お嬢様の駄犬

「...うお...あれ?ヤンデレボイスが聞こえないぞ?」


今日も颯那の部屋で目を覚ます。

昨日と違うのは、俺がベッドの上で起床したという点だ。


「颯那は...と、今日ももう起きているのか...」


クソ、せっかくドS お嬢様の寝顔が見られると思ったのに。

でもそうか、お嬢様がそんな隙を与えるわけないか。


「さーって、まだ昨日の颯那の指の感触が口に広がっているし、一発シコ...ん?」


ペニスラジオ体操をするために自室に行こうと、体を起こした瞬間、近くで鈴の音が鳴り響いた。


「いや、音は近くと言うより俺の体から...」


自分の体を見てみると


「ん?...こ、これは!?」


まさかの...俺の首にところどころ銀色の棘が生えている黒色の首輪が巻かれていた。

しかも鈴付きの。


すぐさま体を起こし、鏡で自分の姿を見る。


「わぉ」


なんとも...なんとも、まさしく俺の夢見た姿をしているんだ...


黒い首輪をつけられた犬。


まさしく今の俺の姿がそれだ。


「こ、これは、服も脱がないとな...//」


今はパジャマを着ているため、犬と呼ばれるのには不完全だ。


あ、べ、別にこれは俺が自分から犬になりたくて行動に移しているわけじゃないぞ...!!


ほら、もう首輪までつけられたということは、お嬢様は俺が完全に犬になることを望んでいるし、"犬に服は必要ないでしょ"って完全にお嬢様が言いそうな言葉だしな。


俺はすぐさま上半身裸になる。


「これは...下も脱ぐべき..か?」


おや、本来ならば、何当たり前なことを、と鼻で笑うところなのだが、今の俺の下半身にはそうとう大きなテントができている。


犬にこんなモノついているなんてありえないだろ?

もし、この状態をお嬢様に見られたら


"あら、これはなんですの?犬にこんなモノついているわけないでしょう?切り落としてしてさしあげます"と言われるのがオチだ。


さすがに俺も自分のムスコと離されるなんてことには耐えられない。


...いや、今考えるとそれも別にありじゃね?

だってお嬢様自らの手で去勢なさるということだろ?


それはそれでまた俺の未知なる扉が


「あら、兄様。起きていらっしゃったの?」


と、ズボンに手をかけたタイミングで颯那が入ってきた。


「さ、颯那...これは」


「いいんですのよ兄様、言い訳などしなくて。兄様は自分からわたくしの犬になりたかった。そうでありましょう?」


図星過ぎて何も言えない。


「その首輪、とっても似合っているでしょう?わたくしが兄様に似合う首輪を厳密に選考させてもらいましたわ」


はい!めちゃくちゃ似合っています!

黒色とか、駄犬の自分にはぴったりです。

それにこの銀色の棘もなんだかSM感があって素敵です!


「でも、その首輪は兄様がわたしの愛しい駄犬であるという証拠のほかに、もう一つ重大な役割がありますわ」


なに!?

俺が颯那の従順な駄犬であるというしるしのほかにもう一つ重要な役割だと!?


「一晩明けたとはいえ、兄様はまだ病人ですわ。その包帯にもまだ少し血が滲んでいるでしょう?」


それは変えていないのだから当然昨日の分の血はまだ滲んでいるだろう。


けど、もう痛みなんてしないぞ。


「わたくし、そんな病人である兄様をお外に出すなんて不安で仕方ありませんわ」


おっと...

これはまさか...?


「ですから、しばらくの間兄様には家から出さない方針に決まり、その首輪は兄様が逃げ出さないような役割があるのですわ」


監禁展開きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――!!!!!!!


来ました!!!お嬢様+監禁!!!!


「その鈴は少し動くだけでも広く響き渡り、兄様が今どこにいるか判別できます。そしてその黒い首輪は、もし仮に兄様が外に逃げ出したとしても、恥ずかしい思いをさせるために付けたのですが...どうやら、兄様にとっては逆効果なようですわね」


YES!

これだけで僕を止めることはできません!

リードもつけてもらわないと。


「では兄様、とりあえず一階に降りましょうか。安心してくださいまし、病人に床で食べさせるなんてことしないですわ」


つまり、俺が病人じゃなかったら、犬のように床で食事を食べ、決して手を使ってはいけなくなるのか...


うん、それはそれで大歓迎!


颯那の足元で口だけで食事し、あわよくば俺のペニスを颯那の足で踏んでいただけると...

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