第022話 彼氏なの?
「中間テスト終わったしさ〜どこか遊びに行かない?というか
「今日は空いてるよ。で、どこ行く?」
「ん〜…あ、
「え、いいの?行く行く〜!」
中間テストがようやく終わった。
テスト期間中は堕ち星と戦ったり、熱を出しちゃったりと色々あったけど…まぁそこまで悪い点数じゃないと……思う。
でもまぁ、終わったことは気にしない!
人事を尽くして何とかって言うし。
それより、今からどこに行くかを考えなくちゃ。
同じクラスの子とどこに行くか話していると私の肩に誰かが手を置いた。
「こいつ、ちょっとだけ借りていいか」
その正体はまー君だった。
一緒に話してた友達は「いいよ〜」と私を送り出す。
少しだけみんなと距離を取ってから、まー君は話し出す。
「お前、今日…いや、明日でいい。時間あるか?」
「…今からでもいいよ?」
「遊びに行くんだろ。行って来い。それにそこまで急ぎじゃない」
「そうなの?う〜ん…あ、じゃあその後…え〜っと…18時頃は?」
「お前はいいのか?」
「うん!まー君となら先に家に連絡しとけば、少しぐらい遅くなっても大丈夫!」
と伝えると、まー君は考えているのか返事がない。
遅くなるのは今更だから先に連絡していれば、少しぐらいなら気にしなくていいんだけど…。
と思ってるとまー君が再び口を開いた。
「じゃあ、また来るとき連絡してくれ。集合場所はメッセージで送る。そこに来てくれ」
「う、うん」
「じゃあ、また後でな」
そう言い残してまー君は行ってしまう。
えっと…どこか来てほしいとこがあるのかな?
まー君はよくわかってない私を置いて、麻優ちゃん達と少し会話をして教室を出ていく。
とりあえず…メッセージを待てば良いのかな?
まぁ、それは後で考えればいいよね。
そう思い、私はみんなのところに戻る。
「真聡君と仲直りできたんだね」
「仲直り…じゃないけど仲良くしてるよ!」
「ねぇ、
「えっ?」
私は思わず固まってしまった。
そんなこと一度も考えたことなかった。
みんな目をキラキラさせて私の言葉を待ってる。
麻優ちゃんだけはちょっとやれやれって感じになってる。
私はヘルプの視線を送るけど、首を横に振られた。
「い、いや…そういうのじゃない…よ?」
「じゃあ、どういう関係なの?」
「えっ…えっと……幼稚園からの小学校卒業までの…友達?」
みんなの「え〜」と落胆の声。
でも質問は止まらない。
「ねぇ、好きなの?どうなの?」
「狙ってるの?どうなの?」
「どこがいいの〜?」
私はもう1度固まってしまう。
だからそんな風に考えたことは1度もないんだって!
恋バナは好きだけど自分が問い詰められるのは…苦手かもしれない。
今の私には…逃げ出すことしかできない!
「わ、私の話はいいから早く遊びに行こうよ!」
そう言って私は教室を逃げ出すように飛びだした。
☆☆☆
18時過ぎ。
私はまー君からのメッセージの場所にたどり着いた。
それにしてもなんか凄く疲れた気がする。でも約束したからには守らないとね。
「で…ここ…ビル?」
そう。指定された場所は雑居ビルみたい。なんでここなんだろう。
もう1回、まー君からのメッセージを見る。
「5階」
つまり、このビルの5階に来いってこと?
…行ったらわかるよね。
私は階段を上って5階に向かう。
上ってて気がついたことは1階に扉が1つしかない。
つまりこのビルには1階にフロアが1つしかないってことだよね。
そしてメッセージにある5階の扉には何も書かれていない。
でもここが指定されたんだから…ここ…だよね?
私はドアノブを握って回して、扉を開ける。
「お邪魔しま〜す…?」
中は会社…ではなく居住スペースみたいで、テレビやソファとかが見える。
そして中には誰かがいる。
でもその人の髪の色は赤っぽい。
どう見てもまー君ではない。
扉を開けた音で気が付かれたようで、その人が振り向いて目が合う。
見た目は20代後半…くらい?
ただ、なんと言えばいいかわからないけど、凄い圧を感じた。
うん。ここじゃなかったんだ。帰ろう。
「失礼しました!間違えたみたいです!」
私は逃げるように扉を締めて階段を降りる。
踊り場まで降りたとき、5階の扉がもう1度開く。
「いやいやいや。何を間違えたの。君が牡羊座に選ばれた白上 由衣ちゃんでしょ?」
「な、なんで私の名前を!?」
「あれ?俺のこと、聞いてない?」
…どゆこと?
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