初めて見る彼女の家の中
中に入って分かったのは、やはり外見だけじゃなくて中身もけた違いだということ。
まず玄関の大きさが我が家とはけた違いだ。
玄関用のテーブルも置かれており、もはや玄関というよりロビーだな。
そして玄関のやけに長い廊下を抜けたらリビングに出る。
まぁこのリビングも映画で見る大物の隠れ家そのものと言った感じだ。
中央に高級ソファーが四台あり、それぞれが向き合っている。
そのソファーのすぐ隣には壁に埋め込まれているテレビ。
このテレビもまぁそこらの電気屋さんでは手に入らない代物だ。
そしてなんといってもリビングから出れる庭。
いや、ここって意外と都会に位置しているのになんでこんなホームパーティーができるほどの広さの庭を確保できたんだ?
「清人君はソファーに座ってゆっくりしといて、何か飲み物でも出すから」
そう言って、桐乃さんは隣の部屋に移った。
まさかあの部屋一面がキッチンということか?
キチンだけなら部屋の半分だけで充分だろ。
「はい、コーヒー」
桐乃さんが持ってきたのは、何ともいいにおいのするコーヒー。
そういえば俺はコーヒー飲むのは初めてだったな。
どれどれ、俺も性的な意味以外での大人の階段も一段上ろうとしますか
「にがっ!?」
慌ててカップをテーブルに置く。
なんだこれは?苦すぎる!
女子の耳垢より苦い! (もちろん食べた経験はありません)
「ご、ごめん清人君。清人君にはまだコーヒーは苦すぎたかな?」
さらっと子供扱いしてくる桐乃さん。
そっちがその気ならいいぜ。
俺も赤ちゃんプレイは大好きだから。
「き、桐乃さんはいつもコーヒー飲んでいるの?」
「いつもってわけじゃないけど...気分によっては飲むかな」
いや、こんなクソ苦い液体飲むんだったら、自分の汗をコップにためて飲んだ方がいいっすよ。
桐乃さんの汗とかめっちゃ健康によさそうですし。
「何か見たいものでもある?」
そりゃあるさ。
最近は颯那の部屋で寝ているせいで、めっちゃ溜まっちゃってるし。
「いや、今はないかな」
でもそれを桐乃さんに相談するにはさすがにまだ勇気が足りない。
それに、たとえ見たいと言ってもこの家にAVなんかないだろう。
...ちょっとまて、今俺はなんでないと決めつけているんだ?
もしかしたらあるかもしれないだろう!
あったらあったで、また桐乃さんの違う一面を見れて、俺の夜の営みもはかどる。
「それでさ...今日はいきなりわたしの家に来てどうしたのかな」
桐乃さんが不安げに訊いてくる。
「じ、実はちょっと妹たちと喧嘩しちゃってさ。すぐに帰るのも気まずくなるだけだし、少しの間桐乃さんの家で時間を潰そうと思ったけど...だめかな?」
喧嘩したのは俺ではないが。
「う、うんうん!全然だめじゃないよ!そ、そうなんだ。清人君、妹ちゃんたちと喧嘩しちゃったんだね」
少し嬉しそうに呟く桐乃さん。
でも、確かに俺と妹が喧嘩したなら桐乃さんにはメリットしかないのかもしれない。
「あ。そ、それと...」
「ん?」
だが、嬉しそうにしていたのも束の間で、すぐに目を伏せ、何か言いづらそうにしている。
「き、昨日は...ご、ごめんね!」
俺の腕をがっしり掴みながら謝ってくる。
ちょ、普通に痛いです...
「わたしついカッとなっちゃって、清人君のこと、思いっきり机に叩きつけちゃって」
一応俺を机に叩きつけた瞬間の記憶は残っているらしい。
「わたしのせいで...おでこから血を流したのに...わたしは、結局昨日のうちに謝れなかった」
これは完全に俺の推測だが、桐乃さんはおそらく昨日直接謝罪しようと俺の家まで来た。
インターホンも押しただろう。
ただ、運悪く出たのが、感情を抑えきれない状態だった凛華か、超不機嫌モードの歩歌のどちらかだったのだろう。
そして罵声を浴びせられて (もしかしたら暴行も加えられたかもしれない)
無理やり追い返されたというところか。
「ほ、本当にごめん!治療費でもなんでも払うし、なんだったらわたしにも同じことしていい!!」
いやダメだ!
DVされるというのは俺だけの特権だ!
「ま、まぁ桐乃さんは、一回落ち着いて」
普通に腕を強く握りしめられて、そろそろ腕の骨が折れるところだった。
「え?あ、ご、ごめん」
桐乃さんも俺の顔が苦痛に歪んでいることに気づいたのだろう、慌てて手を放す。
今は服で見えないが、多分くっきりと腕に桐乃さんの手の跡が残っている気がする。
...また俺の体が一段とマーキングされちまったよ...//
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