キス責め
「まぁ歩歌が本心から孤独を好んでいるのなら俺からは何も言えないな」
「兄さんは違うって言うの?」
こいつ...
俺が友達作りたくても作れないってわかってるな。
「俺はできれば友達を作りたいと思っているさ。だから...」
ここで立ち上がる。
「...何よ」
「俺はこれからも友達を作れるように努力もするし、"彼女"である桐乃さんとも仲良くしていきたい」
そう言った瞬間、けたたましい台パン音が店内に響、一斉に視線がこちらに集中する。
「さっきその女の話はするなって言わなかったっけ?」
「それは凛華のことじゃないのか?」
「あたしとしてはどっちも同類よ」
...どうしよう。
本当はこのまま挑発して、歩歌から逃げ、家まで追いかけてくるよう仕向ける予定だったのに、なんだか取り返しのつかないことになりそうな予感がする。
でも、ここで怯んだらわざわざ仮病を使ってまで夕食を中断した意味がない。
「じゃあ俺はとっとと帰って桐乃さんとのデートの日程でも決めようかな~」
「ねぇ兄さん。やめろと言ったのが聞こえなかったの?」
歩歌も立ち上がり、どんどん俺に詰め寄ってくる。
もうここまできたら完全に不良とカツアゲされる陰キャみたな絵図らになっているな。
「どうしたんだよ凛華、まだ食事の途中じゃないか。いつも食べ残ししているのか?」
「兄さんの割にはずいぶん口が回るじゃない」
歩歌が正面からガン見してくる。
もう目がバッキバキですやん。
さて、ここからどうするかだな。
今から俺は全速力で家まで走り、そのまま歩歌を誘導しようとしている。
だが、食い逃げをするわけにもいかないため、ウェイトレスさんに金を渡してから全国のドM少年たちが夢にも待った鬼ごっこが始まる。
確か全部合わせて二千円を超えてなかったはず。
「兄さん、さっきからどうして後ろに下がっているの?」
歩歌が不振に思い始めている間に、後ろのポケットから二千円札を抜き取る。
「店員さん」
「はい、お会計でしょうかお客様」
「兄さん、もしかしてわび量としてあたしの分も払ってくれるの?」
なわけあるか。
「おつりは、いらないです」
その言葉を合図に、二千円札をウェイトレスさんに強引に渡し、全速力で駆け出す。
「は?おい!ちょっと待て!」
「お客様!まだお会計が済んでいません!」
歩歌の怒号と、追いかけようとする歩歌を慌てて止めようとするウェイトレスの声が聞こえてきたが、気にせず全速力で駆け出す。
「よし!」
このペースだったらさすがに歩歌に追いつかれない。
このまま家まで走り終えれば、一応兄としての役割は果たせたことになる。
歩歌、すまないが俺のか
「捕まえた」
うん、普通に捕まりました。
「ちょ、ちょっと歩歌さん。腕が痛いっす」
「アンタが逃げたりするからでしょ?」
なんで追い付かれた?
駅から離れた住宅地に入った瞬間、音もなく歩歌に追いつかれ、腕を掴まれた。
いや、それにしてはタイミングが良すぎる。
まさか歩歌はずっと俺の後ろにくっついていて、ちょうど一通りの少ない住宅地に入ったから腕を掴んだってことか?
...だとしたらホラーすぎるだろ。
「ちょっとこっち来なさい」
「痛い痛い痛い!」
いたがる俺を無視して、腕を掴んだまま、電柱の影に引きずり込まれる。
なんかこのシュチュエーションエロいな...//
「詫び料払うんで見逃してください」
「別にカツアゲなんかしないわよ」
え、こういうのって大体、ある日女子高生にぶつかってその女子高生が腕折れたとか言って治療費を請求してくるけど、そんな金ないって言ったらトイレに連れ込まれて体で払わせられるみたいな流れじゃないの?
「今日の兄さんとの食事で学んだことが一つあるわ」
そう言って壁ドンしてくる歩歌。
思わずときめいちゃう...//
「わ、分かったこと...?」
「それは、アンタにはマーキングが必要ってこと」
「何言って...んんんん!!!!!」
疑問を口にするまでに、歩歌が俺の顔を掴み、唇を重ねてきた。
「んぐっ...あぁ...ふぁ...んっ」
「んーれろ、じゅる...ぐちゅぶ..じゅるるるる!」
な、何してんのこの娘!
確かに女の子に無理やりキスされるのとか夢だったりするけど、まさかこんな形で実の妹とするとは。
それはそれでありだな//
てか顔を掴む手の力が凄い!
もうびくとも顔を動かせない!
「じゅる!っじゅるるるるる!」
舌まで入れられ、俺の舌をきつく吸ってくる。
歩歌のいやらしくぬるっとした唾液が大量に俺の喉に流される。
気持ち悪さなんて微塵も感じない。
今の俺の中にあるのは、歩歌の唾液で俺の口の中が犯されているというこの状態によって生じている快感だけだ。
ごめんなさい桐乃さん。
僕、このまま堕ちちゃいそうです...
逆NTR完了しそうです。
多分、明日ごろに逆NTRビデオとかが家に届くかもしれません。
「ぷはっ」
歩歌が口を話すと、俺との間に透明な橋ができた。
「これで口の中はマーキング完了ね」
「....//」
今の俺は頭が真っ白になっているため、歩歌の声が耳に入ってこない。
「本当はこのまま耳の中もあたしの唾液でマーキングしちゃいたいんだけど...ま、それはまた今度ね。今の兄さんじゃ、せいぜい口が限界でしょう」
歩歌が何かを話している最中、全身の力が抜け、地面に座り込む。
そこからどう家に帰ってきたのか記憶がないが、ただ一つ覚えているのは、座り込んだ俺を見下ろす歩歌が邪悪に微笑んでいたことだ。
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