桐乃さんの寝室

とは言っても、俺自身カルピスが漏れているのをこの目で確認したわけではない。


確認したわけではないが...完全に俺のペニスからそのような感触が伝わってきたし、塩素の匂いもした。


おそらく匂いには桐乃さんも気づいていたと思う。


いやだって仕方なくね!?

あの状態で達しない方がおかしいだろ!

あんなドM心をくすぐられる体系を見て、しかもその体系を直接手で触ったりなんてしたら達成するに決まっているだろ。


ああ、そんなド正論を心の中で言っていたら、またあの姿と感触を思い出してきてどんどん俺の下半身が気球化していく。


ただ、必死に想像を止めようと思っても、俺の頭の中には映像が流れ続ける。


やっぱり一番印象に残ったのはあの腰。


さっきからずっと頭に浮かんでくるシチュエーションとしては、あの桐乃さんの腰に"棒"を備え付ける。

そしてその棒を後ろから俺の...


「清人君~、お待たせ」


と、桐乃さんが寝室に入ってきたことで、映像は途切れた。

もう少し桐乃さんが入ってくるのが遅かったら発射するところだったな。


「...清人君がわたし用の服を着ていると、なんかこう~光るものがあるよね」


桐乃さんが結構意味深なことを言っている。


要するに俺には女装が似合うってこと?


確かに、今の俺の身長じゃ現在の桐乃さんのパジャマはサイズが合わなすぎるため、中学生のときのパジャマを借りている。

まぁ、それでも少しぶかぶかなんだけどね。


ピンク色で、イチゴとクマさんとハートがパジャマ全体に描かれている。


もう俺完全に幼女じゃん。

あいにく、俺はロリコン気質ではないため、今の自分の姿を鏡で見ても大して何も思わない。

ちなみに、悪い気はしない。


だが、どうやら桐乃さんは違うようだ。


決して自惚れているわけではないが、あの顔は完全に今の俺の姿に心が持っていかれていると言っていいだろう。


「桐乃さんのその入浴着もすごく似合っているよ」


桐乃さんは今パジャマではなく茶色い入浴着を着ている。


この入浴着が胸がギリギリ見えるかもしれないというところまで肌を露出させているもんだから、こうしているうちにも放っておいたらどんどん俺の下半身が膨らんでしまう。


「どうする清人君?もう寝る?」


「寝ますか」


寝室に来ているのだから、することはペニスエクササイズか睡眠しかない。


にしてもこの寝室も外の景色がよく見えて、とても雰囲気のある作りになっているな。


横に長いベッドに、大きなランプ。


ベッドと書斎を区切る壁。


大きな窓の向こうに十分なスペースのベランダ。

その奥には、夜の街の景色。


「清人君、隣失礼するね」


俺のすぐ隣に桐乃さんが寝転ぶ。


「清人君、どう?ここの景色?」


「条棟市がこんなに綺麗に目に映ったの、初めてかもしれない」


三階でここまで景色が見られるのは凄い。


ベランダが間にあるのに、ベランダの存在を忘れるぐらい街の景色がよく見える。


「桐乃さんはいつもここで一人で寝てるの?」


「うん、お母さんとお父さんはいつも違うところで寝ているよ」


このベッドとこの景色が見られる寝室は明らかに一人用じゃなくて家族全員用に思えるが...


でも、ひょっとしたら両親の寝室はもっとすごいのかもしれない。


「......」


ただただ無言で今の状態を楽しむ。

この美しい夜景と、後ろから桐乃さんの胸と腰が当たっているいわばサンドイッチ状態を。


さすがに風呂の時ほどではないが、入浴着も胸と腰の感触が直に感じる。


...やばい、今盛大に自分のムスコを操縦したい。


でも、桐乃さんがいる手前、ここで体を動かすのは無理だ。


思い出せ、思い出すんだ!


あの赤沙汰に超お前向けだよ、って言われて呼んだあのおっさん同士の吐き気を催すことだけが目的のBL同人誌を。


ておい、なんか口にあの颯那の足の感触が蘇ってきたぞ。


鎮まれ、鎮まれ我がムスコよ!

お前が解き放たれるべき器はここにはない!


あー今度は指の感触がしてきた。


やっぱりあのドSお嬢様は遠隔でも俺を苦しめることができるのか!?


わかった、お仕置きは帰ってからたくさん受けるから、だからどうか今だけはご勘弁を!


と、こんな感じで俺はしばらくの間悪夢にうなされることを余儀なくされると思ったのだが


「え?」


唐突に、その悪夢が終わりを告げた。


なぜなら、ベランダの手すりを掴んでいる手が見えたのだから。


このオカルトかもしれない現象を前にして、俺のムスコは撃沈した。

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