第4話

 帝国にも日本と同じで、四季が存在する。

 暦の数え方も同じなのだから、前世が日本人の俺やリリにとってはありがたい限りなのだが、やはり不思議に思うのも事実だ。


 さて、言うまでもなく現在は春。

 とはいえ、帝都は若干緯度が高いので、日本のそれに比べると幾分か冷える。当然桜の花なんて咲いてるわけもなく、その代わりに魔法学園内の花壇は色とりどりの花たちで彩られていた。


 大体150年振りくらいの入学式というやつは、大陸一の魔法学園というわりには、ぬるっと始まったのだった。


 古今東西、異世界だろうがなんだろうが、こういう式典というのはお偉いさんの長ったらしくありがたいお話が続くもんだが、新入生の誰一人としてあくびの一つも漏らしていない。


 みんな揃って、この先の学園生活に希望を馳せ、やる気に満ち溢れているのだろうけど。

 強いて別の理由を挙げるとするなら、この後に控えている新入生代表挨拶だろう。


「では続きまして、新入生を代表して、リリウム・アルカンシェル第一皇女殿下よりご挨拶があります」


 言っている側から。

 並べられた椅子に座っている新入生たちの中から、スッと漆黒の髪が立ち上がる。


 音もなく壇上へ上がったリリは、およそ部隊やプライベートでは見せない、気品に溢れた笑みを浮かべている。


「この春のよき日にセレスティア魔法学園に入学できたことを、心より嬉しく思います。わたくしはリリウム・アルカンシェル、みなさまご存知の通り、この帝国の第一皇女であり、その他にも様々な肩書きや称号をいただいていますわ。それら全てがわたくしの誇りでありますが、一度この学園に入学すれば、意味をなさないものでもありますわ」


 お上品な言葉遣いは、誰だお前と言いたくもなるようなもの。皇女様モードのリリは、本当に立派な皇女様なのだ。

 部隊内での時間の方が圧倒的に多い俺は、いまだに違和感を拭いきれない。


 しかし殆どの帝国民にとっては、こちらのリリの方が見慣れた姿に話し方だ。俺以外の誰も違和感を持つことなく、むしろ壇上で優雅に微笑むリリに憧れの視線を向けるものが大多数。


「アルカンシェル帝国と同じく、セレスティア魔法学園は完全実力主義。力が全てなのです。そこに称号や肩書きは関係ありませんわ。では、力とはなんなのか。魔力の強さ? 魔法の巧さ? あるいは、戦いの強さ? それはわたくしにも、まだ見つからない答えです。きっと、人それぞれで違った答えがあることでしょう。この三年間に及ぶ学園生活で、その答えが見つかることを願っております」


 実に堂々とした挨拶を終えて、リリは壇上から降りる。迎え入れるのは万雷の拍手。

 新入生だけではなく、出席している教師を始めとした職員や、一部の上級生。国のお偉いさんまで、全員がリリウム・アルカンシェルの虜になっていた。

 ただひとりを除いて。


 もちろん俺じゃない。そもそも俺は最初から勘定に入っていないし。


 自らの席に戻ったリリは、腰を下ろしてもなお周囲の視線を欲しいままにしているけど。そんな中、ひとつだけ。種類の違う視線が混じっている。


 敵対心とは違う。好奇心、と言うべきか。あるいは見定めるようなものでもあるかもしれない。

 リリ自身も気づいたのだろう。ニコリと微笑みを向けられた銀髪のエルフは、すぐにぷいとそっぽを向いてしまった。


 どうやらリリだけでなく、あちらさんにも皇女様に対して思うところがあるらしい。



 ◆



 入学式が終われば、各クラスに分かれて教室へ向かう。

 当たり前のように俺はリリと同じクラスで、もちろん要注意人物であるルナーリアも。

 この辺は裏で手を回してもらった。学園長は俺のことを把握してくれているから、裏工作が楽で助かる。


「この度A組の担任になった、アシュトン・グロウマンだ。担当教科は戦術基礎。5年前までは軍にいたんだが、膝に矢を受けちまってな。今は予備役、階級は軍曹だ。ま、これから一年間はお前らの教師に専念する。よろしく頼む」


