第3章44話:壊滅
「うあ、うわああああああああああ!!」
「助けてえええ!!」
兵士たちが地上から引き離され、サイコキネシスのブラックホールへと飛んでいった。
一点へ集められたモノたちは、強力な圧力によって押しつぶされ、丸い形へと変えられていく。
岩石や樹木は砕かれ、ただの
獣や人間は、血をまきちらしながら
圧縮され、押しつぶされ、次第に一つの丸い球体の形になっていく。
……やがて。
ブラックホールが止んだ。
空には1メートル程度の球体が浮かんでいた。
騎士団長以外の全ての兵士が死んだ。
死んだ者たちは、浮遊する球体の一部となっていた。
サイコキネシスによってその球体をゆっくりと降下させ……
俺は、その球体を手のひらのうえに浮遊させる。
人と獣と樹木と岩石と
見た目はマーブル模様のような、カオスな色をしている。
「あ、あぁ……ッ」
騎士団長はへたり込む。
「勝てない……こんな化け物には、勝てない……ッ」
一瞬で味方を全て失ったことで、ようやく
ひどく
すぐに楽にさせてやろう。
「眠れ」
俺はサイコキネシスをふたたび発動した。
騎士団長を身体を圧縮していく。
「あ、あぐああああああ!!?」
悲鳴をあげる騎士団長。
やがて騎士団長は、サイコキネシスにより、人体の限界を超えて圧縮されたことで、死を迎えた。
かくして騎士団員は、一人残らず全て
(今更だが、アイテムバッグぐらいは残しておくべきだったな)
と俺は反省する。
敵を全員、アイテムバッグごと『
回収可能なのは、たったいま殺した騎士団長のアイテムバッグだけだ。
(まあ、騎士団長が一番良いものを持ってるだろうからな。これが残っていただけ良かったと思うべきか)
俺は騎士団長のアイテムバッグをサイコキネシスを使ってはぎとる。
ちなみに彼が身につけていた武器や防具などは、サイコキネシスによる圧縮で潰れてしまっていたので、
「この球体は、
と俺は思ったので、地面に埋めることにした。
サイコキネシスを使って、球体を大地にめりこませる。
やがて土に埋もれて見えなくなっても、さらにサイコキネシスで、下へ下へと埋めていく。
そして
「これだけ深い場所に埋めておけば、掘り起こされることはないだろう」
俺は安心する。
さて、それでは出発を再開するとしよう。
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