第20話 火星…
火星軌道と木星軌道の間に、アステロイド群体が集まった『メインベルト』と呼ばれる軌道領域がある。
火星に近づいた事で、このメインベルトの内側軌道付近が、私の長空間レーダー範囲に入ったわ。するとその領域で天体運動とは全く異なる移動物体を検知し始めた。解析の結果、観測質量から『L5』で遭遇した異星人の船と同一だと推測できる。
でも今どうこうできる話ではないし、こちらに来る気配もないので、あちら様の動きを警戒しつつ私は次の目的地『火星』へと向かった。
…
私の光学カメラが薄赤い星を捉える。
太陽系4番目の惑星『火星』が見えてきた。お?、極点にオーロラが出てるわ、うーん感動的。
火星は、赤道半径が地球の半分程度の大きさ、自転周期はほぼ一緒、でも公転周期は678日と倍近くある、地球と同じように公転に対して地軸が傾いているので一応夏冬の季節がある。衛星は2つ、いずれも球体では無くて、ジャガイモみたいなのよね、確か「フォボス」と「ディモス」
…でも、ディモスと同じ軌道上45度の位置に、3つ目の小天体があるんですけど?
はは、何あれ?
L5の経験から言うと、アレは異星人の船かしら?、公転軌道がおかしな動きしてるし、
呼びかけてみるか、それとも攻撃するか?……んー邪魔よねぇ。
…対艦ミサイル発射用意。
目標、ディモス軌道上、謎の第三衛星
測的距離360,000、重力影響補正0.22、慣性補正−1.35
弾頭は
射出
艦橋背面、『長門』特有の屈曲煙突があった場所に、現在は左右に85度傾いたミサイル発射セル8基が並んでる、セルからポンっと押し出された2発のミサイル、そのミサイルはイオンパルスとロケットモーターの2段式推進。圧縮ガスを利用して方向補正を行い、諸元に従いイオンパルスで静かに目標近くまで飛翔、そして目標距離10,000で、イオンエンジンを切り離し、2段目のロケットモーターで一気に極超音速まで加速して目標に弾着する。
通称『ニンジャミサイル』
イオンパルスで初期加速したミサイルが、目標へのコリジョンコースに入ったのを見定め、私は着弾を見届けずに、火星への降下軌道へと入る。目的地は火星一深い谷『マリネリス峡谷』
火星の大気は地球の160分の1程度、それもほぼ二酸化炭素、大気摩擦はあまりないので、楽に降下できる。
レーダーに映る謎の第三衛星、そして忍び飛んでいくミサイル、まもなく二次加速。
3、2、1…
私が火星の大気圏に入ると同時に、ミサイルの第2ロケットが点火された。ミサイルは吸い込まれるように、謎の衛星に着弾、地中深くまで突き刺さった。
でも時限信管だから、直ぐには爆発しない。その間に私はマリネリス峡谷への侵入を果たす。
深い谷から覗く上空を仰ぎ見れば、謎の第三衛星が着弾から時間差で爆発した。
ターマヤー。
吹き飛ぶ衛星、やっぱり潜んでた。中から火を吹きながら例の異星人の宇宙船が現れた。制御不能なのか、火星の重力に捕まり、火だるまになって落ちていった…
しかし、なんで小天体にわざわざ偽装してるのかしら?、バレバレだし。
あんな間抜けな奴らに人類は滅ぼされたの?
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