 とか思ってたら、担任教師が普通に知り合いだった。

 アシュトン・グロウマン軍曹。うちの部隊にいたわけじゃないが、何度か共同作戦を張ったことのある部隊にいた。


 あまりにもしかめ面をしてしまっていたからか、グロウマン軍曹、いや先生が俺の方を見てニヤリと笑う。どうやら彼も、事情を知らされているらしい。


「それじゃあ、窓際の席から順に自己紹介してもらおうか。名前と、まあ他は適当に一言で」


 窓際の一番前は、我らが皇女殿下がおわす席だ。その後ろにはルナーリア、俺と続いている。

 俺が後ろにいることから分かる通り、別に成績順だとか名前順だとかではない。学校側が適当に決めた席である。


「リリウム・アルカンシェルですわ。入学式でご挨拶させて頂いた通り、皇女や軍の大尉として以前に、ご学友として仲良くしていただけたらと思っております」


 ニコリと綺麗な天使の笑み。そうしていると可憐な美少女なんだが。


 クラスメイトから盛大な拍手を受けて着席したリリの後は、恐らくこの場の全員がリリの次には気になっているだろう生徒。


「ルナーリアよ。強くなるために師匠に言われて入学したから、必要以上に誰かと馴れ合うつもりはないわ」


 せっかく皇女殿下が温めた場を、一瞬でも凍てつかせやがった。


 冷たい声音で言い放ったルナーリアは、席に着くとそれきり興味はないとばかりに窓の外へ視線をやる。

 さり気なく教室を見渡せば、やはり事前に聞いていた通り、女子生徒の何名からかは敵意にも似たものが向けられている。


 しかし、師匠か。その情報は聞いていなかったが、エルフの、それもプライドの高そうな彼女が師匠と呼ぶとは。はてさて一体どこの誰なのか。


 と、考え事をしている場合ではない。次は俺の番だ。


「ガルム・フェルディナントだ。実家は平民、得意な魔法は身体強化。卒業後は軍に入ろうと思ってる。だから来年も戦術科を希望してる。よろしくな」


 当たり障りのないことを笑顔で。冗談の一つでも挟もうかとは思ったが、俺は自分のユーモアセンスを過信していないので。今以上に空気が凍るとマズいし。


 それが良かったのかは分からないけれど、その後の自己紹介は普通に進んでくれた。

 以下、特に注意しておくべきやつらを抜粋。


「ベルク・モンターニュだ! 趣味は筋トレ! 剣術には自信がある! 将来は父と同じく騎士団に入り、騎士団長になること! よろしく!」


「ど、ドロシー・エクレールです……その、これと言って得意な魔法は、ありません……趣味は読書です……」


「俺はオスカー・ニュアージュ。実家は公爵家だけど、家督争いとかとは無縁の三男坊だから、あんまり畏まらないで接してくれると助かる。あ、得意な魔法は風魔法ね」


 まず、一人目の筋肉ダルマ、ベルク・モンターニュ。いや、そんな言い方をするとちょっとあれか。うん。学生にしちゃかなり鍛えてる方だと思うよ。

 彼の家は平民の出だが、さっき本人が言ったように父親が騎士団の団長になったため、騎士爵の位を持っている。

 騎士団は軍と違い、主に皇族の護衛や帝都を始めとした各都市の守備が仕事。華やかな印象もあるため、毎年軍よりも志願者が多い。

 彼のことは今後、心の中でマッスル山田と呼ぼう。直訳したら山田になるので。


 次に二人目、おどおどしていて小動物のような、茶色いボブカットの少女、ドロシー・エクレール。

 エクレール公爵家は優秀な魔法師を多く輩出しており、ドロシーはそこの長女だ。今の公爵様は宮廷魔法師筆頭で、かなりの親バカだと聞いた覚えがある。

 にも関わらず、この自信のなさ。得意な魔法は特にないというのも、事前の情報と真逆だし。なぜこんなに自己肯定感が低いのか。性格と言われればそこまでだが。


 最後に三人目。もはや俺とキャラが被り気味なオスカー・ニュアージュ。

 本人が言った通り、実家は公爵家だがその三男坊であるため、家督争いとは無縁。だからかは知らないが、中等学校ではプレイボーイとして有名だったらしい。俺みたいなキャラ作りとは違う、本物のチャラ男だ。

 しかしどうにも勘が鋭いという情報もあり、なにかしらの固有魔法を持っている可能性はある。俺の正体がバレないように注意して接しないといけない。


 とまあ、俺がこのクラスで注視しておかなければならない人物は、ルナーリアも含めたこの四人。あとは一応リリも。

 他のクラスメイトや他クラスにもいるっちゃいるが、侯爵以下の貴族とか大商会の息子とかだ。


 帝国には三つの公爵家があり、そのうちこの学園の運営もしているセレスティア家は新入生にいない。

 エクレール家とニュアージュ家、おまけに皇女殿下と隣国の元王女様。

 特別身分の高い生徒が、このA組に集められたことになる。


「さて、自己紹介も一通り済んだな。今日はこれで解散だ。夜には講堂で先輩たちによる歓迎パーティがあるから、それまで寮に戻るなり、部活勧誘も始まってるからそっちを見るなり、自由に過ごしててくれ。教室も開けとくから、残って親交を深めるのもオススメだ」


