百日紅

午後5時。

バイトからの帰り道。


ビビッドカラーの赤い花がふと目にとまる。

百日紅。夏の間はずっと咲いている花。

加賀千代女は次のように詠んでいる。


散れば咲き散れば咲きして百日紅


今の生活、挑戦が多いぶん、失敗も多い。

企業にエントリーするのだって立派な挑戦で、その結果がいつもいいとは限らない。


この失敗に悪い意味で慣れたような気がしている。負け癖とでもいうのだろうか。


「まあ仕方ないか。次に行こう次。」


で済ますことが増えた気がする。

だからといって、いちいちくよくよ落ち込んでいる暇もないし、反省すべき点はしっかりしている。


けど、散ったまま萎れてはいないか。


加賀千代女の句を読んだとき、散ってもまた咲くんだ、咲いてやるんだ。という立ち上がる勇気のようなものを貰えた気がする。


散れば咲き散れば咲きして


このメンタルで、咲いてやるんだという心持ちで、頑張っていこうと思った。


カメラに収めた百日紅は夏のインディゴブルーをバックに赤々と花を咲かせている。

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