第16話 再び宇宙へ…
改修艤装終了。
作業に掛かった日数はわずか4日。人の作業なら半年以上は掛かったと思う。それだけの作業内容。
凄いわメンテロボ君達。
さて、いつでも出発可能になったわ。
私がここを出るとアルファ基地は全機能が停止し、閉鎖され、そして2度と使えなくなる。そうプログラムされてる。何故そんな措置を取ったのか不明だけど、異星人に利用されたくないのかも。
私としては母港化したかったので、何とかそのプログラムを書き換え出来ないものかとハッキングを試みたけど、強固過ぎる高度な暗号化が施されていて、アクセスパスは一回きり、パスに失敗すると基地のメモリどころか、接続しているこちらのメモリを電磁パルスで焼かれてしまうという、恐ろしげなプログラムが仕込まれてました。ちょー怖いんですけど?……ちなみに解除コード管理者はテイラーさんでした…無理だと悟る。
私は余った資材と、スタンドアローンで動いてくれる基地のメンテロボ君達も一緒に艦内へ迎え入れた。積載量はまだまだ余裕有り。
名残惜しいけど、いつまでもここにはいられない。発進の準備。
こう言う時は、「錨を上げー、出航!」とか号令を掛けるとカッコイイんでしょうけど、1人でやってもねー。うーん、メンテロボ君達を教育してクルーに見立ててもイイかも。落ち着いたら検討しようかしら。
…
基地への電力供給を停止
全ての物理接続を遮断
基地内の照明がバンっと一斉に消え、真っ暗闇になる。
探照灯、点灯
空間ジャイロ、正常
慣性制御、問題なし
主機、出力0.001
ガントリーロック、強制解除。
爆発ボルトが作動して私を支えていた6基のガントリーロックが外れ、フワッと船体が浮き上がる。
おっとっと、バランス制御、バランス制御
主機出力が上がったせいで、機動制御の勝手が変わったわ。ワタシはその場で制御の調整を行う。
…よしよし、概ねわかった。
新しくなった船体は主機軸による反動推進器以外のスラスターは全て使用を停止。そして姿勢制御や3次元機動は艦内の重力偏向カウンターを利用して振り子の原理で船体を動かす仕様に変更されました。まぁ簡単に言うと体重移動で操艦するイメージ?、カヌー的な?
機動力もパワーも段違いに上がったので、「ナガトちゃんバージョン2」ってとこかしら?、…違った「バージョン3」だわ
微速前進
ゆっくりと出港、するとドック内へ四方八方から勢いよく液体が流れ込んできた。なに?水?、…違うわ何か大量の樹脂の様なものだわ、流れ出てきて片っ端から一瞬のうちに固まって行ってる。そんな物で物理的にここを埋めるってわけ?
ヤバイ、ヤバイ、勢いが半端ない。ゆっくりしてる場合じゃないわ。
ワタシは加速して竪穴へ出ると、艦首を上げ一気に加速した。
って、うわっ!?
ちょっとアクセル踏んだだけで、爆発的に加速した。閉まり始めた半開きの扉を舷側ギリギリですり抜ける。まるで追い立てられるみたいに。
もうちょっと余裕持たせなさいよ!、せっかちだなぁ。
そしてワタシは再び宇宙空間へと飛び出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます