第44話 囮…
異星人は、色々と多彩な攻撃手段を用意しているわね。でもあのトンガリ、地球を滅ぼした連中と同じ奴らなのかしら?、なーんか腑に落ちない。
やってる事が中途半端過ぎる。試されてんのかしら?、んー
わからん!
さて、衝撃でほぼバラバラになってしまったスイカ級、私達はその中から地球の船、航宙艦「アコンカグア」の残骸を引き揚げた。
艦橋も武装も欠損し、核融合炉さえ何処かに行ってしまってる。
航宙艦はナガトと同じ、パージ可能なブロック工法で組まれてる。融合炉付近のブロックが、そっくり抜けてしまっていたわ。
ふむ
なぜか?
ライブラリーに、航宙艦の設計図があるからです。メイが内容を確認し、なぜか戦闘機隊ディーコンと協議、そしてテイラーが工程を検討し、リビルド実施に向け申請が出された。
私としても、拒否する話しじゃないからね、承認はしました。
先のトンガリ襲撃で、資材だったスイカ級はほとんどバラバラに吹き飛んでしまったけど、アコンカグアは回収できたので、素体に使おうと言う算段です。
そして私の横で、「アコンカグア」の修復作業が始まった。メンテロボ達は総出でそちらに手をつけてる。
私放置?
いえいえ、彼らが私の修復よりも先に、なぜそんなことを始めたのかと言うと…
1、ナガトの修復にはまだまだ時間が掛かる。
2、トンガリの襲撃は脅威だった。
3、シンデンだけでは打撃力が足りない
4、マテリアルの囮は見事だった
最後に褒められた
そうマテリアルの囮、マテリアルを使って戦闘可能な囮艦を、一隻チャチャッと造ってしまおうと彼らは考えたわけです。
どんどん賢くなって行くAI達、ほんとかわいい奴らめ。
このチャチャッと言うのが、どのくらいかと言うと、おおよそ16時間程度、1日掛からずに「とりあえず戦える艦を造りますぜ」と宣言されました。
マジですか?
船体の歪みを補正し、装甲をマテリアルで補強、ナガトの4番砲塔を取り外し、アコンカグアに移設。
問題は主機動力炉
ここで私とメイで、世にも恐ろしいイノベーションを考案した。
ベースは、光子魚雷のロケットモーター
光速の20%の速度を一瞬で捻り出す謎のブースター。
コレなんと反物質を利用していることがわかったわ。反物質は半減時間が極端に短い、だから一発屋の光子魚雷に使われてる。極超音速ミサイルは普通の固体燃料ロケット。使い分けされてるのは、大気圏内で使うか、使わないか。
反物質の半減時間は10秒、普通0.1秒もないモノだけど、かなり長く維持できる。
そこで、この反物質を燃料にしたロケットを積もうと考えたわけです。
これは人が乗らない艦船だからこそ成り立つ手法、反物質燃やすエンジンなんて、人体にどんな悪影響を及ぼすかわからない、放射線より危険なモノを垂れ流す可能性が高いわ。
実際は反物質を燃やすわけじゃないけどね。
ミサイルの様な船になるんじゃないかと、ちょっと思った。
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