 ともかくパーティには遅れないように、と言い残して、グロウマンは一人教室を出て行った。

 この後の予定を決めていたのだろう生徒たちも、グロウマンに続き教室を出る。その中にはルナーリアの姿もあったのだが、席を立った彼女に声をかける勇者がひとり。


「初めまして、ルナーリアさん。少しいいかな?」


 道を遮る形で立つのは、オスカー・ニュアージュ。プレイボーイの噂通り、早速エルフのお姫様に粉をかけようというらしい。

 細身だが高身長のオスカーに対して、見上げる形のルナーリア。ともすれば睨んでるようにも見える彼女の表情には、面倒だというのがこれでもかと出ている。


「なに?」

「エルフと学友になるのは初めてでね。良ければ仲良くして欲しいと思ったまでさ」


 軽薄さの感じられない、爽やかな笑み。俺が真似しても下手なナンパ野郎にしか見えないが、さすがは生粋のお貴族様と言ったところか。

 だが、ルナーリアの対応は相変わらずの絶対零度。


「この学園の男には、エルフにナンパする決まりでもあるのかしら」


 チラとこちらを見られたので、肩をすくめておく。どうやら、先日のことは覚えてくれているらしい。


「言ったでしょう。私は強くなりにきたのであって、あなたたちとお友達ごっこするためにここにいるわけじゃない。私には必要以上に近づかないで」


 教室内の温度が、若干下がった気がした。

 それは比喩ではない。ルナーリアから溢れる魔力が冷気という形を持ち、実際に気温を下げている。


 そう聞くとなんか強者の風格が出ているっぽいが、その逆だ。

 彼女が自分の魔力、あるいは固有魔法を制御できていない証拠。


 オスカーがその冷気で怯んだ隙に、ルナーリアはスルリとすり抜けて教室から出ていく。

 一連のやり取りを見ていたクラスメイトたちの反応は、まあ分かりやすかった。


 事前に寮での彼女を知っている女子たちは、口にこそ出していないが険しい表情をしている。これでクラスメイト同士仲が良くなれば、陰口も横行することだろう。

 一方の男子はバカが一定数いるのか、あれはあれでいいよな、的な顔をしてる奴がチラホラと。これだから男子って。気持ちは分かるけどさ。


 そして話しかけた当の本人はと言うと。

 なぜか俺を見て、なおも爽やかな笑顔で一言。


「振られちゃったみたいだ」

「奇遇だな、俺もこの間彼女に声かけたけど、似たような感じで振られたわ」

「なんだ君もか! いやぁ仲間がいて助かった!」

「いやな仲間だ……っと、敬語の方がよろしかったですかね、ニュアージュ公爵子息様?」

「やめてくれよ、オスカーでいい。貴族らしくないって言われるけど、そういう堅苦しいのは苦手なんだ」

