次女の提案

「そこまでするということは、お前がこの家が嫌いか...いや、そんなことあるはずがないな」


うん、もちろん!

こんなヒモ生活が保障されていて、俺に極度の快感を与えてくれる家、他にないもん!


「となると考えられるのは、お前が一人暮らしをしたがっているということだ」


確か前にも桐乃さんに一人暮らし興味ない?とか聞かれたな。


でも、はっきり言ってそんなこと全く思ってないぞ。


できるだけ長く俺はこのヒモドM向け生活を満喫したいんだ!


「いやー、別に一人暮らしがしたいっていうわけじゃないが...」


「別に私の前だからと言って、そう遠慮する必要はない。本心では、さっさと一人暮らししたいと思っているはずだ」


なんでこんなに凛華は俺が一人暮らししたいと思っている方向に持っていきたいんだ?

俺を追い出したい...?

いや、凛華に限ってそれはないな。


「おい、もしお前が大学進学を機に家を出て行くとなったら、私と一緒に暮らさないか?」


......はい?


「高校までの距離を心配してくれているのならその必要はない。たとえ何キロだろうと私が物理的に通うのが困難になるなどあるはずもないからな」


あ、別にそこは全く心配してないです。


「家事などについてもお前は一切干渉しなくていい。今まで通り、身の回りのお世話は私がしておいてやる」


おーそれはありがたい。

でも凛華さん、性処理に関しては僕にお任せください。


ってそういう話じゃなくて!


「まぁ、今決めることではない。そのような選択肢もあるということだけ覚えておいてくれ。ほら、さっさと姉様のところに行くがいい」


俺が否定の意を唱えようとしたが、先手を取られた。


俺が否定しなかったことでまるで大いに俺がそのことを検討しているみたいに受け止めてないよな...?

ま、まぁさすがに凛華は頭もいいからそんな勘違いはしないだろう。


気を取り直し、階段を上がる。


それにしても凛華と二人だけの生活か。


あ、俺は全くそんな選択肢候補にいれていないけど、どういう生活になるのか想像ぐらいはさせてくれ。


凛華と二人だけ...

そこには風珠葉も、歩歌も、颯那もいない。


...多分あれだ。

完全に師匠と弟子みたいな生活になりそうだ。


これは完全にただの憶測だが、凛華は俺と二人だけになったということで、今以上に飴と鞭のギャップが激しくなると予想できる。


飴モードのときはとことん甘く、大学の送り迎えとかもしてきそうだ。

そして反対に鞭モードのときはとことん厳しく、俺の根性を叩き直すとかいう名目で、剣道の稽古とかしてきそうだ。


そうなったらもう完全に師弟関係だ。


あれだ。

これもよくあるヤンデレシチュボ展開だが、弟子が師匠に故郷に帰るって言ったら、師匠が弟子のことを何らかの方法で動けなくし、道場の中に監禁するっていうやつ。


...そう考えると別に凛華との同棲も全然ありだな...//


って、俺には彼女がいるやろ!?


やばい。

最近妹たちのことを考えていると桐乃さんの存在を忘れるということが多々ある。

もう俺の心は寝取られる一歩手前ってことか?


だとしたらこれからはできるだけ桐乃さんと一緒にいる時間を長く確保した方がいいな。


このままホントに逆NTRが成功したら、桐乃さんが本当に何をしでかすか分からない。


今も十分からないと言えば分からないが、もうこれ以上桐乃さんの妹たちへのいら立ちが高まったら桐乃さんが濡髪家に全面戦争を仕掛けてくる可能性だってある。


そうなるともう待っているのはBADENDしかないため、それは避けたい。


と、いろいろと未来の想像をしていたら、颯那の部屋の前に着いた。


確か、自分より目上の人に用がある時はノック四回が基本だったよな。

もちろん俺は駄犬で、飼い主である颯那目上の人であるため四階ノックする。


「入りなさい」


中から颯那のお嬢様声が聞こえてくる。


ゆっくりとドアの部を回し、部屋の中に入った。


「あら兄様、お帰りなさいませ」


颯那はいつも通りの上品さを感じさせる笑みをしている。


「さて、兄様。早速ですけれど」


はい、なんでしょうかご主人様!


「土下座、してください」

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