第3話
「ここは食堂だよ。費用は学園持ちだから無料なんだけどね、ここの―――」
「ここはね訓練場その1だよ!ここは頑丈でね―――」
現在、俺を含めた四人で学園案内をしていた。
どうにかこいつらを道連れにし、お姫様からもお願いされたこの二人は見ての通りノリノリで俺は必要なかったのではと思いつつ後ろに付いて行っている。
俺はお淑やかに笑っているこのお姫様を横目に思い出にふける―――
―――今から1000年以上前、俺はとある目的の為に仲間を集めていた。
ただあの時の俺としては満足する仲間に会えており、既にその目的の為の準備をしているそんな時の事。
「あっついなぁ…この辺森なのに」
俺の仲間の一人が、精霊達が住まう森の様子が変なのですよ。と相変わらずの汗一つない涼しげな顔で言ってきた。貴方この距離往復して帰ってきたばっかですよね?紳士服で。とは言えなかった。
そんなわけで現在俺は精霊の森に来ていた。森なのだが至る所に戦跡がある。
どうみても炎系の魔法であり森で使っちゃいけないやつである。そしてそれと同じく気になるこの嫌な空気。今回来た理由がこれである。この感じは…なんというか死の嫌な感じだ。
「精霊の森って言ったら幻想的な景色、雰囲気と聞いていたのだが見れなそうにないな…。だから戦争なんて嫌いなんだ」
愚痴りながら一人で調査を進める。仲間が言っていたこの嫌な空気の正体を突き止めるために精霊の森に来たのだ。どんどん空気が重くなっていくが俺は構わずこの大元に近付いていく。
「…誰」
たどり着いた森の奥深くにいたのは深い闇を感じる男の子だ。とはいえ精霊に年齢とかの概念はあまり通用しないので見た目は幼くても割と生きてたりする。
「俺はヨハネだ。君は?」
「…ペイルー」
「そうか、ペイルーっていうのかよろしくな。…で何があったんだ?俺が聞いていた妖精の森とは違うし、それにお前から発せられているこの空気」
「…関係ないだろ」
ペイルーはムスッっとして話しかけないでくださいオーラを出しまくっている。
いや実際この空気も強くなっているのだが。
「…というか君はなんで生きていられるんだい?」
「え?この空気のことか?なんでって言われてもなぁ…」
確かにこの空気は中々に重い。そこまで強くない者、というか耐性がないやつは死ぬレベルだ。しかし死を経験してる上に鍛えてもいる俺からすれば、ちょっと息苦しいなぁ、湿気か?くらいで済んでいる。
「そんなわけで俺にはそれ効かないんだ。だからその物騒なもんしまってくれよ」
「…無理なんだ」
「え?」
「…無理なんだよ。俺はこの力が制御できないんだよ!」
話を聞くにペイルーはこの力が制御できず精霊ではあまり馴染めなかったらしい。
いつもは離れにいたり落ち着いていればそこまで力が溢れなかったらしいが、そこに
ドラゴン達が襲ってきたらしい。精霊の森は滅茶苦茶になりペイルーはどうにかしようと力を使いドラゴンを追い払った。だが精霊たちからも恐れられたペイルーは感謝されることもなく置いて行かれたということだ。ひどい話だ。
「…なら俺たちのところにくるか?」
「は?」
「俺は今とある目的で仲間を集めてたんだ。もう俺としては満足してたんだが気が変わった。俺たちの仲間に、友になってくれよ」
ペイルーは驚愕の目を向けた後睨み始める。
「友?仲間?この惨状、状況を見てか?無理に決まってるだろ!こんな力受け入れられるわけが…」
「なら!なら、制御を覚えればいい。すくなくとも俺は、俺達は気にしない。まず効かないしな。最悪利用するだけでもいいさ、制御できるように俺たちも一緒に手伝うしさ。どうだ?一度だけでもいいから仲間を見て感じて、それからでも遅くないと思うんだが」
俺がそういうとペイルーは何とも言えないような苦虫を潰したような顔をした後、
唸り声をあげながら渋々といった感じの顔をして
「わかったよ。どうせここにいても暇だし、またアイツら来たら今度こそ死んじゃうし…でも仲間になるつもりはないからな?利用価値がありそうだから見るだけだからな?」
古典的ツンデレ味を感じつつ俺はにやりと笑って俺達の拠点へ連れていく。
これが後の俺の仲間であり、
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