「そうか? だったら俺もガルムでいいぜ、よろしく」

「ああ、よろしく」


 爽やかイケメンスマイルで握手を求められたので、同じく笑顔で応える。

 うーん、同じ笑顔のはずなんだけど、なんとなく負けた気になるな。


 ちなみに、ニュアージュ公爵家は代々帝国の宰相を勤めている家だ。かなり低くはあるも皇位継承権も持っているが、皇帝への忠誠心が高すぎてもはや崇拝の域に達している、ということでも有名。


「いっそ清々しいまでの玉砕だったな!」


 元気に笑いながらやって来たのは、マッスル山田ことベルク・モンターニュだ。近寄られるだけで圧がすごい。筋肉の圧が。


「なんだよベルク、いつもみたいに苦言は呈さないのか?」

「騎士の情けだオスカー。あそこまで綺麗な玉砕だと、同じ男としてなにも言えん!」

「二人は知り合いなのか?」


 なんて、本当は知ってるけど聞いてみる。


「ああ、同じ中等学校出身なんだ。親同士も仲がいいしね」

「あらオスカー、親同士がと言うことであれば、わたくしたちもそうではありませんか。ねえ、ドロシー?」

「ひぇっ! ははは、はい! そうです!」


 男同士の会話に割って入って来たのは、リリウム・アルカンシェル皇女殿下だった。しかも離れた位置にいたドロシー・エクレールも巻き込んで。


「これはこれは、お久しぶりですリリウム殿下。真っ先にご挨拶せず、とんだ失礼を」

「ふふっ、相変わらずですのね、オスカー。ベルクも、変わらないようでなによりですわ」

「リリウム殿下こそ、ご活躍の程は聞いております」


 宰相に騎士団長、筆頭宮廷魔法師の子供達と歳の同じ第一皇女。

 旧知の仲であるのは、ある意味当然だ。もちろん俺も、その辺の交友関係は事前に把握済みだし、リリからも話を聞いたことがある。


「ドロシーも、そんなところにおらずこちらにいらっしゃいな」

「ひゃいっ!」


 なにをそんなに怯えているのか、手招きされるがままにこちらへ歩み寄ってくるドロシー。

 自然とグループのようなものが出来上がりつつあるのだけど。


「俺、この中にいると浮いてない?」

「そんなことありませんわよ、フェルディナントさん」


 いやいや浮いてるって。皇女殿下に公爵家の子息令嬢に騎士団長の息子だよ? そんな中に表向き平民で通ってる俺は明らかに浮いてるよ? ははーん、リリのやつめわざとだな? あとで覚えてろよこいつ。


「うむ、殿下の言う通りだ。それにガルム、俺には分かるぞ。お前は相当鍛えているだろう! 俺の筋肉がそう言っている!」

「えぇ……まあたしかに鍛えてるけど……なんかちょっと嫌だな……」


 筋肉が言ってるってなに? 怖いよ!


