9・20事件調査書 第三項 当事者女性への聞き取り
中国軍がいつ襲いかかってきたかですか?あれは、20日の10時ごろのことでした。私たちは、朝鮮半島との国境に近いところで小さい村を作り生活していました。
中国軍は、私たちの小さい村での平和な日々を破壊するために襲いかかってきたのです。奴らは、「日本人に奪われた土地を我が国のものへ取り戻す」などと謳い、人の話も聞かずに村へ侵入してきました。
そして、私たちの村の代表者を射殺したのを皮切りに、村を破壊し始めました。村の男たちやこの先があまり長くないお爺さんたちが、なけなしの武器を持って立ち向かう中、私のような女性や子供・お婆さんたちは泣く泣く村から脱出しました。
後のことは、皆さんが知っている通りです。私たちは奇跡的に朝鮮軍の方々に保護され、私たちの村は容赦無く破壊されていました。
え、あんな悲惨な事件が起きたのに、なぜ今だにあの村の跡地で暮らしているのかですか?やっぱり、あの絶望を忘れないためですよ。私たちが今生きて来れているのは、あの時に散っていった仲間たちのおかげですから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます