第15話
校外学習二日目は、特に何事もなく進んでいた。アストラルベアの相手は万全を期して最終日に回し、オスカーたち三人にその他の課題の魔物を相手させる。
数をこなしてきたからか、それも三人のコンビネーションもそれなりに成長して、全く危なげもない。
念の為六人で固まって動いたが、昨日のようなトラブルもなく、恐らく裏に潜んでいるだろう敵が仕掛けてくることもなかった。
夜の見張り番も昨日と同じ二人三組で交代しつつ行ったが、少なくとも俺とペアのベルクはそれで疲労が見えることもなさそうだ。一方のオスカーとドロシーは、やはりそれなりに疲れていそうだったけど。
そんなわけで三日目。
今日が最終日で、明日には学園に帰ることになる。つまり、今日中に決着をつけなければならないわけだが。
「目的がいまいち見えねえな」
もう数十分で完全に日は沈むという時間。リリとルナーリアの三人で、山の中腹へ向かう最中。ポツリと呟いた俺に、両隣から大きな瞳が見つめてくる。
「あー、たしかに。アストラルベアを使役して、結局それだけっぽいもんね」
「初日にインソレンスたちが襲われたのは、彼らがあそこまで侵入してしまったから。その後は向こうから仕掛けてくることも無かったものね」
索敵魔法を常に全開で発動していたが、それらしき反応は捉えられなかった。
もちろん、俺一人でこの山全てをカバーできるわけじゃない。俺の索敵魔法は半径10キロが限界で、当然この山はそれよりも広いから。
つまり二人の言う通り、敵は強力な魔物を従えて、それでもこちらに手出ししてこない。
ルナーリアを直接襲った学園に潜んでいた刺客どもと違って、あるいはそこから学んだのか、決して動く気配が感じられなかったのだ。
「どちらにせよ、学園内に内通者がいるのはたしかでしょう。校外学習の行き先はまだしも、たまたま私たちの課題相手を使役していたなんて、そんなわけないもの」
「まあな。そこはもう疑いようがねえよ」
そもそも学園の結界をすり抜けられてる時点で、って話でもある。では誰が内通者なのか、そこは今考えるべきじゃない。
「敵の大目標はルナーリア。なら小目標、つまり今回の校外学習でやらかそうとしてる目的ってやつが、いまいち見えない。もちろんルナーリアに接触してどうこうしようって魂胆なのかもしれないけど、それにしたってやりようはいくらでもあるのにね」
敵にとっては幸いなことに、今現在このテオール山には、人質になるような未熟者が多くいる。S級三人を相手にするのに正面から挑む必要もなく、そこを利用しないのはいささか以上の違和感を覚えてしまう。
「あるいは、実験の一環という可能性もあるわ」
「ていうと?」
「エルフ女王国は、純粋な魔法技術で言えば世界屈指よ。上層部がエルフで占められているからというのもあるけれど、日夜多くの魔法実験が行われているわ。それくらいなら聞いたこともあるでしょう?」
魔法を利用した科学技術という点で言えば、我らが帝国一強だ。しかしルナーリアが言うところの純粋な魔法技術、要するに魔法そのものの扱いに関しては、やはり生まれ持った加護と種族特性によりエルフ女王国が先を行く。
そしてエルフという種族は、総じて探究心に溢れた種族だ。
自らの魔法技術をより高みへと。
新たな魔法を、あるいは既存の魔法をより強力に。そのための実験や研究が盛んに行われ、それが国の産業にも直結している。
義務教育の存在している帝国では、それこそ子供でも知っている事実。
では子供たちは知る由もない、その裏側はどうなっているのか。
まあ、ありがちってやつだ。
「悲人道的な実験、国際条約違反スレスレの、あるいは抵触してるようなもんまでやってるってわけか」
「簡単に想像できるね。情報部にもその手の報告は上がってたっけ」
「私がまだ国にいた頃の話よ。魔物関連の研究のひとつとして、魔物の力を自分達に取り込めないかと提唱したバカがいたわ。当然ながら、周りからは一笑にふされていたけれど」
不意に放たれたルナーリアの言葉に、俺もリリも絶句してしまった。
おいおい、そいつは洒落にならなくないか?
この世界の魔物とは、神々の敵たる悪魔どもの手先と言われている。その魔物の力を、神の恩寵を受けた人族の身に取り込むってのは、マジのバカか狂人くらいのもんだろう。
けれど先も述べた通り、エルフという種族は探究心に溢れた種族だ。
「別に庇うわけではないけれど、エルフ女王国は国も女王も、ソールレウスを強く信奉している国よ。間違っても、裏で国が主導してってことはあり得ない。けれど、国ではなく個人の暴走で、その研究が続けられていたら?」
「そうなると、話の大前提から変わってくるじゃねえかよ」
俺を始めとした帝国軍は、エルフ女王国が再び戦争を始めようと、そのためにルナーリアに接触し、口実を作ろうとしているのかと思っていた。
けれど相手は国じゃなく個人、あるいは全く別の組織なら?
あまつさえそいつが、悪魔信奉者であるなら?
これは帝国とエルフ女王国の話だけに収まらない。神が実在し、さらにその加護を強く受けている現在の人類全体の問題と言える。
「ま、戦ったら分かるんじゃない? ほら、そろそろ着くよ」
木々が開け、岩肌の露出した山の中腹に出る。一昨日、エリックたちを助けたのと同じ場所だ。とりあえずでこの場に来たが、どうも正解らしい。
「まあ当然、しっかり待ち伏せしてやがるよな」
その場には既に、一昨日相手にしたアストラルベアが陣取っていた。それだけではない。黒装束に身を纏ったやつが五人。
「エルフ女王国のやつら、ってわけでもない可能性が出てきたんだったな」
「どちらにせよやることは変わらないわ」
対峙して、ルナーリアが宙空に氷の武具を展開する。事ここにおいて様子見する必要もない。初手から全力での制圧あるのみ。
俺も銃と短剣を抜いて、それとほぼ同時に、黒装束の五人が懐からなにかを取り出した。
あれは、注射器か?
「……っ! ルナーリア! 撃ち落として!」
なにか、よくない未来を見たのか。
真っ先に臨戦態勢を整えていたルナーリアへ、リリの怒号にも似た声が。
逡巡することもなく、氷の武具が敵へ殺到する。S級六位の、ルナプレーナから強く加護受けた氷魔法の斉射は、たとえ災害級の魔物だろうが普通であればタダで済まない。
「来るよ二人とも!」
それでも、リリの警戒は未だマックスのまま。
余波により土煙が舞い上がり、その中からアストラルベアが駆けてくる。
思わずギョッと目を向いてしまったのは、一匹だけじゃなかったからだ。
「どういうことだよこれは⁉︎」
六匹のアストラルベア。そこにいたはずの黒装束五人は姿を消していた。ルナーリアの攻撃に跡形もなく、というわけじゃない。
嫌でも理解できてしまう。先ほどのルナーリアの話が過ぎる。
魔物の力をその身に取り込む。
それどころの話じゃない。力を取り込むどころか、魔物そのものになってんじゃねえか!
「
「
「
聳え立つ氷の壁が六匹のアストラルベアを受け止め、壁越しに極限まで強化されたリリの拳が突き刺さる。
バラバラに吹っ飛んでいった熊どもの一匹へ瞬時に肉薄し、ゼロ距離で弾丸を叩き込んだ。俺の固有魔法を込めた九ミリ弾は、その何倍もの威力を秘めている。対物ライフルと比べても劣らないほどに。
やはり展開される三重の防壁は、今となっては正確に理解できる。外から使役してる敵が展開しているのではない。こいつら自身が展開してるのだ。
その防壁を容易く突き破り、肉を引き裂いてアストラルベアの腹に風穴が空いた。
ただの災害級であれば、これで死んでくれるはずなのだけど。
「再生してるわよ!」
「見たら分かる!」
しかも再生速度が早い。
左右から襲ってきた鋭い爪を跳躍して躱し、一度大きく後退。入れ替わるように放たれる氷の武具は、三匹のアストラルベアが放つ火球に迎撃される。
「リリ!」
「おまかせあれ!」
空間が、ひび割れる。
頭上、六匹の敵それぞれへ向けられた銃口が如く、次元の穴が開く。
「
次元跳躍と魔力放出の合わせ技。射程を完全に無視した、極大の魔力砲撃。
リリウム・アルカンシェルの膨大な魔力が降り注ぎ、魔物どもから悲鳴が上がる。
再生能力とその速度が問題なら、一撃で消し飛ばせばいいだけだ。
事実それだけの威力があって、それでもなお、術者本人のリリは険しい顔のまま。
「んー、自信なくしちゃうなぁ」
「この程度で自信なくすようなタマじゃねえだろ、お前」
「とはいえ、さすがにこれは予想外ね」
地面にクレーターを作るほどの威力を以ってしても、ただ一匹、仕留め損なっていた。着弾地点から離れた位置に立つそいつは、おそらく一昨日俺たちが戦った個体か。あの一瞬で、転移魔法を発動しリリの砲撃から逃れやがった。
「どう見る?」
「天災級、それも再生能力のことを考えると最上位ってところかな」
「神災級には及ばないわね。もしそうだったら、この三人でももっと苦戦してるわ」
神が齎した災害。そう形容される神災級には、S級が三人がかりでも相当骨が折れる。
しかしこいつはどうだ。たしかに再生能力は厄介だし、本来のアストラルベアよりも多彩な魔法を扱い、おまけに魔力もかなりのもん。
けれど結局それだけだ。理不尽な暴力の塊でもなければ、目を覆いたくなるような特殊能力もなく、図体も通常のアストラルベアと変わりない。
ならばさっさと片をつけようと、そう思った瞬間だ。
やつの足元に魔法陣が現れ、その巨体を透過するように上昇していく。その端から肉体は変異していき、やがて完全に人の形を取った。
黒装束に身を包んだ、金髪の男。
頬は痩せこけて顔色も不健康そうだ。肌は浅黒い褐色をしていて、なにより目を引くのは、今も俺の隣に立つ銀髪エルフと同じ耳。
「やはりアストラルベアの因子では、S級二人には敵わないか。どれだけ能力を引き上げても、天災級止まり。しかし神災級の因子を使えば逆に能力は下がってしまう。さて、どの様に改良したものか……」
ブツブツと不気味に呟く男は、不意に顔を上げて気持ちの悪い笑顔を見せてくる。
ニチャァ、って音が聞こえてくるようだ。
「これはこれは、挨拶が遅れてしまい申し訳ありません。お久しぶりですね、ルナーリア第三王女」
「生憎だけど、あんたみたいな気持ち悪いやつと知り合いになった覚えはないわ。それともなに? 新手のナンパの手口だったりするの? だったらお家に帰って鏡を見返して来なさい。そのまま二度と私の前に現れないで」
うわぁ……言いたい放題だなおい。敵ながら哀れだわ。
リリと二人でドン引きしていたのだが、エルフの男は鋭い舌鋒を前にしても不気味な笑みを崩さない。こいつもこいつで上級者なのか?
「クククッ、いやはや本当にお変わりになられた。国にいた頃のような純真さはどこへ行ったのでしょう」
「お前、エルフ女王国の差金か?」
どうやら、俺から問われる様なことを想定していなかったのか。というよりも、俺のことなど眼中になかったのだろう。男は一瞬目を丸くして、眉根を寄せた。
「身の程知らずで場違いな男め……王女と皇女が共に飼っている犬、と言ったところですか?」
「あ?」
言うに事欠いてなんだとこいつ?
「ぷぷっ、犬だってガルム。言い得て妙だね」
「いらないわよこんなペット」
「お前らはどっちの味方だよ!」
なんで俺が心にダメージを負わなきゃならないんだよ! ちょっとはフォローくらいしてくれませんかねぇ!
「それで結局、本当に知らねえのかよ。話の流れ的に、さっき言ってたやつじゃねえのか?」
かつてエルフ女王国で、魔物の力を体に取り込む研究が行われた。
さっきの今ではあるけど、その研究者である可能性は高そうだ。でも、目の前のエルフは魔物の力を取り込むどころか、魔物そのものになっていた。その上、本来のアストラルベアよりも、このエルフ自身から感じられる魔力よりも、余程強い力を発揮して。
ルナーリアが知っている当時より研究が進んだのかと考えられるが、しかし隣の銀髪エルフさんは首を横に振る。
「それはないわね。その研究者、もう死んでるもの」
「なんだ、禁忌に触れたとかで処刑でもされたか?」
「いえ、帝国との戦争中に私が殺したわ」
「それは──」
帝国との戦争中に、ルナーリアが殺した相手。
思い浮かぶのは、忌み嫌われた銀髪のエルフに対して、それでも親身に接していたと言う第二王女と侍女。
僅かながら垣間見える彼女の過去。
その美しいかんばせからは一切の感情が消えて、まるで能面の様だ。
「嫌なことを思い出したわ。あいつ、殺しても構わないわよね?」
「出来れば生け捕りにしたいんだけど。情報部の方で吐けるだけ吐かせたいし」
「じゃあ私が殺す前にどうにかしなさい」
「あっ、おい!」
宙空に出現した氷の武具が弾丸の様に射出され、同時にルナーリアは駆ける。
エルフの男は不気味な笑顔のまま、S級六位の猛攻をギリギリではあるが凌ぐ。
「どうするのさガルム、あのままだとルナーリア、本当にあの男を殺しちゃうよ」
「まあ、あいつを生け捕りにしたいってのはあくまでも
「たしかにそうだけどね。貴重な情報源に変わりはないでしょ」
「だな。けど問題は、生け捕りなんてそんな生易しいこと言ってる暇があるのかどうかって話だ」
相手は俺のことを知らないみたいだが、それでもS級を二人相手にしているのだ。一人でもまず絶望的な状況なのに、奴は未だあの気色の悪い笑顔を崩さない。余裕がある。
つまり、あるのだろう。この状況をひっくり返せる自信が。その手段が。
「最善は三人がかりの速攻。そこに変わりはないが……」
せっかくだ、奴の手札は全て見ておきたい。規模はどうあれ相手がひとつの組織である以上、少しでも情報が欲しいところだ。こいつを倒せばそれで終わり、というわけでもないのだから。
囮にしてるみたいでルナーリアには申し訳ないけど、これで倒し切れるなら結局それまでの相手に過ぎないというだけ。
いや、実際リリの言う通りで、殺されたら困るっちゃ困るんだが。
そうしてしばらく様子見している時だった。
「──っ!」
「ルナーリア⁉︎」
一瞬、何が起きたのか分からなかった。
いや、そのシーンはしっかりこの目で見ていたのだ。だから起きた出来事だけは把握していたけど。それが齎した結果を、理解できなかった。
エルフの男が懐から注射器を二つ、取り出した。それを纏めて首筋に突き刺したかと思えば、男から膨大な魔力が熱と衝撃となって周囲に撒き散らされ、ルナーリアが吹っ飛ばされた。
そう、その瞬間は見えていたのに。
理解が遅れた。判断が遅れた。反応が遅れた。
それがどれだけ、致命的であるのか。俺は嫌と言うほど知ってるのに。
「ガルム! 次来るよ!」
「ちッ!」
俺たちに向けて放たれた魔力の槍は、あの男の魔力量じゃとても不可能な威力が秘められている。それを躱して視線をやった先では、男の体が見る見る内に膨張、あっという間に三メートルを越す巨体へと変貌した。
不自然に膨れ上がった筋肉に、仄暗い光を宿す瞳。長い手足と凶悪に伸びた爪は、それだけで恐ろしい凶器だ。
既存のどの魔物の姿でもない。さっきのアストラルベアのような、魔物そのものの姿に変化するわけではなく、もはやあの姿は怪人と言った方が正しいだろう。
「作戦変更生け捕りは諦めるぞ! リリ、ルナーリアを診てやれ!」
『く、クククッ、馴染ム、実に馴染むゾ! まダ試作段階だったトは言エ、やはリ私の、私タちの研究ハ間違っていなカった!』
ギリギリで理性を保ってやがるのか、こいつ! それはそれで厄介だなオイ!
『
「はっ! ワンちゃん舐めんじゃねえぞ化け物!」
地を蹴ったのは同時。互いの間で短剣と爪がぶつかるが、それですら俺の予想を遥かに超えていた。
あまりに速い。当然のように、固有魔法を発動している俺の速度に追いつき、むしろ追い越そうとしている。
おまけに攻撃は重いときた。なるほどこいつは、このエルフが自信を持つのも頷ける。
「
『遅い遅イ!』
魔法の発動より速く、早く、やつの爪が俺の頬を掠める。
マズイな、俺の魔法の弱点を見抜かれてやがる。
俺の固有魔法は、大きく分けて二つの使い方があるが、基本的にその二つを同時に発動出来るわけじゃない。
考えてみれば当然で、やってることは時間の圧縮か並行展開。言ってしまえば真逆の二つだ。
その仕組みまではまだ辿り着いていないだろうが、これまでの短い戦闘の間に気づかれているだろう。
『そノ程度ですか、イヌ! 番犬も務めラレないトは! あなタの固有魔法、一撃の強化カ手数を稼イだ上デの必中か。どチらか片方シか発動でキない半端ナ魔法のヨうですネぇ!』
「よく回る口だなぁオイ。そんな余裕がテメェにあるかよ?」
勝ち誇る怪人の周囲に、複数の次元の穴が開く。放たれるのは正真正銘、全力全開。リリの魔力砲撃。
怪人の醜悪な肉を削ぎ、消し飛ばす勢いのそれは、しかしやはりと言うべきか、大したダメージを与えられない。
正確に言えば、与えた側からすぐに再生しやがる。当然のように持っている神災級並みの再生能力だが、予想の範囲内だ。
こちとら、その神災級の相手が仕事なもんで。となれば俺だって、その再生能力をどうにかする手段くらい持っている。
「ルナーリアは?」
「思ったより余裕っぽいよ」
背後から冷えた魔力が届く。どうやら相当お冠のようで。
「まだ援護はいる?」
「聞かなくてもわかんだろ、必要ねえよ」
視線を上に上げれば、日は完全に沈み青黒い空が広がっている。月は煌々と輝き、星の光が瞬いていた。帝都にいれば中々お目にかかれない、見事な星空が広がり始める。
『貴様、なンだ、その姿ハ……?』
「勉強不足だな、化け物。誰がいつ、この場にいるS級が二人だけなんて言った?」
『まさカ……!』
茶色の髪が蒼銀に染まり、頭頂部に二つの三角。同じ色の尾が腰から伸びる。
「手を出すなよルナーリア。せっかくだからお前に見せてやるよ、神域魔法の使い方ってやつをな。来い、
俺の眼前に、夜空から一本の剣が降ってくる。地に突き刺さったそれを手に取れば、三メートルを越す怪人はその巨体を震わせ、一歩後退りした。
「改めて、自己紹介してやろうか? S級ソロ三位、帝国軍第416特別攻撃部隊シルバーファング隊長、ガルム・フェンリル少佐だ」
『《時喰み》ッ! ナぜこンな場所に!』
「仕事だよクソが」
あとその二つ名、恥ずかしいからあんまり呼ぶなよ。俺の前世は世界一奥ゆかしい日本人だからな。照れ臭くてうっかりぶっ殺しちゃうだろうが。
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