「へえ? ベルクが言うってことは結構すごいってことだな。将来は軍に入りたいって言ってたし、なにかやってるのか?」

「冒険者だよ。こう見えて、一応C級なんだ」

「なんだよ、マジですごいじゃないか!」


 冒険者になれるのは13歳から。一般に、C級に上がれば一人前と呼ばれるが、そこまで上がるのに5年はかかるのが平均だ。

 一応今の俺は15歳ということになるので、2年で一人前扱いされたことになる。

 あんまり低く偽って侮られても面倒だし、これくらいで丁度いいかと思ったのだ。


「やめてくれよ、S級七位の殿下の前だぜ? 俺なんか雑魚も雑魚だって」

「そいつはあれだ、比べる相手を間違えてるってやつだよ。冒険者の頂点S級であり、帝国軍の英雄がいる部隊、シルバーファングの副隊長なんだからな」

「お、おう。そうだな」


 シルバーファングの名前を改めて出されると、やはりなんとも言えない恥ずかしさみたいなのがある。今からでも名前変えられない? ダメ?


「それに、そういう意味じゃこの中だと俺が一番下だ。ベルクは剣術の、ドロシーは魔法の才能があるしな。俺は荒事とかあんま向いてないんだよ」

「わ、わた、わたしもっ、才能なんてありませんよ⁉︎」


 慌てて否定するドロシーだが、三人ともまともに取り合わない。やはり、本人が自称しているだけで、事前の情報通りなのだろう。


 ドロシー・エクレールは、あらゆる汎用魔法に精通している。

 誰でも扱える汎用魔法といえど、個人によって向き不向きは変わってくるものだ。例えば、水の魔法が得意な奴が火の魔法を苦手としていたり。

 あのリリですら、苦手に思う魔法は存在している。本人の才能と努力で側からはそう見えないだけで。


 しかしドロシーの場合、どんな汎用魔法も均等に、平等に、同等に、高水準のレベルで扱えてしまう。


 だが悲しいかな。幼い頃から共に過ごしていたのは、才能の塊であり努力の鬼であるリリウム・アルカンシェル。

 向き不向きがあれど、ドロシー以上のレベルであらゆる汎用魔法を扱えてしまった彼女の前だと、自分に才能がないと思えてしまうのは無理からぬこと。

 特化している魔法がないから。自分は器用貧乏なだけだから。


 そう思い込んでしまい、今みたいに自己肯定感がぶち下がった少女の出来上がり。


「ま、そういうわけだから! 俺は魔法の勉強よりも、可愛い女の子とお近づきになれればそれでいいわけよ」

「まったく、オスカーは……人脈を広げることも大事ですが、学生の本分は勉強。そのことを忘れてはなりませんわよ?」

「もちろんですよ、殿下」


 いくらオスカーの実家が公爵家とはいっても、独り立ちしてしまえばそこまで頼れなくなる。三男坊なんてそんなもんだ。

 だから今のうちに、色んな家とのコネを作っておく。それなりの家の相手とお近づきになって、婚約なんてできてしまえばなおよし。


 オスカー自身はおちゃらけた風に言っているが、割と死活問題でもあるのだ。


「そういえば、シルバーファングで思い出したのだが。救国の英雄と呼ばれる隊長もガルムという名前だったな」


 ぎくりんちょ。

 マッスル山田め、早速痛いところを突いてくるじゃないか。


「ああ、ガルム隊長ですわね」

「なるほど、もしかしてガルム、君あれか。自分と同じ名前の英雄がいるから、軍を目指してるのか?」

「ん、まあ、そんなとこだな」


 名推理! みたいな感じで言うオスカーだが、なんかごめんね。俺がその本人なんだわ。


「やっぱなー、男としちゃ一度は憧れるよな。ウワサじゃかなりダンディなイケおじで、歴戦の老兵士って感じらしいし」

「ぷっ、くくっ、そうですわね……ふふっ」


 おい、おいリリウムお前、笑ってんじゃねえぞこの野郎。

 かぶってる猫が逃げ出してんじゃねえかよ。


「実際その辺りどうなんです、殿下?」

「こほん……彼の素性については軍の機密に抵触いたしますから、わたくしからはなんとも。ご想像にお任せいたしますわ」


 ご想像にお任せしちゃうなよ。また変な噂が広まったらどうしてくれるんだ。

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