第5話
あれから暫く二人は戦っていた訳だが。
「結構やるねルインさん!割とこういうの好きでしょ?」
「フィリーさんこそ、やりますね。こんなに動いたのは久々かもです」
どうやら終わりらしい。二人共少し肩で息をしながら笑顔で握手している。
そんな訓練場はこの二人の余波で地面がボコボコだが。二人共本気は出してなかったが途中からルインも身体強化してフィジカル寄りになっていた。その結果がこの有様である訳で。まぁ魔法で地面は元通りにできるので問題はないし、学園もちゃんと元に戻せるなら問題ないとしてるので大丈夫だろう。
「魔法の扱いは流石に負けるなぁ、でもフィジカルは負けないよ!」
「フィリーさん、途轍もない速さだったのでこちらも応戦するしかなかったです」
女子二人はお互いを誉めあいながら戦いについて色々話している。う~む、バトルジャンキー。まぁ世界は平和になっているとはいえ魔物もいれば物騒な奴等だってきっといるだろうからなぁ、強くなるに越したことは無いか。
「凄かったねルインさん。魔法の扱いが凄く洗練されていて僕なら厳しかったかも」
「何言ってるんだ、お前」
割と本気で言ってるこいつは平然と魔法を斬ってくるので生半可な魔法だと斬られておしまいである。昔戦いを吹っ掛けられたときは手加減してたら斬ってきてビビった。1000年前は確かに同じように魔法切断を出来る者もいたがこの時代はてんで見なかったので少し力を出したら興味を持たれたわけだ。そのせいで彼女に伝わりフィリーの相手もした訳だが。
「いやぁ、あのレベルは難しそうだなってね。僕ももっと精進しないと」
真面目に言ってるだろうこいつは、この時代では上級魔法とか呼ばれている魔法を斬れるのだ、普通の学生じゃそりゃ相手にもならんだろうな。
そんなことを思いながら二人で喋っていると向こうから女子達が戻ってくる。
「ねね、ヨッチーならあれくらいの魔法余裕で捌けるよね!」
「え?まぁあの程度な、ら…」
つい、いつもの感じで言ってしまったのを俺は後悔した。
「そうなんですね、ヨハネさんも一戦どうでしょうか?」
ルインは笑顔で戦いに誘ってくる。額に青筋を浮かべながら。
俺はやってしまったなぁ…、と思いながらこのお姫様はやはりバトルジャンキーらしいと再度思った。
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