第31話 大海戦…
明らかに私への敵意を剥き出しにしてるクセに、ここまで来ても、まだコチラの動きを伺ってる。
舐められてるのかしら?
余裕があるのかしら?
馬鹿なのかしら?
そんな密集していてはダメじゃね?
そんな奴らの出鼻を挫く。
ゲッコウⅡから放たれた大量の光子魚雷は、光速の20%の速度で爆進していく。
今更思ったんだけど、「光子魚雷」ってあの加速と速度を、どうやって出してるんだろう?、プラントでの組み立てを見てたけど、普通の推進器じゃないのはわかってる、仕組みについてはかなり謎の兵器。
人類が持つには核兵器以上に過ぎた兵器。
その気になれば星を丸っと消せるわよね。
それはさておき、今は有効な大量破壊兵器であるのは間違いないわ。
光子魚雷で狙うは中型艦艇「カボ級」、迫る魚雷に気づいたジャガ級が応戦しようとしたみたいだけど、刻すでに遅し、ジャガ級の砲火をすり抜けた光子魚雷は、カボ級に弾着した。
弾頭は徹甲弾のようになってる。装甲を貫き、内側で炸裂する光子魚雷。カボ級は内部から溶解し膨れ上がって爆散した、衝撃波が漆黒の空間に広がり、周囲のジャガ級群は巻き添えとなる。
言わんこっちゃない、言ってないけど。
光子魚雷の情報はあちら様には伝わってないのかしら?、彼らの中で情報が連携されてるのか?、されてないのか?、異星人の行動はどうもチグハグしてる。あれだけ何度も撃ち込んであげたのに、学習能力がないの?
戦況テーブルに、ヒット、ヒット、ヒットと表示され、次々と起こる閃光と衝撃、彼らのいる宙域全体が揺さぶられ、近傍にいたジャガ級は溶けて蒸発し、離れていても時間差で発生する衝撃波に打ちのめされ、互いに激突し航行不能に陥って行く。
異星人の船、意外と脆い?
洗脳電波の様に垂れ流し続けていた、イカれた電文が止まった。
あちら様の混乱に乗じて、私は一気に殴り込みをかける。随伴の特殊戦機と共に最大戦速で突入し、ケレスを目指す。
光子魚雷、1番から6番まで、発射!
私は光子魚雷に超音速核ミサイルを次々と放ち、戦闘宙域全域を地獄絵図に染め上げて行く。後は…
一点集中突破
体勢を立て直し、前方を塞いで来るジャガ級打撃群を荷電粒子砲で容赦なく焼き散らす。
更に先にカボ級が陣取ってる、光子魚雷の初撃を免れた無傷の中型艦、私から見たら超弩級だけどね。
カボ級から、超高エネルギーの加速反応!、陽電子砲があるんだから、あちら様が持ってないわけがないと思ってた!、樽型のカボ級の前部が開く。
異星人の荷電粒子砲の放射器!
あれは仙術防壁では防げない。射線から離れようと回避行動しようとした。
でも、その開口に向かって、特殊戦4機が陽電子砲を寸分違わず同タイミング、同じポイントに一斉に放つ、発射直前に陽電子4発を砲口に受けたカボ級は、発射口を破壊され火を吹いた、行き場を失ったチャージした高エネルギーが、カボ級の内部で暴走し始めた。このままだと私は爆発に飛び込む形になる、回避は出来ない。
特殊戦機,退避行動!
特殊戦が迷いなく散開する。うん良い子たち。
荷電粒子全砲門、右舷回頭方位0-9-0、進路そのまま、艦首向き2-7-0!
私は砲門を右へ90度旋回させ、最大戦速でお尻を右に振って、船体を左ドリフトさせるという荒技をする、船体がギシギシと軋む!
荷電粒子全砲塔、全力一斉射!
連装砲塔2門5基、照準も適当に火を吹くカボ級に向けて放った。
火力が強すぎて爆散せずに大きく風穴の空いたカボ級、私は艦首を戻し、その中を一気に突っ切った。
……
総数1万隻、あれだけいた大軍団は、あっという間に約九割が轟沈、ないしは行動不能に陥ってる。
こっちはまだ、ストライクが何機か被弾したものの、全機健在、まだ余力あり。
…ただ不気味なのが異星人のスイカ級、これだけの乱戦の中、不動を保ってる。光子魚雷の余波を食らってるはずなのに謎のフィールドを張っていて、被弾が皆無、だけど攻撃行動もしてこない。
ただただそこに、戦況を監視するかのように存在している。
なんなのコイツ?
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