第2章27話:無双

俺は魔族たちを倒しまくる。


「ぐあっ!!?」


「ぐえっ!?」


「ごはっ!!?」


「ぐおおおおおおおお!!?」


全て一撃だ。


サイコキネシスを用いた念力格闘術には、誰もあらがえない。


全てを一撃にて粉砕していく。


「ダメだ!」


「こんなやつに勝てるわけねえ!」


と逃げ始める魔族も現れた。


そのときだった。


「おうおう。気持ちよく暴れてくれてんじゃねえかよ、人間」


と、野太い声で言ってくる魔族がいた。


ミノタウロスの魔族だ。


身長3メートル以上。


筋肉のかたまりではないかと思うほど、鍛え抜かれた肉体。


縦にも長いが、横幅よこはばも相当ある。


手には巨大なバトルアックスを持っている。


俺は尋ねた。


「魔族の幹部か?」


「ああ、そうだ」


とミノタウロスの魔族は肯定した。


俺は言った。


「ならばかかってこい。雑魚の相手ばかりで退屈していたところだ」


「ははは、威勢がいいな」


ミノタウロスの魔族は笑ったあと、言った。


「だが、これを食らっても、その威勢を保っていられるかなァ!?」


そして。


ミノタウロスの魔族は、突進してくる。


一歩いっぽみしめるごとに、軽く足元が震動しんどうするほどの重量感じゅうりょうかん


「ウオォォォォォーッ!!」


ミノタウロスの魔族が、そんな咆哮ほうこうをあげながら、バトルアックスを振りかぶった。


まともに食らったらぷたつになるのは必至ひっし


だが、俺は。


もちろんサイコキネシスを使った念力格闘術で対応する。


「フッ!!」


呼気を一つ。


バトルアックスの刃に、俺は拳をぶち当てた。


次の瞬間。


バトルアックスの刃が、粉砕されて砕け散る。


ミノタウロスの魔族が、驚愕した。


「なんだと!!? 俺の斧が、破壊されて――――!?」


俺は、すかさずミノタウロスのふところに飛び込み――――


蹴りを放った。


蹴りが直撃すると同時に、サイコキネシスでミノタウロスの内臓を粉砕する。


「ぐええ」


カエルがつぶれたような声をあげて。


ミノタウロスが倒れた。


即死だ。


「……バトルアックスは壊さず、回収したほうがよかったか」


と俺は反省を口にする。


一方、周囲の魔族は驚愕に打ち震えている。


「なっ、まさか……」


「ガロウス様が……負けるなんて」


「瞬殺だったぞ」


「バトルアックスも、壊されて……」


「ありえねえ。ありえねえ」


「あいつ……ただの人間じゃねえ。バケモンだ」


と口々に言い、ビビっていた。




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