黙っているわけもなく、本格的に濡髪家に攻撃を仕掛けてくる可能性は高い。
...もしそうなったら、本当に死者が出そうだ。
これらを踏まえたうえで、どう答えるべきか。
いや、待てよ?そもそも俺人間じゃなくて家畜なんだから、人間の言葉で話すのなんて不可能だよな。
「どうなのですか」
「わん」
そうだ。
俺は犬なんだから返事もすべて"わん"じゃないと。
「あら、兄様、人間の言葉を忘れてしまったのですか。ここは人間の言葉で話してほしかったのだけれども」
「わん」
これでいい。
ここからは何を聞かれても"わん"で押し切ろう。
「...どうやら本当に忘れてしまったみたいですわね」
おや?これはまた何かお仕置きするパターンですかな?
「なら仕方ありませんわ。兄様には痛みで人間の言葉を思い出してもらいます」
お?また踏みつけるのかな?
それとも手足を縛って鞭?ロウソク?
まぁ、どれがきても俺の養分になることは間違いないな。
「では、わたくし愛用のハサミで兄様の不純物」
「すみません、僕が外しました」
あらやだ、ちょっとした冗談じゃないですか颯那様。
それを真に受けてハサミを使って俺のムスコを下半身から引き離すなんて言わんでくださいよ。
「兄様が自分でやったのですか?」
「はい、ちょっと首が苦しくて」
「苦しくて、ですか」
いや、あの首輪冗談抜きで苦しいからね!?
「兄様、実はあの首輪は特殊な作りになっていまして」
特殊な作り?
「通常の首輪はベルトで止めるのが基本ですが、あの首輪はネジで止まっているのですわ」
あぶな!?
そのネジが首にでも刺さったらどうすんねん。
「で、そのネジも特殊でしてね。通常のネジよりもかなり小さく、見つけること自体が困難ですが、それでいてかなり頑丈ですから、ドライバーで取るのも、無理やり引きちぎるのもほぼ不可能ですわ」
あれ?でも桐乃さん強引に引きちぎっていた気が...
「はたして、兄様のどこにそんなネジを外す技術と力があるというのです?」
「......」
もうなんも言えません。
「ですが、兄様には不可能でも、あの雌ゴリラなら可能かもしれませんわ」
この一瞬で桐乃さんが雌豚から雌ゴリラに昇進しました。
「さて、兄様、もう一度お聞きしますわ。首輪を外したのは、あの雌ゴリラ兼売春婦ですわね?」
雌ゴリラ兼売春婦ってすごい呼び名やな。
「...はい」
...ここまで来たら下手な言い訳は逆効果だ。
「あ、桐乃さんは別に悪気があったわけじゃなく」
「分かっています。わたくしが取り付けたと確信したから無理にでも外したのでしょ」
あ、そこまで分かってるんや。
ならもう何も言えないやん。
「でも、兄様の為を想って行動したのもまた事実」
お、珍しく颯那が桐乃さんのことを称賛している。
「兄様とあの売春雌ゴリラはよっぽど仲が良いのですね」
全く称賛してなかった。
あとさっきは雌ゴリラ兼売春婦っていう呼び名だったのにちょっとめんどくさくなってるやん。
「わたくし、少し妬いてしまいましたわ」
怖い怖い。
なんで今更そんなにかわい子ぶるんだ?
「兄様が自分を犠牲にして庇おうとするほど仲のよろしいあの売春雌ゴリラが心底うらやましくて嫉妬心が湧いてきましたわ」
ま、まぁそう言われると悪い気はしないな...//
「兄様、このわたくしのやきもちをどう処理してくださいますの?」
「え?」
「あ、いいこと思い付きましたわ」
颯那がようやく俺の頭から足を放す。
...てか俺めっちゃ鼻血出してるやん!
何だろう、すっごくこの不吉な予感にゾクゾクしてくる。
「兄様わたくしの足の前に不純物を出してくださいまし」
「!?!?!?」
これは...そういうことか?
確定演出なのか!?!?
「えーっと、何を」
「何も心配することはありませんわ。すこーし兄様の不純物でストレス発散したいと思いましてね」
確定演出きましたぁぁぁぁぁぁ!!!!!!
俺はすぐにズボンとパンツを降ろし、颯那の前にアメリカンドッグ状態なムスコを露わにする。
もうこのパンツの外から出した寒さだけで発射してしまいそうだ...//
「あらあら、これは何とも...」
颯那が憐れむような視線を俺のムスコに向ける。
「それじゃあ、行きますわ」
我慢...我慢しろ!!!
俺は今にも破裂しそうなムスコに一瞬の我慢を強制する。
「よっ!!!!!」
この夜、濡髪家には喘ぎ声にも聞こえる男の悲鳴が響いたのであった。
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